人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

近日発売した玄田有史先生の本をはじめとして、この問題についていろんな意見を調べてみた:
(本は買ってないので、ネット上のレビューと関連文章を載せる)

「これだけ人手不足と言われていて、春闘でも4年連続で有額のベースアップが実現しているのに、マクロの数字を見るかぎり賃金上昇がはかばかしくない」

玄田先生が編集した本では「労働需給」「行動」 「制度」 「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」の七つの切り口のどれか(複数もあり)を中心に展開、もちょっと簡単にまとめると

「労働需給の構造」(労働需給/正規雇用/能力開発):

「実はミクロでは総じて賃金は上がっている(非正規比率の上昇や内転効果で上がっていないだけ)」
「実は人手不足ではない(不足しているのは低賃金の人手/高年齢者や女性にはまだ供給余力がある」
「非正規比率上昇などにより人的資本形成に遅れ」
「人材育成力の低下による「分厚い中間層」の崩壊が原因なんだと説きます。企業から見たら、人手不足だけれど本当に欲しい人材がいないからだと。」
「国際競争部門の動向が非国際競争部門にも波及」

「賃金の調整は時間がかかるもの」「現実にはおそらくこれらの要因が複合的に絡み合って現状があるのでしょうが、個人の当面の感想としては経験的に賃金に限らず雇用関連の調整には時間がかかるという実感はあり、(留保賃金が比較的高い)団塊ジュニアのボリュームゾーンにまだ供給余力が若干残っているのではないかと思っているので賃金が大きく上げるにはもう少し時間がかかるかな」

「賃金硬直性」(制度/規制):

「所定賃金は人員過剰時に下げにくい分人手不足にも上げにくい」
上方硬直性:景気が悪くなっても賃金が下がらない現象を下方硬直性と呼ぶならば、景気がよくなっても賃金が上がらない現象は上方硬直性ですね。
→ 下方硬直性:過去の不況期に賃下げに苦慮した企業ほど、景気回復期に賃上げを控える傾向にある可能性、すなわち「名目賃金の上方硬直性」は「名目賃金の下方硬直性」によってもたらされている可能性があることを指摘する。

また非正規雇用を含む一定的に日本特有な社会現象

「日本の非正規雇用が身分制が強く、生活保障の必要性が正社員との格差の正当化理由だったのに、能力という別の正当化ロジックで都合のよい使い分けがされてきた」[1]

「事実認識として結構衝撃的なのは、第4章(黒田)が示す、就職氷河期世代が見事に低賃金のまま今に至ってきているというデータでしょう。
2010年から2015年にきま給の変化を学歴別年齢階層別に見ると、高卒と高専短大卒で35-39歳層、大学大学院卒で35-39歳層ととりわけ40-45歳層でぐっと落ち込んでいるのです。これはつまり上のコーホートよりも低賃金になったということで、就職氷河期世代が被った「傷痕」効果は極めて大きなものであったことが分かります。」

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また玄田先生が参加した厚生労働省の2015年7月24日 第6回雇用政策研究会にもこのテーマ、特に正規/非正規雇用について議論されたようだ:

○橋本委員:。。。以前にこの研究会で、人手不足なのになぜ賃金が上がらないのかという議論があったことを思い出しました。。。この点について、日本の場合は賃金格差の問題が、職種の問題と正規・非正規の格差とが複合しているところが特徴で、その問題について、非正規労働者を正社員にキャリアアップを支援するべきだ。。。非正社員について「人的資本蓄積の減少やそれに伴う生産性の低下、企業収益の減少・消費の停滞といった経済の悪循環につながりかねない」と書かれていて、この人的資源の最大化ということで、正社員化を促すべきだということも書かれているわけですが、ここを読んで、そうすれば全てその問題が解決するのだろうかという素朴な疑問を感じました。。。。労働者の過不足状況のグラフがありますが、ここでパートタイムの不足感が強いというところで、卸売、小売業、飲食業等が挙げられていますし、この図表とも今の論点は関係するかと思っております。つまり、パートの正社員化を進めても、もともとその仕事でパートしかない仕事というのもあると思うので、その問題を扱わなくていいのかどうかということが疑問としてありました。

。。。私が勉強しているドイツでは、正規と非正規の格差というのはほとんど問題にならないのは先生方も御存じのところなのですが、やはり賃金格差の拡大というのが大きな問題になっており、それが低賃金職種の拡大の問題なので、それに対する対策としては最低賃金の引上げが考えられているのかと思うのですが、その問題を報告書を読んで感じました。

。。。私自身は長時間労働を抑制するのはとても重要だし、現状において過重労働の問題がこれだけ深刻になっていますので、今、長時間労働をやめさせようというときに、そのための方策として業務量も見直していくべきだという点を指摘すべきではないかと思いますので、ここはむしろ重要なところなのではないかと感じました。

○中井雇用政策課長 。。。賃金がなぜ上がらなかったのかという話については、例えば 6 ページの辺りに分析結果を引用しながら、この間、賃金と生産性で乖離は見られた指摘をさせていただいたり、 22 ページの辺りでも「賃金の改善について」ということで、動きをいろいろと書かせていただき、なかなか解がこれだと言い切る自信のない。。。

○玄田委員 。。。2 月に発表された暫定版、速報版を見ると、正社員よりは正社員以外のほうが賃金は伸びている感じ、男性よりは女性のほうが賃金は伸びている感じ、全般的には中高年女性の正社員以外の賃金が伸びている感じはします。職種までは細かいところは見えていない、規模別には余り特徴がない感じがします。。。

それと併せて、人手不足なのだけれども、 60 代以上の特に男性の賃金が下がっているのは、そこは就業率の拡大のところと関係しているので、その部分に関して言えば、若干供給圧力の大きさが賃金の引き下げ圧力になっているし、就業者の高齢化ということになると全体への賃金の引き下げ効果も大きいから、それがとても大きいように見えます。

もう 1 つは、黒田さんには少し言ったことがありますが、賃金が下がって見えるのは、第 2 次ベビーブーマーが非常に賃金の伸びに苦しんでいるように見えます。つまり、就職氷河期世代で入って、長時間労働を経験し、場合によっては十分な教育訓練を受けなかった結果として、 40 代に入っても余り賃金が伸びていないとすれば、それは冒頭に座長がおっしゃったような、一時的な問題ではなく、そういう不況とか長時間労働とか、いろいろなことが重なってしまった、ある意味ではとても申し訳ない世代に対して、賃金が伸びないということが大きいとするならば、それは本当にこれからの世代に対して我々が何を考えていかなければいけないかという、とても大事なメッセージに見えるので。。。

○樋口座長 。。。もう 1 つ、正規と非正規の問題における賃金格差の問題については、この間の OECD のレポートで、やはり日本は個人単位で見たときの賃金格差は非常に大きいが、世帯で考えると、安定している夫と非正規の妻とが結婚しているカップルにおいては非常に差が小さい。ただ、単独世帯が片方で増えてきている中で、従来とは違った動きというのが起こっているのではないかということで、世帯単位の貧困の問題と、低賃金の問題というのが必ずしも一致しないというのが、日本の特徴だというような記述があると思うのです。

ここで考えていくのは、労働市場の問題としてということだから、当然世帯の所得格差の問題というのもあるけれども、どうしても個々人についての賃金の問題が、これだけ大きな差があっていいのかという。。。

他の記事:

1。なぜ賃金は上がらない?/人手不足倒産の原因

世の中には、人手不足と低賃金が両立してしまう分野がある。介護や警備、海運などだ。 なぜ労働の供給が足りないのに価格(=賃金)が上がらないかといえば、労働市場は「自由な市場」ではなく、需要と供給による価格調整のメカニズムが働かないからだ。

a)会計の観点からいえば、人件費を支えられるほどの売上を確保できない、つまり生産性が低すぎる会社だから、人手不足で倒産する。「人手不足なら賃金を上げればいい」と無邪気に言うが、人件費を商品の価格に転嫁できるとは限らない。売上を伸ばす余地がなく、経費削減の余地もないという生産性の低い事業は、賃金水準が高騰すると人手不足を解消できなくなり、事業を継続できなくなる。

b)賃金に下方硬直性がある理由は、だいたい3つぐらいある。団体交渉(労働組合)、法規制(最低賃金労働基準法など)、デフレだ(賃金が下がれば、労働者の購買力も減り、物価水準が下がってしまう)。しかし、これは現代の日本人の肌感覚ではあまり説得力を感じられないと思う。というのも、バブル崩壊以降、日本人労働者の名目賃金は減り続けているからだ。サラリーマンの平均年収は1997年の467万円をピークに下がり続け、現在では415万円だ非正規雇用が増加したことを考えれば、労働者全体の収入はもっと減っていてもおかしくない。

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c)「生産性の低い企業」が現れる理由の一つは産業の長期均衡。どんな産業も、勃興した直後はブルーオーシャンだ。あまり費用をかけずにジャブジャブと儲かる。ところが新規参入が増えるにつれてレッドオーシャンと化していき、生産性が低くなる。とくに、損益分岐点の売上数量がごく小さく、その生産技術を誰でも使うことができて、なおかつ新規参入と退出が自由な分野は、やがて「産業の長期均衡」に到達してしまう。超過利潤がゼロになってしまう。賃金水準や石油価格が上がった際に、コストの増加を利益で吸収できなくなる。債務を積み上げて何とかしのぐことになり、最終的には倒産する。人手不足による倒産は、根本的には石油価格の高騰による倒産とそれほど違いはないと思う。第二次大戦後の日本の「二眼レフカメラ」は勃興した段階では多大な超過利潤を出せたが、新規参入が増えるにつれて次第に価格が下がり、最終的には超過利潤がゼロになる産業の典型的な例ではないだろうか。また最近では、ソーシャルゲーム業界が「産業の長期均衡」に似た現象を経験している。

