Emerging Market Investment

去年のなかば頃に世界全体的な低リターン環境の中で新興市場への投資は一旦盛り上がったらしい。しかしこの後アメリカの大統領事件、またドラとアメリカ経済の強勢によって、市況はまたうっかり変わったからしい。ちょうどabglobalは新興国投資に関する一連の文章があるため、今日はこの半年の脈絡を見ってみよう。

(もともとは英語のレポートでもあるが、日本語練習のため日本語のをメモする)

 

新興国株式市場再参入の機会?2016年8月18日

2016年の前半、新興国株式市場に関し過去数年間模様眺めを決め込んできた投資家は再び同市場に関心を寄せ始め、先進国株式をアウトパフォームしている。だが、月ごとのパフォーマンスはかなり不安定で、投資家の警戒感が消えていない。しかし、回復の兆しが強まるまで投資はできないものなのだろうか。今が新興国株式市場における新たな成長源を探し出す良いタイミングであると考えている。

 

楽観できる理由:経済成長ペースは以前に比べ緩やかになったが、最近はインフレ率が低下したおかげで、成長の質が多くの国で改善している。

1。低下したインフレ率は実質所得の伸びを押し上げ、消費者の購買力を改善させている。
2。コモディティ価格の下落はインドや中国といったコモディティ輸入国に恩恵をもたらしている。
3。金利引下げの動きは幅広い国々に広がり、インドなど各国の経済を支える重要な要因となっている。

トレンド:

1。消費支出の新たな形

消費支出の急速な伸びは、昔から新興国投資の重要な要素の一つであった。しかし、そうしたパターンは変化しつつある。かつて、一部の国では消費拡大は借入れの増加に支えられてきたが、例えばブラジルや南アフリカなどでは現在、消費者がすでに多額の負債を抱えており、新たな借入れ余地は少ない。そのため、消費支出の伸びが平均を上回る市場を探し出すには、消費者の債務がかなり低い国に焦点を当てることが重要となる。例えば、フィリピン、コロンビア、ペルー、インドネシアなどでは、他の新興国に比べ国内総生産(GDP)に対する消費者の債務比率がはるかに低い。

消費のトレンドは国によって異なっている。ロシアでは伝統的な小売業者よりも低価格で商品を提供するハイパーマーケットが急速に拡大している。タイではコンビニエンス・ストアが盛況だ。中国では景気低迷を尻目に民間教育サービスに対する需要が拡大している。

2。中国を無視すべからず

多くの投資家にとって、中国の成長鈍化は投資意欲を損なう要因となる。しかし、そのアプローチには問題がある。中国が世界経済の超大国として急速に台頭するのを支えてきた製造業やコモディティなどの「オールド」セクターが高成長の柱としての役割を失いつつあるのは間違いない。しかし、急速な成長を遂げている「ニュー・チャイナ」が存在し、経済全体の成長が鈍化する現在の環境においてもビジネスを拡大している。インターネット、ヘルスケア、教育サービスなどは、今後何年にもわたり平均以上の成長を続けるとみられる分野のごく一部に過ぎない。

3。世界市場のリーダーを探す

さまざまな領域で、新興国企業がそれぞれの業界で世界のリーダーとなったか、あるいはそうなりつつある。インドのタタ・コンサルタンシー・サービシズは、今や世界のITサービス市場における主要企業となっている。台湾セミコンダクターは圧倒的な市場シェアや最先端の技術を通じて世界の半導体受託生産業界をリードする企業となり、同業他社の中で最も高い利益率を誇っている。アスペン・ファーマケア・ホールディングスは、新興国市場におけるブランド医薬品および後発医薬品メーカーとして世界のリーダーとなりつつある。新興国市場でビジネスを確立した企業や急成長している企業の一部が世界のトップに躍り出るのは時間の問題である。そうした企業を今見つけ出すことができる投資家は、極めて高い成長力を秘めた企業を非常に魅力的な株価水準で買い入れることが可能になる。

 

マルチアセットの投資家は今こそ新興国市場に投資する時 2016年9月5日

利益成長: 潮目に変化の兆し

新興国の株式市場は、中国の成長鈍化、コモディティ価格の下落、世界貿易の低迷などが逆風となり、過去5年間にわたって先進国の株式市場よりパフォーマンスが劣ってきた。そうした状況はようやく変化しつつある。2016年は先進国の企業の利益成長が横ばいに留まると見られるのに対し、新興国では6%以上の伸びが見込まれている。利益に関する優位性以外にも、配当利回りが3%前後という高い水準にある。

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インカム: 明らかに有利な利回り

投資家は債券のクーポンと株式の配当という2つの方法を通じてインカムを得ることができる。先進国の国債利回りが極めて低い水準にあることや、ハイイールド市場の利回りが低下していることを踏まえれば、一部の新興国市場の債券には魅力的な投資機会がある。歴史的に、新興国の国債利回りは米国の投資適格債やハイイールド債の利回りを下回ってきたが、現在はそれらを明確に上回る水準にある。同様に、利回りを追求する株式投資家は新興国市場でバリュエーションが妥当な水準にある高配当銘柄を見つけ出すことができる一方、先進国の高配当銘柄は株価が割高な水準にある(『Dizzy over Dividends?』

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アクティブな姿勢を維持: 非効率な市場で投資機会を追求

新興国市場には銘柄選択を通じてリターンを追求できる市場の非効率性が存在する。例えば、新興国市場では全般的に株式のカバー範囲が狭く、情報の伝達ペースも遅いため、リサーチを重視するアクティブ運用のマネジャーは優位に立つことができる。しかも、新興国市場のベンチマークは構成が雑で、投資家が新興国株式を購入しようとする際に注目している高い成長ペースや企業のダイナミックな動きはほとんど反映されていない。MSCI エマージング指数を構成する中国以外の銘柄の時価総額のうち4分の3以上は、成長ペースが新興国の平均を下回る国の企業で構成されている。そして中国では、時価総額の半分以上を国有企業が占めている。

こうした非効率性は、資産クラス全体に目を配っているマネジャーにとって、とりわけ役立つ可能性がある。株式や債券に2つの異なるベンチマークに基づいて個別の市場として投資する代わりに、単一の目標の下で統合型のマルチアセット・アプローチを採用すれば、リスク調整後リターンを改善する手段をより多く手にすることができる(『Pulling More Levers Across Emerging Markets』

例えば、ブラジルの地方債は現時点で利回りが12%に達している。現在の市場環境に照らせば、これは株式に近い非常に魅力的なリターンで、ブラジル株式に比べてボラティリティもはるかに低い。 それとは対照的に、韓国の金利はわずか1.4%で、リターンの観点から見れば債券の魅力はかなり乏しい。その一方で、韓国企業にとって資本コストは非常に低い水準にあるため、平均的な株式が魅力度を高めるための収益力に関するハードルは低くなっている。

 

低成長の環境を乗り切る投資 2016年10月11日

現在、世界経済ではいくつかの大きなトレンドが進行している。人口高齢化、所得格差の拡大、グローバル化の後退が構造的に生産性を押し下げ、ひいては経済成長を圧迫している。グローバル化の後退とは、過去20年にわたり拡大してきた世界貿易や国境を超えた資本投資の動きが逆戻りしていることを意味する。

グローバル化の後退

今回グローバル化の後退を招いたひとつの大きな要因が、今後も長期的な影響をもたらす可能性がある。それは先進国でグローバル化に対して政治的反発が高まっていることである。それは、例えば英国の欧州連合(EU)離脱決定、米国やユーロ圏における保護主義の高まりといった形で現れている。こうした揺り戻しにはどんな背景があるのだろうか? それを考えるヒントになるのが下記の図表で、その特徴的な形状から「象のチャート」と名付けられている。エコノミストのブランコ・ミラノビッチ氏のリサーチに基づけば、このチャートはグローバル化の勝者と敗者が鮮明に分かれていることを物語っている。

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グローバル化は深く根付いているため、完全に止めることは不可能である。しかも、地域間の貿易協定は着実に拡大している。それでも、世界貿易の減速と国境を超えた投資の減速は互いに影響を及ぼし合い、世界経済にとって引き続き大きな足かせとなる可能性がある。

世界的な低成長局面が長期化する可能性が高いことを踏まえれば、投資家はそうしたシナリオに耐え得る戦略を構築する必要の3つの要件:

1。新たな成長分野を特定する:成長が乏しい世界では、新たな市場が誕生すれば、そうした市場の先頭に立つ企業がより高い評価を受ける。成長を生み出し得る要因の例としては、幅広い電子商取引分野におけるテクノロジーのイノベーション、健康な食品やライフスタイルの需要拡大といった消費者の嗜好変化などが挙げられる。 それ以外にも2つの分野が挙げられる。労働力人口が減少しているため、ソフトウェアに基づくソリューションを活用して生産性を高めるツールやサービスへの需要が高まりそうだ。さらに、地政学的な不安定感が増していることから、国防支出が押し上げられる可能性がある。