おそらく介護や警備、牛丼チェーン、引っ越し業などの分野は、長期均衡に近づいている業界なのではないか。競争の激化により利益が薄くなり、人件費を引き上げることができない水準まで生産性が悪化しているのだろう。海運については事情に暗いのでよく分からないが、似たような状況が生じているのかもしれない。

(「生産性が高くなる」というのは、経済史の観点から見れば、労働を資本(=機械)に置き換えることとほぼ同義だ。)[2]

2。市場の「脱ブラック化」が、「人手不足」を解消させる

政府は人手不足の状況を改善するために、少子高齢化が問題の背景に存在しているという認識の下「外国人労働者を増やす」と同時に「一人当たりの生産性を上げる」技術開発の取り組みを進めようとしています。しかし、今、日本で起こっている「人手不足」問題は、ただ単に「少子高齢化」が原因なのではなく、長く続いたデフレからの「脱却」プロセスにおける必然的帰結なのです。

(ステップ1)デフレで過当競争が生ずる 
1998年後、それまでのインフレから一転してデフレになり、それ以後、各企業の業績は悪化、賃金は低下していきます
(ステップ2)過当競争が「ブラック企業」を生み出した
「過当競争」下では、各企業は「生き残り」をかけ、「倒産するよりはマシ」とばかりに、対価(価格)には見合わない「過剰サービス」を提供するなったのです。そのシワは全て労働者に行きます。労働者は皆「仕事が無いよりはマシ」とばかりに、安い給料で過剰労働サービスを提供するようになっていきます。
(ステップ3)20年デフレが、あらゆる市場を「ブラック・マーケット」化させた
「ブラック企業」は労働者にとっては最悪ですが、消費者・顧客にとってみれば「良質のサービスや商品を安くて売ってくれる企業」。つまり、ブラック企業は高い「競争力」を持っているのです。
結果、現代の労働者は皆、(サービス残業等の形で)労働時間が長いわりに給料は安く、結果、「実際上の労働単価」が下がってしまうことになっていきます。
(ステップ4)ブラック・マーケットはわずかな需要増にも対応できない
デフレが産み出した「過剰サービスを供給するブラック・マーケット」は、現有人員をフル稼働させて、ようやく成立している「限界ぎりぎり」のマーケット。ですから、「これ以上の需要に対応する」ことができません、という「構造的欠陥」を抱えています。したがって、ブラック・マーケットでは、需要が僅かでも増えれば、瞬く間に「人手不足」

そしてそのための処方箋としては、「各企業の『過剰サービス』を消滅させる事」(=企業の脱ブラック化)が必要であり、そしてそれを実現するために「各企業の『過剰サービス』を解消するため(=企業の脱ブラック化)の構造政策(規制強化や様々な行政指導等)」が求められています。

そうすれば、労働者に「余裕」が生まれ、その「余裕」を使って「需要増」に対応することが可能となり、人手不足状況は消滅するのです。しかも、こうすれば一人当たりの労働者が生み出す供給量(つまり生産性)も増進すると同時に、賃金も増進します。

3。お前らの賃金は上がらないのに「完全雇用」で人手不足の日本

“春闘を見るに、経済状況を反映してまずまずの戦果であり、一方で大手と零細・中堅の間での格差の是正や、働き方改革の流れの中で残業代の支払いや時間制限なども徐々に盛り込まれて、日本の労働環境も少しずつ変わってきているのかな、という感じでしょうか。労働組合もここが頑張りどころと言えます。ようやく非正規労働者の賃上げ率が正規雇用を上回って、格差是正というか正規と非正規の垣根をどう取っ払うかが肝になってきているのでしょう。

しかしながら、実際に統計を見てみると2月の完全失業率は2.8%、有効求人倍率も1995年ごろの水準に迫る勢いで人手不足が深刻化しています。コンマ何%で賃上げ云々と言っている場合ではないぐらいに働き手が必要とされているのに、思った以上に雇用の安定はまだ実現できておらず、働く時間は減らす方向へ動いています。さらに、労働人口も年間50万人ずつ減っていく中で、24時間営業を取りやめざるを得なくなるファミリーレストランなどの外食産業も増えてきました。先日取り上げたようにヤマト運輸ほか運送業も人手不足の割に賃金が大きく上げられる状況ではありません(「お客様は神様ではなくなり、戦後は終わった」)。本来なら、がっつり賃金が上がってきてもおかしくない水準であることには間違いありません。

働く女性を増やしたり、健康な高齢者にも働いてもらわなければならないわけですけど、16年10月の社会保険関連の法改正で制度変更があったわけですよ。それは、従業員501人以上の企業では、週20時間以上働くアルバイトやパートなどの短時間労働者も健康保険や厚生年金保険に入れてください、ということになったわけです。そうなったら週20時間以上働く長期バイトさんよりも、週15時間ぐらい入ってくれる主婦のパートさんを複数雇ったほうが企業としては良いという話になってしまうわけですね。また、健康上何があるか分からないシルバー雇用も、フルで働いてもらってうっかり倒れられて企業が医療費負担を強いられるよりは、嘱託で雇用して長くない労働時間で安く仕事をフォローしてもらおう、という流れになるのでしょう。平均賃金の伸び悩みの原因は、この女性や高齢者の労働市場流入で平均が押し下げられている部分が強くあります。保険料負担は企業にとってだるい。その分、パートさんの時給が上がれば良いのでしょうけど、賃金は上がらないのです。

つまりは、人手不足の日本は文字通り「完全雇用」なんだけど、人口も減っているので総需要が減少してて言われているほど売り上げは上がらない、という残念なスパイラルが発生しているとも言えるわけですよ。これから名目GDPが何%も増えるなんてアベノミクスを信じるのは大本営発表を聞いて太平洋戦争に勝っていると思い込んでしまう臣民のようなものです。安倍政権が能無しというよりは、できること全部やったって人口減少局面の日本が猛烈な経済成長するなんてシナリオになるわけがないじゃないですか、という話です。

上場企業の利益水準や経営内容を見ていても、傾向は何となく分かります。2016年は2年ぶりに上場企業の倒産は起きなかったけど、設備投資したり雇用を増やしたりするような前向きなお金の使い方よりは、いまある設備や資産をもっと有効に使おうという方向にシフトしている状態です。ドーンと賃金を上げようとするにしても、社会保障の受け皿を公的にしっかり用意したうえで、もう少し機動的に人を雇用したり解雇したりできる仕組みがないと厳しいのでしょう。”

[1]

「日本の非正規雇用が身分制が強く、生活保障の必要性が正社員との格差の正当化理由だったのに、能力という別の正当化ロジックで都合のよい使い分けがされてきた

実際のところ、非正規という身分を搾取しなければ、政府が小さく社会保障の貧しい日本では正社員の生活保障ができないですよね。この状況でおいそれと非正規の賃金を上げようとはしないでしょう。

日本がこんなに停滞しているのは、家父長制と身分制という類型の間で中途半端な状況に陥っているせいでしょう。家父長制は必ずしも上位者の恣意的支配を意味しない。むしろ共同体の仲間全体のための支配であり、仲間に対する庇護義務を負う。日本型雇用におけるメンバーシップ制はそのようなものだ。ただそのメンバーシップは成年男性にのみ開かれたものであり、フェミニズムから見ればホモソーシャルな支配だ。これに対して欧米は階級社会であって身分制原理が強い。

高度成長が終焉し、日本型雇用が崩壊過程に入ると、正社員の生活保障を維持するために身分制原理によって搾取する対象が必要になった。それが非正規雇用の増大という現象につながった。家父長制的な生活保障を維持するために身分制的要素を取り入れるというグロテスクな形になっている。

この状況から抜け出すには政府規模を拡大させて国が直接生活保障を行うしかない。しかし90年代以降新自由主義が台頭し、小さな政府路線という真逆の方向に動いた。これでは身分に基づく搾取を強化せざるをえない。その犠牲になったのが氷河期世代でしょう。

確かに高度成長が終焉して日本型雇用は維持できなくなり、そこからの脱却は必要だった。しかし小さな政府・構造改革という路線はむしろ事態をこじらせ、社会の停滞を招いただけだった。

この状況を打破するために必要な政府規模の拡大は、しかし家父長制を衰退させ、身分制的要素を強めることになるでしょう。それは欧米や戦前の日本のような階級社会化であり、抵抗は大きいでしょう。」

[2]

“そもそも「生産性が高くなる」というのは、歴史的に見れば、労働を資本(=機械)に置き換えることとほぼ同義だ。機械の使用が少なく、労働の使用が多い社会ほど貧しい。反対に、労働者1人に対する機械の使用量が多い社会ほど豊かだ。

現代では労働者1人あたりの資本(=機械)の使用を増やすことで、労働者の数を節約できるようになった。現代のトラック運転手は、たった数人で18世紀末の労働者3000人以上の仕事ができる。だから18世紀末の労働者よりも高額の報酬を受け取ることができるし、豊かな生活を営むことができるのだ。

「機械に仕事を奪われる」と考える人もいるだろう。その考えは、半分は正しい。革新的な技術の導入によって、短期的には失業に追い込まれる人が出てしまう。たとえば、かつて沖仲仕という仕事があった。港で輸送船の荷物の積み替えをする人々たちだ。ところが貨物コンテナの発明により、彼らの数は激減した。コンテナをクレーンで吊って移動させられるようになったので、砂糖の袋を1つひとつ運ぶ必要がなくなったからだ[9]。彼らの作っていたコミュニティも、文化も、丸ごと消えてしまったという。

しかし「機械に仕事を奪われる」という発想は、半分は間違っている。革新的な技術は、長期的には新たな産業と雇用を作るからだ。大型トラックが発明されたことで、荷物を肩に運ぶ労働者はいなくなった。代わりに巨大な自動車工場や、自動車整備士、そして現代的な物流産業が生まれた。トラックの運転手も、彼らの勤怠管理をしている事務のおばさんも、18世紀末には存在しなかった職業だ。

繰り返しになるが、労働者1人あたりの資本(=機械)の使用が多い社会ほど豊かだ。貧しい社会では、それが逆になる。1950年代のインドのように安価に使える労働力が膨大にあれば、経営者たちは機械の利用を増やそうとしない。資本を投下するよりも、労働力を使ったほうが安上がりだからだ。

18世紀末に始まった産業革命以降、私たちは持続的な経済発展を経験してきた。その背後には、人件費と技術革新の正のフィードバック・ループがあった。教育水準の上昇や少子化により労働者の賃金が上がると、経営者には労働を減らして資本(=機械)の利用を増やすというインセンティヴが生まれる。それが技術革新と、新規産業の発展、そしてさらなる人件費の高騰をもたらし、ますます資本の利用を増やすインセンティヴが強くなる。このループが200年以上続いた結果、私たちは現在のような豊かな生活を手に入れた。このループは今でも回り続けている。”

2017/5/30 update

有効求人倍率、バブル期超え 4月1.48倍

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Japan looks to solve puzzle of slow wage growth

“The theory, laid out by several BoJ policy board members in recent minutes of their meetings, is that after decades of operating in a sluggish economy, companies are wasteful in their use of labour and have a lot of pent-up ability to raise output per worker. By abandoning less productive work, they can avoid paying more for staff. One example is retail.”

I totally disagree with this theory, which basically says that as part of employments in Japan have long been doing nothing but wasting time in their office, the firms thus are able to avoiding paying more by driving them away back home. If this holds true, why do they at first need more people?

Yes, Japan has ample room to raise production per worker. But if Japanese firms could accomplish this, why the hell do they have the lost 20 decades. An extreme issue of over-worked women’s suicide changes the rigid system way little than people outside Japan think.

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これだけ深刻な人手不足なのに、いつまでも賃金が上がらない理由

“よく賃金が上がらないのは、非正規雇用が増えたからだといわれる。しかし、正社員と正社員以外にわけて賃金の動きをみても、両者とも人手不足の割に、顕著な増加はみられない。

そもそも本当に人手不足なら、もっと非正規から正規に切り替えられる人が増えて、それによって賃金が上がってもよさそうなものだ。しかし、そのような正規化の動きの広がりを耳にすることも、あまりない。”

“だから、賃金が下げられない硬直性があると、今が人手不足でも将来また不況になることをおそれる企業ほど、おいそれとは賃金を上げられないのだ。働き手も、給料が下がりさえしなければよいので、多少の不平はあっても、それほど賃金が上がることには執着しない。

実際、企業データを用いた分析からは、過去に月給の賃下げを行わなかった企業ほど、今回も賃上げをしない傾向がみられると指摘されている。賃下げが出来ない場合、企業は、将来の賃金調整の余地を残すため賃上げに慎重なることも、理論的な分析から主張された。

働き手は月給が下がることはかなり嫌うのだが、ボーナスの増減はそうでもないようだ。人手が足りなくなったり、業務量が増えたときには、企業は月給アップに代わってボーナスをたくさん支払う。”

しかしこの下方硬直性の論説には二つの疑点があります、1)なぜ日本が顕著;2)あくまで理論、企業は本当に将来の不況を考えたのか。日本の賃金の硬直性には別の理由もありうる。

“加えて多かったのは、過去にない「高齢化」の進行。年功的に上がる賃金や、生え抜きの長期雇用の傾向は、以前ほどには日本の企業でみられなくなったという声も多い。年々増え続ける積み上げ型の賃金制度を企業は採用しなくなり、かわりに一定の範囲内で増減するゾーン型の賃金制度に変更する場合がみられる。

おおざっぱにいえば、バブル入社世代までは、日本的雇用システムとよばれた年功賃金や終身雇用の恩恵にあずかることも多かった。そんな恩恵世代の男性が、2000年代後半以降、高齢者となり、徐々に定年退職を迎えるようになる。年功賃金が変化してきたといっても、それでも正社員である彼らの賃金は、若い社員に比べれば、圧倒的に高い。定年によって、高い賃金を得ていた人が、統計のなかから一気に退場していくのだ。当然、平均でみた賃金には、強い下方圧力がかかっていく。

さらに定年で辞めた人たちの多くは、そのまま引退することを選ばない。定年後も嘱託などのかたちで会社に残り続けるか、別の会社で別の仕事に就くことになる。共通するのは、そんな高齢者は、きまって非正規雇用になるということだ。

賃金が上がらないのは、非正規雇用が増えたからだという人もいるが、どこで増えたかといえば、実は高齢者の間で増えた。しかも団塊の世代を含む60代の非正規雇用が、一気かつ大量に増えたのだ。”

“人手不足は、20代などの若い働き手について、特に深刻だ。少子化による人口減少の影響を考えると、若者の賃金は、もっと増えてもよかった。

しかし、若者の背後には、低賃金の大量の高齢者が、潜在的な競争相手として存在している。政府は労働力人口の減少に対処するために、一億総活躍社会という看板も同時に掲げ、女性や高齢者の労働参加を促そうとしている。皮肉なことに、高齢者の労働参加が続く限り、非正規雇用の賃金はなかなか上がらない。”

“氷河期世代は、新卒時の就職活動のときだけでなく、その後の職業人生でも、以前の世代に比べて多くの困難を経験してきた。”

確かに年功賃金や終身雇用の恩恵にあずかる男性の定年退職は統計上の影響が大きい、また女性や高齢者の労働参加は若者の賃金の上昇を阻止するのも事実だが、私個人の観察によると正社員になった若者の賃金が上昇したとは言い難い。したがって、日本的雇用システムは一体どれくらい変わったのは問題点である。むしろ、年功賃金や終身雇用はまた大きく起用するからこそ、若者の賃金は人手不足があっても従来のルールにしたがって市場需要に対する柔軟な調整ができなくなったから上がらない状況に落ちいたのではないか。氷河期世代の状況もまさにこの制度の頑固さを示しているのではないか。

 

2017/06/04 update

添加一个国际对比视角来看日本问题。

When can women have it all

关于工作近几十年有那么两大趋势:

1工作时间越来越长,加班越来越多。(Kuhn&Lozano, 2008)
2 工作时间长短对收入的影响越来越大。(Cortes&Pan, 2007)

背后的原因可能是尽管技术进步增加了社会总体的岗位数量,但增加的岗位主要是在高收入和低收入这两段(Gregory、Salomons&Zieharn,2016)。这种从纺锤型社会,向哑铃型社会的过渡,是要加剧大家的竞争的。(也有社交网络对机会成本的发现的影响

而高收入的岗位增加会导致企业调整工作的其它条件提高利润。最明显的一点就是时间安排。一个是实际工作时间的延长,一个是工作时间灵活化,一个是响应时间的缩短。所以现在的工作变得更有“竞争性”了。(Goldin 2014,Cortes&Pan 2017)

这种全球的情况和日本似乎是很不一样的。虽然手头没去找直接证据,但是我们不难联想出由于日本的薪酬和人员晋升制度,纺锤到哑铃的路径的上端被限制了,高端职位并没有被灵活给予高收入,而下端的临时雇佣大力发展,从而从整体上限制了工资的提升。从产业上,这可能降低日本的高端人力资本密集型产业如投行软件等的国际竞争力。

 

 

Is Japan Reviving?

Japan Can Teach U.S. How to Overcome National Rot

While more people in the U.S. are noticing a period of institutional sclerosis and Europe suffers from its paralyzed politics and  high unemployment, Noah argues that Japan has managed to mostly pull itself out of a long period of paralysis. Despite of Japan’s seemingly endless dysfunction following the bursting of its real estate and stock-market bubbles, he claims that the perception that Japan is mired in an eternal “lost decade” is now out of date.

Yes, Japan’s economy has a number of long-term structural problems, most significantly its aging, shrinking population. But in most areas, Japan has overcome its bout of sclerosis, and in many ways is looking healthier than any other major economy.

The areas he mentioned are:

1) GDP:
While total GDP figure, or fail to account for inflation understate Japan’s performance,  the country’s real output per working-age population has outpaced the U.S.’s since 2000, despite the fact that Japan’s working-age population has aged much more.

2) Employment:
In Japan now, practically everyone who wants a job has a job

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Though women in Japan still haven’t won economic equality in the workplace, they now have jobs at higher rates than their American counterparts.imrs

3) Companies:
Though Japanese companies are simply employing too many people, they also have managed to improve profitability a lot. Margins are higher than they’ve been since the Great Recession.

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4) Many social indicators:
Fertility, tough at very low level in developed countries, has begun to inch up.
Japan’s violent crime rate is still legendarily low.
High suicide rate has also come down substantially.

Noah lay the cause of these healthy indicators on good leadership who were willing to confront issues like unproductive workplaces and pervasive sexism head-on, as well as on companies’ effort endeavored in waves of consolidation that helped raise profitability in industries from autos to banking to electronics.

However, as a student of Japanese economic history and a foreigner living in Japan, I really doubt that if two lost-decades has made Japan to collectively realize that the old growth and social models weren’t working.

 

Firstly, despite of the growing GDP per capita at all, Japan is a country famous for its low white-collar productivity which is borne out by the statistics. And thus the full employment is still strayed from perfect stage as the substantial growth of employment since 1990 is mainly driven by part-time workers, who are arguably offered jobs that  even a Robot shouldn’t do. [1]

Secondly, my own research finds that the waves of consolidation is nothing but a boom stimulated by changes on laws and the level of firm reorganization is still way lower comparing to UK or US market. Moreover, based on the data of listed firms in Tokyo exchange, I find that that despite of increasing turbulence on the economic environment as well as the technology revolution, the risk of bankruptcy on big firms in Japan are becoming lower in recent decade, which might imply a more stable and rigid market environment.