2。持続性の高い収益力に注目する:低成長の世界では、製品やサービスに対する需要が簡単に消滅してしまうことがある。そのため、市場が考えているよりも長期にわたって高水準かつ予測可能な収益力を維持できる持続的な競争力を備えた企業を探し出すことが重要である(『The Building Blocks of Investing Nirvana』)。こうした持続力をもたらす要因としては、参入の容易でないネットワークによる防波堤効果や、代替困難なサービス、強く愛好されているブランド力、低コストの生産プロセスなど、様々なものが考えられる。

3。財務力の強い企業を選ぶ:低成長の環境下では、過剰な設備投資のような過ちを犯す余地ははるかに少ない。今日、投資に値する企業は、多大なコストをかけることなく規模の拡大を達成し、効率よく資本配分を行っている。不透明感が高まる局面では、強力なバランスシートが防衛力となる。

 

 

回復の始まった新興国市場への投資 2016年10月20日

これまで、投資家はいわゆる「ベータ取引」で成功を収めることができた。それは新興国の株式や債券の市場が長期にわたって高水準のリターンをもたらしてきたためだ。しかし、すべての船を押し上げる上げ潮は過ぎ去ってしまった今、投資家がリターンを獲得するには、市場全体の幅広い回復に依存することはできなくなっている。その結果、新興国市場で長期的にアウトパフォームできるポートフォリオを構築するには、アクティブ運用によって非常に選別的なアプローチを採ることが不可欠となっている。

ファンダメンタルズの改善

成長: 新興国全体のGDPは、目覚ましい成長を遂げた数年前と比べ拡大ペースが鈍化したが、ここへきて安定化の兆しを見せている。落ち込んでいたコモディティ価格が回復に向かい始め、資源依存度の高い国々を後押ししている。これに対し、市場コンセンサス予想によると、多くの先進国で2016年の企業収益は横ばいないし減益が見込まれている。

・ インフレ率: インフレ率は大半の新興国で引き続き十分抑制されている。最近の為替相場の安定も考えると、さらなる金融緩和による景気刺激策の余地が生まれる可能性もある
・ 対外収支: 経常収支は2013年を底に回復しつつある
・ 政治: 政治リスクは無視できないが、ブラジル、アルゼンチン、インドなど、さまざまな国で好ましい変化が起きており、それは投資家心理をさらに改善させる可能性がある

良好な需給

2015年に資金が流出超となった後、新たな資金がまた新興国株式および債券ファンドに流入し始めている。過去数年間に新興国株式市場への資産配分を引き下げた後、依然としてアンダーウェイトとしている。

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魅力的なバリュエーション

新興国市場の長期的な成長やダイナミズムの恩恵を受けようとする投資家にとって、最も高いリターンが得られる可能性が高いのは株式だと考えられる。同時に、新興国の債券も着実に超過リターンをもたらす可能性があり、先進国のソブリン債や投資適格級の債券が困難な状況に直面していることを踏まえれば、投資家の資産配分において重要な役割を果たし得る。

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株式の戦略としていは:
低ボラティリティ戦略(『新興国市場の乱気流を切り抜けるには』参照)
高成長銘柄に焦点を絞った戦略 (『新興国株式市場再参入の機会?』参照)
マルチアセット型アプローチ (『Pulling More Levers Across Emerging Markets』参照)

投資家がどのアプローチを選ぼうとも、ベンチマークに制約されず、確信度の高い運用に集中するポートフォリオを選ぶことが重要である(『Emerging-Market Benchmarks Miss the Mark』参照)。(株式に関して言えば、MSCI エマージング指数は平均よりも成長率の低い国々の構成比率が非常に高い。経済の成熟がかなり進んでいる韓国と台湾を合計すると、同指数の25%以上を占めている。中国、ブラジル、ロシアなどのベンチマークは国有企業に偏っており、そうした企業は得てしてコーポレート・ガバナンスが貧弱で、政府による介入を大きく受ける。投資家は、それらのベンチマークから距離を置くことにより、コロンビアの銀行から南アフリカのメディア・グループ、中国の教育関連企業に至るまで、多種多様な投資対象候補から最も有望な銘柄を選び出すことができるようになる。)

債券投資家にとって最も高いリターンを得られるのは、伝統的なベンチマークには含まれない分野まで投資対象を拡大し、幅広い格付けの債券やさまざまな通貨を対象とするグローバルなマルチセクター投資が可能なポートフォリオである(『流動性リスクを管理する最善のアプローチとは?』参照)

 