The case in Japan is not like what Chandler said “structure follows strategy” but the verse. So the main question is if the structure (inter-firm, intro-firm, market) has changed institutionally or not. Or in a more pessimistic sense, is Japan able to get rid of its institutional sclerosis formed and trapped in its economic heyday in principle?

 

[1]

“Some of that comes from the reluctance by tradition-minded companies to adopt modern workplace technologies — there are still companies using fax machines or copying electronic documents onto paper. Some of it is from outdated management practices. Some of it is from employees staying at work for too many hours, long after their productivity has gone into free-fall. But some of it is certainly just a function of useless jobs. There are Japanese people being paid to do things that no one, not even a robot, should be paid to do.”

Appendix: Aging and Shrinking population in Japan

The population of Japan is estimated to drop below 100 million in 2053, and the most pessimistic calculation is that Japan will diminish in 3766. Immigration is the only way in the short to medium term to solve Japan’s pension deficit and manpower issues, and Japan is relaxing its some of its immigration rules. However, Japan’s government has claimed that this is only foreign-skilled variety and it will never welcome the word of immigration but only guest worker.

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The future of JGB

Last year we have talked quite a lot about BOJ and the unsustainable balance sheet it holds. Now, with the rising yield pushed by FRB, the BOJ has to face a substantially worse situation as it has increasingly little room for monetary policy while the prospect of economy and inflation are still in gloom. I will continuously gather the relevant articles in this blog.

Japan – It’s Finally Happening

Large hedge fund managers like Kyle Bass or Crispin Odeywere have been shorting JGBs for a while. After all, it was an awfully compelling story. It’s difficult to see how Japan will be able to manage its monster debt load without inflating it away.

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Yet the great global bond rally of 2016 that drove European sovereign yields to batshit crazy negative levels, dragged Japanese government bonds along. ->  One of the most overindebted countries in the history of modern finance trading with a 0% thirty year bond.

-> Then a crazy thing happened. Worried its bonds would trade at negative yields and pressure the financial system, the Bank of Japan pegged its 10 year yield at 0%. -> In doing so, the BOJ moved from a set rate of balance sheet expansion to one that varies based on whether that peg is either too high, or too low. -> If the equilibrium level of 10 year rates was in fact below 0%, the Bank of Japan would be forced to sell bonds to keep rates stuck at 0%. If there was demand for credit and 10 year rates moved higher, then the BoJ would be forced to buy bonds to keep them from declining. -> at its heart, the BoJ was giving up control of its balance sheet so it could peg a specific part of the yield curve.
(Of course Central Banks do this all the time. The difference is they usually operate at the front part of the curve, and when there is too much demand or supply, they change the rate.)

-> The Bank of Japan had not eliminated volatility, but merely postponed it.

–>> An expansionary feedback loop: Eventually the Bank of Japan’s massive balance sheet expansion would kick in. At that point, inflation would pick up, credit would be demanded (?) and the BOJ would be forced to defend the 0% peg -> be forced to buy an unlimited number of bonds at a level below the market and expand the amount of base money, which if not offset with a decline in the velocity of money, would create more inflation, etc… All of this would be occurring with an already highly supercharged Japanese Central Bank balance sheet.

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BoJ was tested by the market last week as the JGB 10 Year bond spiked through the previous high yield on news the BOJ would not be expanding their balance sheet quite as aggressively as expected in their regular QE program.
(“Market looks to have been looking for a broader spectrum of purchase increases to reaffirm the commitment”)

  • The short-term policy rate, which applies to some bank reserves, was held at -0.1 percent.
  • The long-term policy rate, which is a target applied the yield on 10-year Japanese government bonds, was left unchanged at around 0 percent.
  • The inflation forecast for the fiscal year starting on April 1 was kept at 1.5 percent.
  • The GDP projection for the fiscal year was raised to 1.5 percent, from 1.3 percent.

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As yields popped through the previous 0.10% yield ceiling, the Bank of Japan came charging into the market. <- The BoJ bid 3-4 basis points through the market with unlimited size to push yields back down to the 0.10% level. (Many analysts interpret the BOJ’s target of around zero percent to mean a range between positive and negative 0.1 percent.)

–>> The market is finally saying the demand for credit is enough to force the Bank of Japan to buy bonds to keep rates down. And that was the signal of shorting JGBs. 

+ BOJ faces the challenge of seeking to hold down borrowing costs just as accelerating inflation and an improving outlook for some of the world’s biggest economies push up bond yields globally.
(putting upward pressure on Japanese yields while also pushing down the yen. -> Further weakness in the currency, which would support exporters and help the central bank toward its distant inflation goal [A weak yen helps to boost exports and corporate profits, which should also encourage more investment and wage growth, though these flow-on effects have been disappointing so far.], may also raise the ire of Donald Trump and provoke a protectionist response that Japan can ill afford) 

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20170131th(中長期的な懸念は長短金利差と円安誘導的な)

(However, It would be just like the Market Gods to finally usher in the JGBs collapse once all the hedge fund guys had given up on it…)

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Moreover, Japan’s biggest banks benefits from this trend

Mitsubishi UFJ Financial Group Inc., Sumitomo Mitsui Financial Group Inc. and Mizuho Financial Group Inc. are on course to exceed their fiscal-year profit goals, having all beaten analysts’ estimates for third-quarter earnings. Surging global bond yields and market volatility since Trump’s November election victory have been a boon to the banks’ fixed-income trading, helping to offset weak lending profitability, the results showed. And bank executives have welcomed Trump’s moves to relax financial regulations in the U.S., where the three firms have operations.
1000x-11(Bond and securities trading profit jumped and credit-related costs fell)

Other tailwinds include a weaker yen, which has fueled inflation expectations (weaker yen inflating earnings abroad) and prompted economists to predict that the BOJ’s monetary easing is over.

“A year ago the outlook was for continually lower rates, whereas now we’re starting to see prospects of higher rates going forward”

(However, Domestic interest margins remain tight, interest rates are low or negative and competition is fierce,” “Japan’s megabanks still face a tough environment.”)

 

Update 2017/02/14

No Laughing Matter for Kuroda With BOJ Near 40% of Bond Market

The BOJ holds more than 40 percent of Japanese government bonds, and the central bank’s stake continues to rise and rise.

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As the central bank’s need to control yields drives unprecedented purchases of benchmark 10-year debt ->  exacerbating concerns it will run out of willing sellers to supply it with bonds to buy.

“The BOJ actually decreased the pace of purchases late last year, but after the market started to price in the risks to drive the yield up to 0.15 percent, and forced the central bank to accelerate again”

-> The yen rallied after the increased operations showcased concerns the BOJ’s shift to targeting the yield curve hasn’t removed questions about the durability of its quantitative easing.

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BOJ is also aimed at steepening the yield curve:
With Japanese investors selling off Treasuries at the fastest pace since 2013, it also raises the likelihood of pension funds and life insurers, which need long-term assets to meet similar liabilities, being drawn back to so-called superlong bonds — worsening the BOJ’s potential supply constraint
+ raising stimulus-sustainability issues: banks are seen getting closer to their target limits when it comes to selling down JGB holdings. (Japan’s banks sold 141 trillion yen of government debt in the first 3 1/2 years of Kuroda’s easing, playing a key role in supplying the 298 trillion yen that the BOJ bought in the same period. Banks have just 219 trillion yen of the securities left, and they need to keep some of that to meet regulatory requirements. That all adds up to the real possibility that the BOJ will face constraints on its capacity to buy bonds.)

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And almost a third of the bonds it owns have no income — or just pay it 0.1 percent a year in interest.
-> surge in bond prices over the past four years could still create losses for the BOJ, because most of the debt it buys costs well above face value, even though face value is what the central bank will get back, because it plans on holding the securities to maturity. The looming balance sheet shortfall that creates is another of the concerns surrounding the long-term sustainability of the policy.

Looking forward, it seems the BOJ can’t stop buying, otherwise it would lose control of yields while its inflation target remains far from 2 percent. Yet it can’t go on buying forever either, thanks to a lack of ready sellers.

 

PS.1 China’s Bond Market Has a Forgery Problem

PS.2 Bank of England Is Right to Ignore Inflation

PS.3 Germany’s Worrying Squeeze

ITOCHU: Large trading firm in Japan

面接の準備のため、今回は日本の商社を見てみようと思う。商社で聞いた途端、思い出したのは去年伊藤忠が空売りファンドに攻撃された件である。それで、当時のレポートと伊藤忠のIR資料を使って、日本の商社セクションを垣間見よう。

グラウカス・リサーチは伊藤忠商事株式会社のレーティングを「強い売り推奨」としてカバレッジを開始しています

東芝は会計手法を意図的に操作し、2008 年度から 2014 年 度にかけて税引前利益を計1,518 億円水増ししていた

伊藤忠は2016 年 3 月期に大手の三井物産や三菱商事を抜いて、日本の商社の中で利益トップの地 位を獲得した(一説は商品相場の大幅下げがもたらした資源ビジネスへの打撃の中、伊藤忠商事における資源分野の痛手が小さかった。伊藤忠の純利益が非資源部門にけん引されており、他の商社が認識した大型減損の影響を同社は受けなかったという誤った認識に基づいて、同社の株価は競合を上回るに至った。)/岡藤正広社長の就任以来、伊藤忠の当期純利益は 87%増加している(2010~2016 年 3 月期)。

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<- 伊藤忠商事株式会社は同じく財務報告の訂正と不正会計が存在する:

1。伊藤忠はコロンビアの炭鉱に対する出資持分の価値が著しく下落していたにもかかわらず、不適切な区分変更によって 1,531 億円相当の減損損失の認識を意図的に回避し、2015 年 3 月期の当期純利益を過大報告したと考えている。この点を訂正しただけで、伊藤忠の当期純利益(3,006 億円)は 51%減の 1,475 億円となったはずである。