都市への移住者が新興国農村部の消費を変える 2016年11月18日

新興国では都市化が進行している。都市に移住した人々が故郷の村に住む友人や親戚の考え方や行動にどんな影響を及ぼしている。企業や投資家にとっては新たな機会が生じている。

拡大する需要は満たされていない

例えば、中国では家族の誰かが都市に移り住めば、農村の消費需要が都市部と似たものに変化することが判明した。ABでは湖南省長沙から2時間ほどかかる村で、家族の中で都市に移住した人のいる家を数軒訪ねた。そこでは村人がヨーグルトや缶入り飲料を好んでいた。それらの商品は、農村部では都市部ほど普及していないが、同じ日に我々が訪ねた都市住民となった家族が日常的に消費していたものだった。インドでも、都市部への移住者が故郷の村における人々の行動に変化をもたらしている。

インフラや通信手段が改善されるのに伴い、こうした影響は農村部の消費が消費材ブランドの商品にシフトするのを後押ししている。基本的に、これは消費者が実際に都市部に移り住む前に起こる消費の「都市化」現象である。旧来型の小売業者はこうしたニーズの変化に対応できずにいる。農村部に住むすべての人々に商品を届けるには、流通網の整備に多額の資金がかかるためだ。ABでは、こうした顧客を獲得できるのは、物理的なネットワークを構築することなく流通網を構築できる企業であると考える。

これは電子商取引にとって非常に強い追い風となりそうだ。インドではインターネットの普及率がわずか28%に過ぎないが、ネットユーザーはすでに3億7,500万人に上っている(スタティスタ社調べ)。消費者調査会社フォレスター・リサーチによると、インドではインターネット上で買い物をする消費者は2016年末までに6,800万人に達すると推定される。また、インドのオンライン小売売上高のうち50%近くが携帯端末を通じた消費となりそうだ。

中国では電子商取引の普及率が非常に高い。それは従来型の実店舗が(特に富裕層が住む一級都市以外の地域で)消費需要の変化に追いついていけないためである。2015年末時点で、中国でネットショッピングを行っている人は4億2,900万人に上り、その数はネットユーザーの61%に相当する。中国のオンライン小売売上高は米国を追い抜いた。当然のごとく、中国では携帯端末を通じた買い物および決済分野でイノベーションが起きており、Tenpay(財付通)のようなオンライン決済サービスを利用すれば、WeChatと呼ばれるプラットフォーム横断型メッセージ・アプリを通じて友人や家族との間で少額の「紅包(祝儀)」をやりとりすることができる。アプリの利便性によって少額の決済ができるようになれば、銀行口座を持たない人が多いインドの農村部にも大きな恩恵をもたらすことになろう。

 

 

新興国市場の回復の波に乗るには遅すぎるか? 2016年11月28日

リスクはあるものの、新興国市場では投資機会が改善しており、この堅調な地合いが今後も続くのか、気を揉んでいる投資家もいるだろう。ABでは今後も上昇が続く可能性があると見ている。中国の金融政策、コモディティ価格の安定、米国経済の持続的な成長、新興国の輸出回復などが株価上昇を支える見通しであるためだ。

しかし今後待ち構えているリスクは、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切る可能性、米大統領選挙の結果を受けた世界貿易の行方、ロシアや中国の周辺における地政学的緊張の高まりなどが挙げられる。

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新興国市場ではブラジルとインドネシアに大きな投資機会

新興国の株式市場や債券市場が回復するのに伴い、投資機会もシフトしてきた。2015年に15%下落した現地通貨建て新興国債券市場は、魅力を高めつつある。ブラジルやインドネシアなどは、インフレ圧力が後退したことから実質金利が世界で最も高い水準にあり、金利に低下余地が生まれている。その結果、債券価格の上昇が期待できると同時に魅力的なクーポンを得られるため、リターンが押し上げられる可能性がある。

一方で、一部の新興国債券市場には投資が集中し、格付けが同等の先進国債券よりも利回りが低くなっている場合もある。例えば、中欧や東欧諸国が発行した米ドル建て国債の信用スプレッドは、同等の格付けの米国社債に比べかなり縮小している。

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中国経済の安定が世界の株式市場を押上げ

投資機会のシフトは株式でも進んでいる。2016年上半期は安全を求める投資に注目が集まり、ボラティリティの低い銘柄が上昇したが、今や投資家は景気敏感セクターの中から割安な銘柄を探し始めている。その理由の一つは中国の見通し改善だ。

2016年初頭の中国経済の見通しはかなり不透明だった。政策当局者は景気刺激策を講じたが、それが効果を上げる兆しは見えず、生産者物価指数は下落した。しかし、今は刺激策の効果が現れている。中国の経済活動は安定しつつあり、企業の価格決定力も高まっている。不動産市場も回復しつつある。