2。伊藤忠が CITIC を持分法適用関連会社とし、その利益を連結会計に取り込むことは認められるべきでないと考えている。CITIC は中国政府によって運営され、議決権の過半数を保有されている。つまり、伊藤忠が CITIC の戦略、運営、方針決定に何らかの重要な影響 を及ぼせる可能性は極めて低い。CITIC を連結会計から除外することは、伊藤忠の純利益見通 しが 20%減少することを意味する。

3。また、中国食品・流通大手の頂新に対する非支配株主持分の区分変更に伴い認識された 600 億円の特別利益について、この利益が発生したタイミングと投資先の収益性低下に照らし て、強い疑念を抱いている。2015 年 3 月期の期末わずか 4 週間前になって、伊藤忠が奇跡的に 600 億円の特別利益を発見したことは、期初計画を 600 億円未達となることが見込まれた時期 であったことと考え合わせると弊社には信じがたいことに思われる。

 

具体的には:

1。2011 年 10 月、伊藤忠は米鉱業大手 Drummond Company 傘下でコロンビア炭鉱事業を保有・運営・管理する企業 Drummond International, LLC(「ドラモンド JV」)の株式 20%の取得を発表した。伊藤忠による株式 20%の取得対価は 15 億ドル、取得時の炭鉱事業の評価額は 75 億ドルであった。手続き完了にあたり、伊藤忠はドラモンド JV への出資を持分法適用関連会社への投資と認識した。従っ て、伊藤忠はドラモンド JV の純利益の 20%を自社の損益に取り込むことが可能となった。

2015 年 3 月期には、伊藤忠は貸借対照表上ドラモンド JV に対する持分 1,979 億円を計上していた。しかしこの投資先のパフォーマンスは劇的に悪化していたことにもかかわらず、伊藤忠が減損を認識す ることはなかった。すなわち、純利益を過大に報告していた。

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a) 投資の失敗
伊藤忠による出資のほぼ直後から燃料炭の価格は急落し、2011 年ピーク時の 132 ド ルから 64%下落して 2016 年には 47 ドルに達した。ストライキや運営上の問題が炭鉱における生産を妨げ、事態をさらに悪化させた。2013~2015 年 3 月期にかけて、石炭の生産量は予想された水準を 26%下回っていた。この投資が抱える問題の多さを受けて、ブルームバーグまでもがドラ モンド JV の炭鉱資産の価値は 2013 年時点でわずか 30 億ドルであると発表した。これは伊藤忠の投資時から 60%の下落を意味する。石炭価格はその後も下がり続けた。

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b) 損失認識を回避する手段としての区分変更

2015 年 3 月期第 3 四半期の決算説明会で、伊藤忠の経営陣は「石炭価格の下落や過去のストライキ等々の状況を踏まえ」「投資回収は難しい」と述べた。しかし損失や減損を認識する代わりに、2015 年 3 月期に伊藤忠は不適切にもドラモンド JV に対する持分を「関連会社投資」から「その他の投資」(FVTOCI 金融資産)に区分変更した。さらに、伊藤忠はこの区分変更に伴い連結会計上損失や減損を認識することはなかった。この区分変更は現行の会計ルールに照らして不適切であり、ドラモンド JV の投資の失敗にかかる損失の認識を回避することが唯一の動機である。

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炭鉱が「その他の投資」に分類されてい れば、失敗した投資から生じた損失や減損が、伊藤忠の当期純利益をはじめとする損益や業績見通しに悪影響を及ぼすことはない。

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投資区分を持分法適用関連会社から一般投資に変更する際には、再評価がなされ、損益が認識される。 後に触れるように、伊藤忠は利益を膨らませる必要があったときには、頂新の再評価に伴う利益を認識 している。

c) 重要な影響力テスト
IFRSにおいて、非支配株主としての投資を「関連会社への投資」として連結損益に取り込むか否かは、IAS 第 28 号と「重要な影響力」テストに基づき判断される。IAS 第 28 号のもとで、被投資企業の議決権の 20%以上を保有していれば、重要な影響力を有していると推定され、その投資は原則的に関連会社投資として扱わなければならない。 <- 伊藤忠は 2011 年以来ドラモンド JV の株式の 20% を保有しているため、2012~2014 年 3 月期にかけて、伊藤忠はこのルールに従ってドラモンド JV を関連会社投資と認識していた。

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伊藤忠は複数の正社員をアラバマ州バーミンガムに駐在させ、コ ロンビア炭鉱の「事業管理」にあたらせている。伊藤忠の JV における機能はアラバマに拠点を置くチームに事業管理をさせることであった。 JV における同社の機 能の一つとして、伊藤忠の短期的・長期的物流ノウハウの活用を挙げている。取引の一環として、伊藤忠はドラモ ンド JV で産出した石炭の対日向け独占販売権に加え、親会社のドラモンドと共同で アジア各国の電力会社をはじめとする顧客にマーケティング・販売する権利を獲得した。

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d)会計上の訂正で 2015 年 3 月期当期純利益は少なくとも 1,531 億円減少
いかなる指標に基づい て考えても、伊藤忠の投資は失敗であり、会計ルールに従えば同社はドラモンド JV の帳簿価格 について評価損か減損を認識するべきだった。しかしその代わりに伊藤忠は投資を区分変更した。伊藤忠の 2015 年 3 月期の貸借対照表 におけるドラモンド JV の帳簿価格は 1,979 億円だった。

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伊藤忠は投資の区分変更を行った後、 2016 年 3 月期に、単体財務諸表上のドラモンド JV の価値にかかる約 465 億円の減損損失を計上した。しかし、減損の認識を遅らせていたにもかかわらず、この再評価も伊藤忠の投資の価値下落の規模を完全には認識していないと考えている。

ドラモンド JV を他の石炭企業と比較して、伊藤忠の投資の価値は 2015 年 3 月期時点でわずか 448 億円 だったと推計している。結論として、投資を不適切に区分変更する代わりに、伊藤忠は 2015 年 3 月期に少なくとも 1,531 億円の減損損失を計上するべきだった。伊藤忠の当期純利益は 3,006 億円であるから、この訂正は純利益を実に 51%減らすことになったはずである。

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2。伊藤忠の Brand-new Deal 2017 の主要目標の一つは、「非資源分野を中心とした成長戦略推進による純利 益 4,000 億円に向けた収益基盤の構築」である。この目標に向けて、伊藤忠は 2015 年 1 月 20 日、6,000 億円を投じて香港証券取引所に上場している中国の国有企業 CITIC Ltdの株式 10%を取得した。分析に基づき、伊藤忠は CITICへの投資に持分法を適用して連結会計に取り込むべきではないと考えている。2017 年 3 月期に関して、伊藤忠は 3,500 億円の当期純利益見通しの 20%(700 億円)が CITIC に由来す ると見込んでいることから、利益見通しを大幅に過大報告しただろう。

関連会社の持分に応じた損益を自社の純損益に取り込むことで、収益性、業績、株価を押し上げ ることができるからである。

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a) CITIC の 58.13%を保有するのは、中国政府が 100%株主の CITIC Group Corp. (「CITIC 親会社」)である。 CITIC が中国政府の過半数保有と支配の下にあることに照らして、弊社は伊藤忠が CITIC の方針や財務的な決定に「重要な影響力」を持ち得る可能性は極めて低いと考えている。

b) 伊藤忠は50%保有するジョイントベンチャーを介して CITIC に投資しており、その CT Holdings は CITIC の董事(取締役に相当)2 名の指名権を有している。しかし、実際に指名された董事のいずれも伊藤忠と重要なコネクションを持っているようには思われず(政治人物)、 これが実質的な影響力には当たらないと考えている。CITIC は両社経営陣が「協業について話し合うために 6 カ月に 1 度」 会っていると公言した。さらに、 弊社は、CITIC と伊藤忠の間に重要な取引は存在しないこと、経営層の人事交流もないこと、伊 藤忠から CITIC に対する重要な技術情報の提供もないことを認識している。

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そのため、伊藤忠と CITIC との潜在的なシナジー効果は極めて小さく、伊藤忠の純利益に反映される投資収益率はおそらく 11%に達するだろうが、投資に対する現金収益率は 1.6%にしかならない可能性が高い。伊藤忠がノンキャッシュの利益しか生まない巧妙な組織構造に大量のキャッシュを投じている。

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同社は長期的な純利益目標 4,000 億円を確保すべく、紙上の巨額の 利益を獲得するために、現金収益の少なさというリスクを冒した。

 

3。2015 年 3 月期、伊藤忠は予想外の減損損失を米国のシェール投資 Samson Resources とブラジルの鉄鉱石 企業 NAMISA について計上する必要に迫られたと弊社は推測する。これらの減損は持分法適用会社から期待された利益を一掃し、その結果経営陣は、損失をカバーするための利益を探すこととなったのであろう。 信じがたいことに、経営陣は期末わずか 4 週間前にその利益を発見し、これによって純利益の 20%がもたらされた。この利益の半分以上は、持分法適用関連会社であった頂新を「その他の投資」に区分変更したことによ る。

伊藤忠は 2010 年以来頂新に 18.7%の持分を有していた。保有実態にほとんど変化がなかったにもか かわらず、伊藤忠は頂新株式を保有していたアサヒとの JV を解体し、投資の区分変更を行った。 そのことによってキャッシュを伴わない紙上の特別利益を認識する素地ができた。

(2010 年頂新がアサヒに株式を新規発行した結果、伊藤忠が頂新に有していた 20%の持分は 18.7%に希薄化した。 希薄化に伴い、伊藤忠はアサヒと JV を設立し(74%:26%)、両社の頂新株式を保有させた。プレスリリースによると、JV の目的は大中華 圏市場における食品事業開発のための相互協力であった。しかし、CFI の機能は単なる持株会社にとどま った。それゆえ、CFI 設立の唯一の目的は、伊藤忠が JV を連結対象とし、そのことによって頂新に対す る持分は実質 18.7%であるにもかかわらず、頂新を持分法適用会社として扱うことであったように見える。そして、頂新の利益の持分相当を伊藤忠の連結純利益に取り込むことができた)

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a) 伊藤忠は毎度にわたり期初計画を達成し、同社の説明では利益の大半が非資源分野に由来していることから、日経 225 の優等生と見なされている。しかし財務諸表分析から、同社が 2015 年 3 月期に期初計画を達成できたのは例によって疑わしい「関連会社投資」から「その他の投資」への区分変更から生じた利益のおかげであることを示している。伊藤忠の 2015 年 3 月期の利益計画は 600 億円未達となる見込みだった。

2015 年 3 月期が終わる 4 週間前の 3 月 3 日、伊藤忠は CFI の持分 74%を 1,619 億円で売却し、非現金取引の対価として頂新の株式 17.8%を取り戻した。伊藤忠はその後頂新への投資を区分変更して「その他の投資」とし、特別利益約 605 億円を投資の評価益として計上した。

頂新の収益性は伊藤忠が出資後最初に持分法を適用した 2010 年 3 月期第 1 四半期から 低下している。

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伊藤忠がおそらく、利益の少なくとも 一部については Tingyi 株式の取得日と区分変更日の間に生じた株価上昇を根拠として計上したのであろう。税引後の特別利益(605 億円)が伊藤忠の期初計画達成のために不足していた 600 億円の穴を埋めるため会計ルールを操作している。

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*総合商社の目標と減損損失

かつて名を馳せた日本の総合商社は、コモディティー価格の下落や海外投資の失敗による多大な打撃を受けてきた。他の商社と類似するビジネスモデルを持ち、同じ困難な環境とコモディティー価格に直面しているにもかかわらず、伊藤忠は今まで他社のような巨額減損を概 ね回避してきた。実際、伊藤忠 は 2016 年 3 月期に初めて、日本の5大商社の中で当期純利益トップを達成した。

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伊藤忠の計画を達成する並外れた能力は、実際には減損損失を除く投資関連の特別利益や割安な買収案件の目立った増加に支えられている。これらの大半はキャッシ ュを生まない特別利益である。そのような利益の 83%が 2015 年 3 月期と 2016 年 3 月期に発生している。同社が必要な減損損失の認識を不適切に遅らせたり、 投資の損失処理を完全に回避したり、減損を任意のオプションと見なして いる。

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IFRS における減損の扱いはしたがって米国会計基準よりも厳しく、一般的には企業がより早く減損を認 識することを要求する。市場価値の下落や市場・経済状況の悪化といった IFRS における減損の兆候には、 コモディティー価格の下落も含まれる。それが、三井物産や住友商事といった伊藤忠の競合にあたる日本の総合商社が 2015 年にコモディティー価格の下落を受けて巨額の減損損失を出した理由である。伊藤忠は一部減損を認識したが、弊社は同社 がもっと多く認識するべきだったと考えている。

 

*伊藤忠について

伊藤忠は総負債/EBITDA 倍率が 9.29 倍、総債務/総資本比率が 57%と、レバレッジが高い状態にある。2011 年以来、投資家から、社債を通して約 3,170 億円の資金を調達してきた。債権者は伊藤忠の純利益成長に相当の信頼を抱いており、伊藤忠がより多くのフリーキャッシュフローを生み出すことに期待している。

しかし、 このレポートの中で弊社が詳細に示したように、伊藤忠の利益の質は劣化しており、また伊藤忠の連結資本の 24%に及ぶ CITIC への出資の集中リスクを懸念するべきである。

債権者はさらに、伊藤忠が今後新規投資を縮小すると予想している。しかし、伊藤忠は純利益の大きな 部分を特別利益に依存していることから、中核事業が劣化する中、目標達成のために支出を続けざるを得ない可能性がある

たとえば 2016 年 3 月期、伊藤忠の商社としての中核的な利益を表す営業利益(売上総利益、販売費及び一 般管理費、貸倒損失の合計)は前期から 17.2%減少した(2,727 億円から 2,264 億円)。この減少をカバ ーするために、伊藤忠は複数の特別利益の恩恵にあずかっている。これには PrimeSource の売却82 に伴 う 200 億円の利益、オリエントコーポレーションの資本構造の変更に伴う 90 億円の利益、Samson Resources の売却に伴う 340 億円の税務上の利益、そして CITIC の負ののれんにかかる利益が含まれる (CITIC の株価は伊藤忠の投資時から 14%下落していたにもかかわらず)。これらの利益は中核事業の成長の欠如を覆い隠してきた。

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利益源がなくなりつつある中で、伊藤忠が来期の純利益計画 3,500 億円を達成する方法は考えにくい。

 

 

このレポートについて伊藤忠の返事では<当社の会計処理に関する一部報道について>

1)コロンビア石炭事業(Drummond International, LLC)への出資について
2014 年度に、同社が潜在的議決権を有する優先株式を発行した際にジョイントベンチャー契約の見直しが行われました。これに伴い、同社の予算及び設備投資等の重要な決議事項に対する承認権を有さないこととなり、営業及び財務方針に重要な影響力を 行使することができなくなったため、持分法投資から一般投資に区分変更を行ったも のです。

2)CITIC Limited(CITIC 社)に関する連結処理について
2014 年度に、当社は CITIC 社を中心とする企業集団及び CP グループと戦略的な業務・ 資本提携に関する契約を締結しました。これに伴い、2015 年度に CP グループと共同で 設立した事業会社(当社持株比率 50%)を通じて CITIC 社の議決権株式を 20%保有し ており、同社への投資に対して持分法を適用しております。

3)頂新に関する会計処理について
2014 年度に、当社は保有持分の一部売却を行うと共に、株主間協定書を改定しました。 これに伴い、当社の同社に対する経営関与度合いが低下したため、持分法投資から 一般投資に区分変更を行ったものです。

 

また、伊藤忠商事株式会社に対するグラウカス・リサーチの返答

1。著名な監査法人による無限定適正意見は不正会計に対する防御手段にはならない。

2。伊藤忠の返答において、同社は潜在的な希薄化については触れたもののそのよう な希薄化が起きたかどうかについて明瞭に説明していない。予算及び設備投資等に対する「承認権」は現行の会計ルー ルの下では無関係である。IAS 第 28 号に基づくと、被投資企業の議決 権の 20%以上を保有していれば、重要な影響力を有していると推定され、その投資は原則的に関連会社投資 として扱わなければならない。

仮に伊藤忠が正しく、2015 年 3 月期におけるドラモンド JV の連結除外 が適切であったとしても、会計ルールは伊藤忠が投資を区分変更する時点で再評価を行うことを求めている。 伊藤忠は頂新を「関連会社投資」から「その他の投資」に区分変更したことにより特別利益 600 億円を認識 している。なぜドラモンド JV に対しては同様の再評価がなされないのであろうか。

3。CITICのケースにおいては、ジジョイントベンチ ャーが 20%の持分を保有しているという事実は「重要な影響力」の保証にはならない。

4。伊藤忠の頂新に対する実質的な持分は 2010 年にお いて 18.7%であり、伊藤忠がその投資を区分変更した時点においてもほぼ変わらなかった (17.8%)。伊藤忠はその影響力の程度が 2015 年 3 月期において大幅に変化したという何らかの証拠を提示すべきである。また頂新への 投資の再評価に関しては特別利益の認識が可能であった一方で、ドラモンド JV への投資の再評価は重大な損 失に繋がる可能性があり、利益を損なう可能性があった。しかし、会計基準は、伊藤忠が再評価の結果が良い場合のみ選択的にルールに従う、ということを許容しては

 

まとめ

まず、グラウカスが突っ込んだ3点の中、2の中国国有会社については理屈をこねる感があるが、1と3の好き勝手で区分変更をしているのは確実と思う。伊藤忠の会計手法について疑うの理由と説明はもかなり充実している。その反面、伊藤忠の反応は滑稽だ。短く通り一遍のものであり、挙げられた問題点に対する意味ある対応は全くしていないにもかかわらず、自社の過去の会計処理には「一点の曇りもないと思っている」と言い切ったり、「同じ土俵で話をすると、グラウカスのネームバリューを上げることにつながる」「騒げば騒ぐほど、彼等のネームバリューを上げることになる」なとばっかり強調して、ずいぶんぶさまだ。

しかし、こういった問題に対して、資本市場の関係者はほとんど無視するような見方。

“三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、グラウカスがリポートを公表した翌日の7月28日、「リポートには株式市場にとってニュースとなるようなものはない」と指摘した上で、伊藤忠株の投資判断を改めて「オーバーウエート(強気)」とした。野村証券も8月2日、グラウカスが問題視した3点について、「少なくとも会計基準に明らかに準拠していないとまでの感触は得られなかった」とした。大和証券の五百旗頭治郎シニアアナリストは「グラウカスのリポートで指摘している3社の会計処理については、われわれアナリストも懸念していたところであり、それほど違和感はない」と指摘。その上で「解釈の問題であり、不正とまで言えるかどうかは疑問だ」と述べた。”

問題は事実けど、問題にならない。なぜなら、こういた会計処理はどの社でもやってることから。

“伊藤忠が指摘された投資区分の変更は、他商社にとってもひとごとではない。「15~20%出資する企業への持ち分法適用の是非は社内でよく議論になる。各社、多かれ少なかれ会計のマジックはあり、まっとうな処理と説明するのは容易でない」(商社関係者)。