中国で新たに生まれつつある電子商取引分野に注力しているテクノロジー企業の株価も力強く上昇している。強力なキャッシュフローや成長期待に基づき引き続き投資価値を提供している企業もある。潤沢なキャッシュフローを創出し、バリュエーションが魅力的で、配当利回りも高い中国銘柄が数多く見受けられるのだ。

中南米も好転

ブラジルとアルゼンチンもパフォーマンスが好調で、どちらの国もより持続可能なマクロ経済政策を進めている。インフレ率も高水準から低下し、両国の中央銀行は利下げに着手することが可能になった。金利が低下すれば借入コストが低下するほか、資産のディスカウント幅も縮小する。経済成長はまだ上向いていないが、株式市場は景気回復を織り込み始めており、高水準のリターンを支えている。

 

「フラジャイル」を脱却: 新興国通貨・債券の投資機会 2016年12月1日

数年前の新興国市場:多くの国々で、借入が拡大した結果、経常収支や財政収支が大幅な赤字となった。この赤字を埋めるためには、国内の債券・株式市場や銀行預金に流入する海外からの不安定な投資資金に頼らざるを得なかった。海外投資家は、しばらくの間は新興国の赤字を喜んで埋め合わせた。なぜなら、彼らは先進国の債券から得られる利回りよりも高いリターンを必要としていたからだ。しかし、2013年に米連邦準備制度理事会(FRB)が緩和的な金融政策を引き締め始める考えをほのめかすと、投資家はすぐさまリスク回避に走り、新興国市場への資本流入は枯渇することになった。その結果、新興国資産の価値は落ち込み、経済成長も失速した。最も脆弱だったブラジル、インド、インドネシア、トルコおよび南アフリカは「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」として知られるようになり、とりわけ大きな打撃を受けた。

現在:新興国では、健全な政策によって経済の脆弱性が薄れ、通貨も上昇している。債券投資でより大きなリターンの獲得を目指す投資家にとって、今は状況を見直す時である。

通貨安の強力な後押し

多くの人々にとって、通貨価値の急落は恐ろしいことである。だが「フラジャイル・ファイブ」の場合は、自国通貨の下落はは経常収支の赤字縮小に貢献する。また、企業の営業コストや国内の資産価格が低下し、海外からの直接投資(FDI)の拡大を招いている。FDI は本質的に長期投資という性格を持っているため、証券投資よりも安定した資金源となっている。「フラジャイル・ファイブ」へのFDI は力強く拡大し、2009年以来初めて、5カ国合計の経常赤字を埋め合わせる規模に達している。5カ国の短期対外債務も全体として減少しており、外的ショックに対する抵抗力が高まっている。同じことは新興国市場全体についても当てはまる。

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秩序を取り戻した財政

新興国市場にとって次の優先課題は、民間投資を阻害し、成長の足かせとなっている財政赤字を是正することだ。しかし、とりわけ新政権が市場にとって好ましい政策を重視している国々においては、期待できる兆しも現れている。その例を挙げてみよう。

・ブラジルでは、今後20年にわたって公的支出の伸びを抑制する新政権の提案について、議会が近く承認する見通しである
・インドネシアは、財政を圧迫してきたガソリン価格補助金を撤廃した
・インドは、過去数十年にわたり成長を阻害してきた重複税制を簡素化した。民間エコノミストは、これにより成長 率が最大2%ポイント押し上げられる可能性があると予測している

新興国市場で魅力的な投資機会の一つは、現地通貨建て債券への投資。例えば、ブラジルでは地方政府債の利回りが11%を超えている。実は、新興国と先進国の実質金利格差(インフレ調整後の金利格差)は、世界金融危機以降では最大の水準に近づいている。しかも、大半の新興国において、今後インフレ率は低位安定すると予想されている。先進国の金利がしばらく低水準で推移するとみられる中、新興国債券市場で選別的にポジション構築を行うことは大いに理に適っている。通貨のバリュエーションも全般的に割安な水準にあるため、経済ファンダメンタルズの改善は、それらの通貨に上昇余地があることを示している。

 

新興国の成熟を考慮した新興国投資とは 2016年12月16日

米国大統領選挙後の新興国株式市場は、軟調に推移した。ドナルド・トランプ次期政権下の米国の政策が貿易や為替相場に悪影響を及ぼしかねないとの懸念が広がったためだ。

一方新興国株式のポジションを構築する上で、特に国別のエクスポージャーという観点では、ベンチマーク指数に基づくパッシブ運用が最善の運用手法ではない、と考えている。

「中進国」の組入比率が高くなるリスク

「アジアの虎」と呼ばれる韓国と台湾はそれぞれMSCI エマージング指数の14.8%、12.2%を占めている。その結果、この指数を用いたインデックス運用を行う投資家は資金の約27%をこの2カ国に投じていることになる。だが、韓国と台湾を新興国と見なすべきなのだろうか?