また、総合商社が少数出資する資源権益の減損判定も、前提となる将来の商品市況の長期見通し次第で大きく変わる。ベースはあるが、強気か弱気か、どの見通しを組み立てるかには微妙な裁量がある。明らかな説明の矛盾がないかぎり、監査法人もその幅を容認するのが実態だ。

実は商社が標的になったのはこれが初めてでない。2015年12月、国内の調査会社ウェルインベストメンツリサーチが、丸紅に対し「巨額の減損リスク」と題したリポートを公表。特定案件の減損処理を「意図的に遅延させた疑いがある」と指摘した。

今回のケースでは、連結の適用範囲など個別案件の微妙な解釈を指摘しており、複数の会計専門家は「伊藤忠の事業に精通した者が一つひとつの案件にヒアリングしないとコメントは難しい」と見通す。総合商社は300社から多くて1200社以上の連結対象企業を抱え、収益がキャッシュの流れと一致しない“バーチャル”な会計処理を多く行っている。”

減損損失、投資収益はそもそも一定範囲内で調整できるものであり、それを使って業績を緩やかにするのはある程度世界共通でも言えるだろう。しかし、今回の件とともに暴露した一つのことは、日本古く以来特有なビジネスである総合商社のビジネスモデル問題である。

日本商社のビジネスはどう見ても資源分野と海外投資という二つの分野に大きく依頼している。市況産業に近い、投資ポットフォリーオから見るとリスクかなり分散されてないようだ。最近アメリカの経済復活と金利上昇の傾向はともかく、世界範囲の低成長低金利またドルの景気によりコモディティー価格の下落と海外投資の失敗は今後も続く可能が小さいでは言えない。今の経済環境から見ると、商社の経営投資戦略は時代遅れでも言えるだろう。グラウカスが言ったような、中核事業が劣化する中、利益の大きな部分を特別利益にいぞんさぜるを得ない、また目標達成のために支出を続けざるを得ない可能性が大きだろう。低金利の恩恵を被って資金を調達ことができでも、高いレバレッジとフリーキャッシュフローの出さない投資はいつまで続けるだろう。紙上の投資利益は中核事業の成長の欠如を覆い隠すことはいつまでできるかの一方、不安定な金融市場でいつか世界レベルの金融危機が再び起きる時、そういった海外投資は破滅までの損失を持たされる可能性もないではないだろう。

また、どの総合商社でも今は、非資源分野を中心とした成長戦略推進を向けた収益基盤の構築を強調しているけど、経路依存と会社内体制の陳腐化を考えると言ってるような簡単ではないだろう。例えば従来鉄鉱石と原油・天然ガス事業の開発投資など領域で強みのある三井物産は「資源への投資はより厳選してハードルを高くする」と「アジアの病院事業や食料と農業、海外発電などに経営資源を集中し、エネルギー・金属以外の安定収益型事業の純利益を、現在の1400億円から2020年3月期までに2000億円へと積み上げる」という二つ策を打つと公表したが、後者の収益が出るまでの時間という問題以外、総合商社として一体どこまでそういうプロジェクトへの目利きがあるのか。転換期の内、純利益が絞るとともに基礎営業キャッシュフローも当然縮小見込みであり、今まで投資家を引き寄せた商社の現金配当は持続がたいだろう。

伊藤忠の中期計画は

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一番期待されたのは食料、または住生活、繊維と情報金融、また次は機械と金属。現況を見ると:

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-> 2015年の状況はかなり厳しいらしい。自信の根拠はよく分からない。実際16h1の状況を見ると

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-> CITICの投資収益がないとかなりやばいの感じ。ROE下降はさぜるを得ないだろう。

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伊藤忠投資状況

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*伊藤忠の戦略

A。伊藤忠の非資源ビジネス、特に生活消費関連分野

当期純利益に占める資源以外(非資源)の割合は非常に大きく、なかでもその半分以上を占める生活消費関連分野は業界最大の収益規模を誇り、資源ビジネスの収益の割合が比較的大きい他商社との大きな違いとなっています。この生活消費関連分野の伸びがNo.1の原動力なのです。

例えば、バナナなどの青果物でおなじみの「Dole」は、2013年4月に伊藤忠がアジア青果物事業とグローバル加工食品事業を買収し、生産から販売までを手掛けている事業のひとつです。

このDole事業の取得により、「世界のDole」というブランド力や、70カ国以上にわたるDoleの販売網を最大限に活かして、世界中の美味しいものを、世界をフィールドとして拡販していくことが可能になりました。

新たに取得した事業に自社がもつノウハウを加えて、その価値をさらに高め、自社のさまざまな事業同士を有機的に結びつけてシナジーを生み出すことが伊藤忠流のアプローチ。ドールをはじめとする生活消費関連分野は、特にこのアプローチに強みを持つ分野なのです。

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->このノウハウとシナジーは何かよく分からない。

財閥系商社が歴史的に国の基幹産業との結びつきが強いのとは異なり、伊藤忠は繊維ビジネスが祖業であることを背景に、生活消費関連分野を中心にさまざまなビジネスを創造してきました。
業界に先駆けて、ブランドビジネスという分野に先鞭をつけたのも伊藤忠です。

1970年代、時代に先駆けて「イヴ・サンローラン」ブランドの紳士服地を輸入したことからはじまったブランドビジネスは、「ブランド」という付加価値をつけて製造販売を行うライセンスビジネスを経て、2000年代には、ブランドへの直接投資へと進化。
数々の世界的ブランドの買収・資本参加を行うなど、ブランドビジネスの先駆者としての豊富な実績とノウハウを誇ります。

-> 確かに衣料品には強いイメージがあるけど、それを食料品で通用するか。そもそもグロバールが半世紀も進んだ今、ブランドの買収・資本参加を行うのビジネシ意味は何か。また、最も大きのCITICの投資はそれと全く関係ないじゃないか。

1998年には、コンビニエンスストアチェーン大手「ファミリーマート」に参画。
経営が厳しい時期ではありましたが、約1,350億円をかけ、商社としてはじめてコンビニエンスストアの経営に乗り出しました。
現在では国内のみならず、アジアへの出店を中心とした店舗網を築くとともに、ファミリーマートを起点として、原料確保から加工・製造、流通、販売に至るバリューチェーンを構築しています。

特に生活消費関連分野は、投資実行後も長い年月をかけて地道に事業基盤を育成する必要があり、この分野で丹念に種を蒔いてきた伊藤忠のやり方が、今では他社には真似のできない大きな強みとなっています。

-> ”コンビニと商社って相性抜群” “商社の取り扱うの商品やサービスが多いことを表した言葉で、まさしくなんでも売ってるコンビニに近しい業態”

海外事例 英国タイヤ小売ビジネス

伊藤忠は2011年6月、英国タイヤ小売「Kwik Fit」の100%株式を取得しました。この買収に先立ち1994年に買収したタイヤ卸・小売「 Stapleton’s 」を、きめ細やかな顧客対応などサービス面での高付加価値をお客様に提供することで、英国タイヤ卸最大手に成長させ、店舗当たりの収益性を英国のトップレベルへ引き上げることに成功しました。この過程で蓄積したノウハウを「Kwik Fit」に投入し、現在では絶対的リーディングカンパニーに成長しています。

小売と卸、それぞれの分野のNo.1企業の買収により生まれたオペレーションの効率化とスケールメリットというシナジーも活かして、マーケットでの競争優位を築き、着実な収益成長を目指しています。

-> これから見ると、商社のビジネス投資の核心は提携強化とシナジーの造出。具体的にどのくらいが本の価値なのか、また詳細の分析が必要かも。

B。アジア全域

CITIC・CPとの戦略的業務・資本提携を中核に据えた中国戦略。

伊藤忠は中期経営計画「Brand-new Deal2017」(2015~2017年度)のもと、強みを持つ中国・アジアの非資源分野に戦略の軸足を置く姿勢を鮮明に打ち出しました。

その中核が、2015年に実現した、中国最大のコングロマリットであるCITICグループ、タイ最大で世界有数のコングロマリットであるCPグループとの戦略的業務・資本提携です。伊藤忠は、この提携によるシナジーを最大化することにより、中国・アジア等で「生活消費関連分野」を中心とした幅広い事業領域で、商機を掴み、さらに成長を加速させていく考えです。

伊藤忠の狙いは着実に成長している世界最大の中間層である。これら中間層の増大は、中国人の消費活動に劇的な変化をもたらしており、「安心・安全」な日本の商品をはじめ、商品の「質」に対するニーズが急速に高まっています。まさに伊藤忠の生活消費関連分野の強みが発揮できる市場です。
加えて、中国のGDPに占める民間消費の割合は約40%弱と、日本の約60%と比べてまだまだ低く、巨大な伸びしろがあるのです。

伊藤忠の強みである「生活消費関連分野」と「中国」。この組み合わせにより、さらに伊藤忠にしかできない競争優位を築いていきます。

-> 中国消費層という方向について問題はないと思うけど、CITICの業務(主に金融と資源、両方とも国家に重視される領域)を考えるとどうやら伊藤忠の6000億投資は財務投資に過ぎない。中国経済のリスクは予想より大き可能性もある。また進化している中国消費市場にうまく対応できるかとうかも問題である。

Japan’s Government are Losing Revenues

Source:

Kuroda Money-Go-Round Undercuts Japan Negative-Rate Windfall

BOJ’s Eventual Stimulus Exit Could Eat Up Reserve in Five Months

BOJ Bond Valuation Losses Are Said to Be $8 Billion in 2015

 

2016/09/09 update

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Japan’s government is not profiting from negative yields!

1.The BOJ buys debt from the market
-> pushes prices up and yields down
-> gives extra money to the MOF.