(MSCI はどの国が新興国市場として適格であるかを決める上で、企業統治や市場の流動性を重視しているが、社会経済的な基準は採用していない。

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対照的に、インドとフィリピンの人口1人当たりGDPはEU平均の5分の1程度に留まっている。両国とも過去20年間の成長ペースは先進国をはるかに上回っており、過去10年間の成長率はインドが7.5%、フィリピンでは5.4%にのぼる。それにもかかわらず、MSCI エマージング指数に占めるインド株式の割合はわずか8.3%、フィリピン株式は1.3%に過ぎない。

-> ポートフォリオにおける国別のポジションを決定するのは個別銘柄への投資機会であるべき。国や業界の成長ダイナミクスを理解することは、投資家を魅力的な投資機会に導くことにつながり得る。例えば、韓国や台湾は経済の成熟度が比較的高いため、スマートフォンやインターネットの普及率も相対的に高い。これは、それらの普及率がはるかに低いインド、ブラジル、フィリピンなどの方が、より魅力的な国内の成長機会を発掘しやすいことを意味する。住宅ローンの利用率や自動車の保有率についても同じような見方が当てはまる。

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2017年の新興国市場は自律的回復が可能か? 2017年1月17日

昨年、新興国市場ではようやく回復が始まったところであったが、米大統領選でのトランプ氏勝利を受け、先行きに不安が生じている。米国の金利上昇や米ドル高が新興国の経済や企業を脅かしている。保護主義的政策を掲げるトランプ氏の公約は、メキシコから中国に至る多くの国々を警戒させている。しかも英国の欧州連合(EU)離脱問題や最近行われたイタリアの国民投票など、ポピュリスト的な潮流の拡大により、過去何十年にもわたって新興国に恩恵をもたらしてきたグローバル化の流れが反転しかねない兆しが世界中で広がっている。

こうした懸念は無視できないが、地政学的秩序の変化は、米国の動向が新興国に及ぼす影響力を低下させる可能性がある。また、新興国における好ましい国内経済動向は、米国の政策によって生じかねない打撃を和らげ得る。したがって、米国がもたらす不確実性の影響を比較的受けにくい新興国では、依然として魅力的な投資機会を見出すことができると言えよう。

新たな地政学的秩序?

地政学的秩序の重心は、主要新興国にシフトしつつある。アジア地域では中国の影響力が増している。また、旧ソビエト連邦構成国や中央アジアに対するロシアの影響力も再び高まっている。

国際通貨基金(IMF)や世界銀行は、もはや新興国に緊急融資を行う唯一の存在ではなくなっている。地域紛争の解決に向けた国際機関の機能は低下している。つまり、新興国では経済成長や緊急時の支援といった面で、外部に対する依存度が下がってきている。

新興国は経済的な独立も進んでいる。多くの新興国において経済成長の回復を牽引しているのは国内のトレンドであって、米国ではない。例えば、ロシアとブラジルは景気後退から抜け出し、回復に向かっている。また、成長が加速している新興国が増えているため、中国の景気減速による悪影響もある程度緩和される。

ブラジルなど多くの新興国では、インフレがおおむね抑制されている。また、新興国の多くでは実質金利が景気を刺激する上で十分低い水準にある。対外収支も大幅に改善されてきた。その結果、新興国は概して海外資本への依存度が低下しており、先進国の金利上昇による悪影響を受けにくくなっている。したがって、足元の米ドル高に対する懸念は行き過ぎかもしれない。むしろ、輸出主導型経済である多くの新興国にとって、米ドルに対する自国通貨の下落は海外市場での製品やサービスの競争力を高めることから、収益性を支えるという面もある。

投資機会はどこに?

このようにマクロ経済に関するリスクを切り分けてみれば、さまざまな投資機会を発掘することができる。例えば、株式投資家は国内経済の成長の恩恵を受ける高成長企業に注目することができる。今日、世界で最も収益力が高く、安定した成長を遂げているテクノロジー企業の一部は中国にあり、そうした企業は急増する中間所得層の支出をテコに収益を拡大させている。

世界の投資家から長年にわたって見過ごされてきた、バリュエーションが割安な銘柄も注目に値する。例えば、生産コストの低さや国内および世界の経済成長の回復が追い風となりそうなロシアの資源関連銘柄だ。韓国の金融機関も、資産の質の改善や一段とスティープ化したイールド・カーブを考えれば、そのバリュエーションは極めて魅力的であるように見える。(バリュエーションの評価をする際に、財務および収益の質や安定性を考慮することも効果的だ。例えば、強力なブランド力を持ち、中間所得層から強く支持されている生活必需品企業などがそれに当てはまる)

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中南米の財政健全化

政治改革は債券市場にも影響を与えている。アルゼンチンやブラジルなどで汚職の摘発が進んでいる中南米について見てみよう。これらの国々では、コモディティ・ブームに沸いていた時代に無節操な支出や汚職が拡大したが、現在は政府が企業活動に配慮しながら持続可能な財政政策を進めており、それが成長にも寄与している。しかも、一部の国ではインフレが一段と抑制されており、多くの中南米諸国の米ドル建て債は投資妙味が高まっている。

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PS1

トランプ政権誕生で加速する株式投資の新局面 2016年12月26日

米国における超低金利は過去のものになりつつある。トランプ氏が掲げていた大型財政支出案は、同氏の当選後に米国債利回りの大幅上昇を呼んだ。インフレ率上昇の見通しを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)は12月に金利引き上げに踏み切っており、2017年にも利上げを継続すると見られている。しかし、この長期金利の上昇は、さまざまな大きな変化の中の一番目に付くものであるに過ぎない。

株式市場の潮流変化

近年の株式市場で顕著だった、低金利と市場変動率の高まりに後押しされた「安全」銘柄への逃避は、今後金利上昇が続けば大きな転換点を迎える。国債利回りが超低水準で推移する中、投資家は債券の代替資産として公益事業、不動産、生活必需品といったセクターの高配当利回り株式を選好していた。そうした銘柄は株価バリュエーションが非常に割高となった上に、インデックス運用の流行によってさらに無差別な資金流入が進んだ。米大統領選の前から、そのような「安全」銘柄への逃避が行き過ぎたものとなり、反転が始まりつつある兆候は見え始めていた(『Playing It Safe or Playing with Fire?』)。そして選挙後はその新たなトレンドが加速し始めている。公益事業や生活必需品などのセクター、あるいは「ベータ」の小さい銘柄は、市場全体に対しアンダーパフォームしている。

金利上昇に伴う二つのシナリオ

金利が上昇する中、大きく二つの流れが予想される。一つは、債券価格の下落を受けて投資家の株式へのシフトが進み、株式市場全体が上昇するというものだ。二つ目は、「安全」銘柄から景気敏感銘柄へのシフトが持続的に進むことだ。

「安全」銘柄バブルの崩壊を予想するのには十分な根拠がある。近年、株価指数連動のETFに大量の資金が流入する中、投資家による企業のファンダメンタルズの検証が不十分になっていたことが背景にある。割安な景気敏感セクターへのローテーションが始まった今、債券代替資産とみなされているために債券価格との相関度が高い銘柄から、投資家が脱出し始めているのだ(『Rate Shock for High-Yield Stocks?』)

(実際にはもっと複雑なことが起こっているかもしれない。2000年にITバブルが崩壊した時は、それまで「オールド・エコノミー」と揶揄されていた資本財やエネルギーなどのセクターが好調となった。その中でも、割安なバリュー株は大幅に市場を上回るパフォーマンスを示した。今回の局面では税制や規制に関し大きな変化が予想されるため、入念に個別銘柄のリサーチを行うことによって勝ち組・負け組の判定を行う必要性が高まっている。)

視野を広げて俯瞰してみると、「安全」銘柄バブルが崩壊する中でより良い結果を生むためには三つのアプローチ:

1。高い収益成長力に着目:それぞれの事業分野における競争力、好ましい業界トレンド、優れた経営陣などによって高い成長力を持つ銘柄は有望だ

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2。ディープ・バリュー銘柄に着目:「安全」銘柄(低ベータ銘柄)のリターンが債券価格との相関度が高く、今後の金利上昇に対し脆弱性があるのに対し、バリュー株(例えば株価資産倍率(PBR)が市場全体の下位20%の銘柄)のリターンは、債券価格との相関度が極めて低い