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2. The Finance Ministry pays interest income to the BOJ for the bonds it now holds
-> although rates is low (10-year notes currently at 0.1 percent)
-> the amount is huge (BOJ owns almost 327 trillion yen in sovereign debt)
-> interest income in 2015: 1.29 trillion yen

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3. The BOJ then uses some of its income to pay for the valuation losses on owned bonds
<- Because BOJ buys debt for more than the face value, and has to write it down [1]
-> BOJ wrote down the value of JGB holding by 874 billion yen in 2015, 40% of the interest income

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-> Obviously, if the amortization losses from the BOJ’s bond buying operations become too large, income could go less, even negative

-> The BOJ will buy 120 trillion yen worth of bonds this year(80 QE+40 Redemptions) [4]
-> if it buys 100 yen bonds at 103 yen, that would mean a total loss of 3.6 trillion yen
-> if we assume the average period is 10 year, that would mean 0.36 trillion loss increased per year !  [2]
-> BOJ’s last year coupon income is about 1.3 trillion, it will take only 4 years to make it negative under recent price level.
-> And don’t forget with prices high and coupons low, more and more of the debt on its books will have a negligible income and a high price that needs to be written down.

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-> Therefore BOJ could go bankruptcy if bond purchasing continues! [3] 
# but of course BOJ can prolong the duration of its holdings

4. BOJ then returns much of its leftover profits to the MOF as dividend.

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5. BOJ has to cut dividend so that it could back up its reserve 

-> In 2015, the BOJ cut 450 billion yen from its dividend to the government so it could increase its reserve to cover potential losses on bond holdings. [6]
-> According to Bloomberg, Japanese Government benefited 110 billion yen extra money from NIRP [5]
-> The government’s revenue actually decreased under massive stimulus!!

6. Things might be going to worse

The BOJ has approximately 2.7 trillion yen in provisions for potential bond losses after setting aside 450 billion yen in 2015, given its financial statement 

If the BOJ tapers stimulus, it will face potential losses on

  1. bond holdings
  2. higher interest payments on lenders’ reserves

Policy maker Takahide Kiuchi estimated the central bank could face losses of 7 trillion yen per year during a taper of its stimulus.1x-122

“When people realize the limits to the BOJ’s finances, it could possibly create a massive shock”
“The bank has about 7 trillion yen in capital, but that would be eaten up quickly.”

7. Conclusions

A. If BOJ continues its recent project, both the government and BOJ will lose money and go bankruptcy

B. If BOJ suddenly exits from its unprecedented easing policy, existing reserves will be insufficient and it will go bankruptcy

C. The BOJ have to exit, or do helicopter money. But it will definitely avoid selling its bond holdings, and “instead will probably try to maintain its balance sheet by raising the deposit rate”

 

[1]

So that the book value eventually equals the principal. The basic point is that as BOJ committed to hold these bonds until maturity, it doesn’t value the bonds at market price but takes the markdown gradually so that at maturity the book value equals the principal.

More specifically, for the most recent 10-year note, the MOF initially auctioned it for 101.96 yen and the BOJ probably paid more than that. It will now have to take a 2 yen or more loss on each of the bonds in that series it owns, so that when it matures in 2026, the price on its balance sheet will be back at 100 yen. The benchmark bond price was 101.779 yen, with a yield of minus 0.08 percent

[2]

In its purchase operations on June 10, the BOJ bought 416 billion yen worth of the No. 342 10-year bond, at an average price of about 102.65 yen.

The BOJ will earn 416 million yen income annually from the 0.1 percent coupon on these bonds, and will have to write down 1.1 billion yen each year to account for the 2.65 yen by which the purchase price exceeded the principal.

And don’t forget BOJ’s purchases often occur at a slight premium to the current market price.

 

[3]

“The BOJ couldn’t go bankrupt in the way a private bank could”

“One could make an economic case that the balance sheet of the central bank should be of marginal relevance at best to the determination of monetary policy,” Bernanke said in the speech, made years before he enacted unprecedented stimulus as Fed chair. “There are many essentially cost-less ways to fix” it, including assistance from the Ministry of Finance, he said.

[4]

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[5]

Japan’s Ministry of Finance made about 110 billion yen ($1.1 billion) more in the year to April than it would have if yields had been zero

[6]

The central bank is holding on to as much as half of the profits from the interest received on its bond holdings, after an accounting rule change in November.

Japan’s Fiscal Stimulus Won’t Work

Source:

Japan’s New Stimulus Is Just the Same Old Thing

日銀のETF購入戦略から見る、名目GDP600兆円への道筋

What’s Wrong With Japan’s Economy?

 

First to be clear, the BOJ has basically very little room to maneuver, although we know it has to. [1]

However, the worse part is, a “new” but moderately sized and mediocre fiscal stimulus package is never going to work

 

Reason 1. It’s nothing new

Abe unveiled the outlines of a package worth 28.1 trillion yen in total, but

– less than half of this is new, and only 4.6 trillion is planned to fall in the current fiscal year. [2]

– Roughly half of the immediate stimulus will take the form of higher welfare spending, with outlays on new and repaired infrastructure making up most of the rest [3]

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– Neither infra investment nor welfare spending looks like convincible

More importantly,
1x-111Japan’s governments have made a habit of over-promising and under-delivering when it comes to budget planning!

– the actual stimulus is always far smaller than the plan’s headline figure

– Japan’s stimulus bills are a more-or-less constant flow of deficit spending
(not the temporary, recession-fighting measures typically employed in the U.S. and advocated by most Keynesian economists)

 

Reason 2. The economy is already at full employment

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Studies of fiscal multipliers typically agree that return is much lower when unemployment is low. [4]
And there are simply very few Japanese people left to put to work.

Also, fiscal sustainability will be actually undermined

– Japan’s deficit was just moving to be barely sustainable in the long term, thanks to the government’s sales-tax hike, zero interest rates and healthier corporate profits

– the new spending would raise talk of more consumption-tax hikes to plug the hole without a clearer support from BOJ

 

Tough but true Remedy

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The fully employment can be better

[5]

Instead of continual fiscal stimulus, government should focus on worker efficiency.

– Japan’s labor productivity has been essentially flat for a decade.

– Monetary and fiscal stimulus have put everyone in Japan into jobs, but they aren’t doing the kind of work that takes full advantage of their skills.

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“Productivity-focused reforms — improving corporate governance, liberalizing labor markets and opening up protected domestic markets — are the best move, even though they will take years to have an effect.”

 

Continue reading Japan’s Fiscal Stimulus Won’t Work

2 Reasons for BOJ’s failure: Cashing Holding and Aging

Source:

BOJ’s Comprehensive Policy Review Has a Lot to Take in: Primer

Abenomics Won’t Work. And That’s OK.

IMF working paper: Unstash the Cash! Corporate Governance Reform in Japan

IMF working paper: Cashing in for Growth: Corporate Cash Holdings as an Opportunity for Investment in Japan

 

Varied policies already being pursued by the BOJ

1. QQE

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asset price bubble bursting      Q                      E

QE isn’t something new, and BOJ’s bond purchases are a continuation of previous policies. What changed is the scale of buying and various different programs.

2. NIRP

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category known as the policy-rate balance applied to about 25.7 trillion yen by July 15

1x-15NIRP drove down borrowing costs across the economy, cutting into commercial bank profits and pushed bond yields below zero.

3. In addition, a number of lending programs including a $24 billion dollar-lending scheme and lending government securities as pledge

 

Overall, the policies are meant to stimulate lending and demand for loans

– more specifically, push a transition from stimulus-driven to self-sustaining growth based on private consumption and investment

 

Problem 1. high corporate savings 

However, it won’t works as Japanese nonfinancial firms have accumulated huge cash holding at the expense of investment, dividends and wagethus holding back both aggregate demand and potential growth

スクリーンショット 2016-08-13 20.47.03Japanese nonfinancial firms held cash assets in 2013 of about 50 percent of nominal GDP or 250 percent of aggregate investment.

– more than half of Japanese nonfinancial firms could repay all their interest-bearing borrowings with cash. [2]
– means the real sector in Japan has become a net lender at a time of negative real interest rates

4 main reasons for accumulating cash in theory

  1. expenses of funding by selling assets or raising external finance
  2. uncertainty of cash flow position (profitability)
  3. agency problems that allow management to pursue risk-averse
  4. accumulate cash in foreign subsidiaries to avoid tax expense

“Transaction cost(1) and precautionary demand theories(2) can sensibly explain about 80 percent of the variation in cash holdings between Japanese firms and between 1999 and 2011”

But, they failed to explain the raising cash-to-asset ratios since 2011 [3]

 

More precisely:

  1. Japan’s high cash holdings are not driven by a particular industrial sector but rather broad based.
  2. SMEs have been the main contributors to high corporate cash balances, but more recently larger companies have also increased cash holdings.

Japanese specific factors:

  1. entrenched deflation expectations; 
  2. aversion to bankruptcies and lack of pre-packaged bankruptcy procedures; [5]
  3. takeover regulations and ownership structure; [6]
  4. role of banks in financing firms; [7]
  5. weak corporate governance [1]

Solution:

  1. assisting small enterprises to obtain non-bank finance
  2. improving corporate governance in Japan could significantly reduce corporate cash holdings [8]

A better and simple way to reduce cash holdings:

– policies aimed at bringing rates of CEO duality in Japanese nonfinancial firms into line with international norms [4]

 

Problem 2. demography

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It’s entirely possible that near-zero growth is the natural state for a mature economy in such circumstances.

+Increasing productivity growth / -decreasing labour force = rising per-capita GDP

also, +increasing aggregate supply / -shrinking demand = chronically mild deflation

Therefore, the underlying growth rate for Japan’s economy can only be increased if

  1. there’s a significant technological shock driving up productivity
  2. policy makers are willing to accept immigration on a large scale

“The lack of demand in Japan is chronic, and a one-off fiscal stimulus won’t jolt its economy into a lasting expansion.”

 

(The more urgent problem will be if to take additional easing action to prevent any additional rise in the yen)

 

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