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3。市場下落リスクに対する妥当なプロテクション:米新政権の方向性、そしてその経済政策が各産業や各企業に及ぼす影響の不透明性を考慮すれば、今後市場の変動率が高まることは十分に考えられる。割高な銘柄を避けつつクオリティの高い銘柄を選択するアクティブ運用によって市場下落リスクに備える株式運用戦略は、リスクを抑制し、長期リターンの獲得に至る筋道をスムーズにするために効果を発揮するかもしれない。

 

PS2

より良いリターン特性を求めて: 知っておきたい2017年の7つのテーマ 2017年1月26日

1. 問題児は避ける: より良いベータというものがあるならば、より悪いベータ(市場やファクター)というものもあると考えるべきだろう。そうしたものでも、ある時点では投資機会を提供することはあるが、長期的には市場全体と比較してアップサイド/ダウンサイド・キャプチャーに関し分が悪い。債券市場における問題児の例としては、格付けがCCCないしそれ以下の米社債や、ハイイールド・バンクローンなどが挙げられる。

2. 人気が集中した投資対象を避ける: 過去10年間、特に世界金融危機以降の長期にわたる株式の強気相場の後は、特定の投資対象に人気が集中することが大きな問題となってきた。投資家は高配当株など人気の高い分野に群がる傾向があるうえ、パッシブ投資の拡大はそうした割高な取引に幅広い投資家が参加することを意味する。さらに、パッシブ投資を行うことは、市場の好ましい部分もあまり好ましくない部分もすべて保有することを意味するため、ある部分に何らかの問題が生じた場合、広範に売りが膨らむ可能性がある。そのような時、混雑した投資対象から多くの投資家が逃げ出そうとすれば、退却コストが高くつく恐れがある。

3. 流動性を理解する: 世界金融危機以降、流動性はホットなトピックとなってきた。市場の流動性が干上がると、取引が困難になる場合がある。しかし、それは投資家にとって、流動性の低い資産への投資を通じて高いリターンを得る機会を生み出すことにもなり得る。その観点から、ABでは債券市場に最も顕著な投資機会の一つがあると考えている。債券投資家にとって、流動性の低下に備えつつ流動性の低さがもたらすプレミアムを獲得する方法を理解することは、金利やクレジット市場の変動をうまく乗り切っていくのと同じくらい、あるいはそれ以上に、重要なことである。

4. アクティブ運用を諦めない: ボラティリティの低下や銘柄間格差の縮小が進む中、アルファの追求機会が減少したため、近年アクティブ運用は逆風に直面してきた。そして、パッシブ型の投資が一段と広がるのに伴い、市場が効率性を高めたり価格発見機能を発揮したりすることが難しくなっている。しかし、それは一方で投資機会を生み出している。投資家がアルファを追求するには何が必要なのだろうか? アルファがこれまでと異なる所から、また異なる方法で得られるのだとすれば、それはどのような形だろうか?

5. 再浮上する新興国市場を見直す: 過去数年、先進国の株式市場が全般的に好調なパフォーマンスをあげる一方で、新興国市場は逆風に直面してきた。米国よりも高い金利を求めて新興国市場に向かっていた資金の流れは逆転し、これが新興国の通貨、株式、債券市場に影響を及ぼしている。2016年は、力強い相場の回復と米国の大統領選を巡る不透明感が重なった。新興国市場には投資機会も存在するが、それを捉えるには、そして先進国の政策が生み出す勝者と敗者を見分けるには、選別的なアプローチがますます重要になっている。

6. オルタナティブ2.0(次世代のオルタナティブ)を取り込む: オルタナティブ投資は伝統的な株式や債券に比べ、アルファへの依存度が高く、ベータへの依存度が低い傾向がある。オルタナティブ投資は長期にわたり好調なパフォーマンスをあげてきたが、近年のベータ取引の盛況が状況を反転させた。アルファの獲得が難しく、リターンの源泉としてベータへの存在感が高まったためだ。今後数年間、市場のボラティリティが再度高まり、銘柄間格差が拡大すれば、アルファの創出に長けたポートフォリオがアップサイド/ダウンサイド・キャプチャー・レシオを高めることができそうだ。

7. 世界のトレンドを味方に: マクロ経済の変化を始めとするグローバルな動向が資本市場を揺るがし、経済や産業に影響を及ぼし、究極的には投資家のリターンをも左右する。現在、そうした大きな変化の一つはポピュリズムの台頭と、それが政府の政策や多くの主要国にもたらす作用である。他にも、中国の経済成長や債務に関する懸念、あるいはテクノロジーの進化やエネルギーの生産動向、世界貿易の減少が世界の経済システムに及ぼす影響などが挙げられる。そうした変化やその影響は極めて大きい。