Japan’s House Market

【SPEEDA総研】不動産テックは不動産業界に新たな潮流を生み出せるか

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新築マンションの供給は2009年度以降低調な推移となっているが、中古マンション市場は緩やかな拡大が続いている。

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首都圏の成約価格をみると、新築戸建はゆるやかに上昇しているのに対し、中古マンションは2016年からの急上昇を含む全体の変動がやや激しい。

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不動産流通推進センターの取扱高データによる大手不動産事業者。
これまでの経営で築いてきた強固な取引関係やブランド力

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取扱高に占める仲介手数料の比率を算出すると、概ね3%を超える水準となっており、三井不動産リアルティネットワークや住友不動産販売では5%を超えている。既存の大手不動産事業者が一般的な仲介手数料として示してきた金額は、ほとんどが上限額ギリギリでの設定。

日本の不動産取引については、業務の適正な運営や取引の公正確保のため、宅地建物取引業法(宅建業法)により様々な基準が定められている。土地や住宅を売買する際には、通常不動産事業者(宅地建物取引業者)に依頼し、媒介契約を結ぶ必要がある。媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類が存在する。

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不動産取引の情報は、日本独自の流通システム「レインズ(REINS)」に集約されている。前述の契約形態のうち、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」に関しては、契約締結後にレインズへの物件情報登録が義務付けられている。

レインズは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣から指定を受けた全国4か所(東日本、中部、近畿、西日本)の不動産流通機構が運営している不動産の情報交換を目的としたシステムである。また、このシステムには、指定流通機構に登録された不動産事業者しかアクセスすることができない。

このような閉鎖的な仕組みが維持されてきたことにより、不動産情報は非常に限定的なものとしてあり続けていた。また、業界の商慣習である「両手取引」の背景ともなっていた。(両手取引とは、ある不動産仲介事業者が、1つの物件に対して売手、買手の双方を担当することである。売手及び買手を自社の物件に誘導するような情報の囲い込み、売手と買手の双方を仲介することによる利益相反などの可能性が、長期に渡り問題として指摘されてきた。)

このような流通構造を変化させるべく、不動産テック(Real Estate Tech)と呼ばれる技術変化が起こり、ビッグデータや人工知能(AI)を始めとした各種技術を活用して、不動産の売買や賃貸、投資などに関わる商慣習を変え、新たな仕組みを構築しようとする

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マンションマーケットは、仲介手数料を一律49.8万円を特徴としている。

ソニー不動産「おうちダイレクト」やHousmart(ハウスマート)「カウル」などは、サービスに対して月額利用料金を徴収する代わりに、売却時の仲介手数料を低減もしくは無料にするというサービス体系を提案している。

リブセンスの「IESHIL(イエシル)」やネクストの「HOME’Sプライスマップ」は、中古マンションの推定市場価格を独自のアルゴリズムで算出し、一覧表や地図上へのマッピングという形で見える化するサービスを提供している。また、売手、買手、仲介事業者や各種関連サービスなどをマッチングさせたり、中間コスト削減によって事業者の業務支援や消費者側のサービス低価格化などを実現したりといった様々なサービスが台頭してきている。

日本においては、全住宅流通量に占める既存住宅のシェアは1割強と、欧米諸国と比較して低い水準にある。不動産流通の活性化に向けたシステム改善は、すでに政府によって問題認識され、基本構想に基づいて具体的な取り組みが着手されている段階である。

中古住宅流通・リフォーム市場を倍増させるための鍵を握る政策テーマとして、消費者利益の実現のための不動産取引の透明化・効率性の向上と、不動産事業者間の連携強化及び中小事業者の提案営業力向上の2つを掲げている。

 

不動産事業者と消費者との間にあった情報非対称性-不動産テック

現在、不動産業界が抱える問題の背景として、▽最も悲観的な予測では今後80年で約半分になる日本の人口減少▽15年で倍増が見込まれる日本の空家数▽米国に比較して「不動産購入は一生に一回」、「新築至上主義」、「市場の透明度が低い」、「取引価格情報データベースが存在しない」。

不動産会社に頼まなければ詳しい物件情報を得られないのが日本の現状?

たまたま同じマンションに売出し中の物件があれば検索サイトで情報を得て参考にすることができるものの、近隣に類似マンションの事例すらなければお手上げだ。過去の取引事例をせっせと探すのも手間がかかり過ぎる。不動産に関する数多くの取引データは一般向けに開示されず、業界外の人がこれを得ることは難しかった。

だからといって不動産会社に売却査定を頼んだり購入相談をしたりすれば、その後は営業攻勢にさらされるのではないかとの不安もあるだろう。本気で売却や購入を考えているときはともかくとして、「ちょっと知りたい」と興味をもった程度で不動産会社に連絡をするのも、あまり現実的ではなさそうだ。

アメリカでは一般の人もデータベースを利用できる:住宅の売買についてはMLS(Multiple Listing Service:マルチプル・リスティング・サービス)と呼ばれる不動産ネットワークシステムが整備され、売主側、買主側それぞれの不動産エージェントはもちろんのこと、一般の消費者も容易に情報を得ることができるようだ。

リブセンスが「IESHIL(イエシル)」を、ネクストが「HOME’S プライスマップ」をリリースした。いずれも首都圏の中古マンションを対象にしたサービスだが、売出し中の物件に限定することなく数多くのマンションについて独自のアルゴリズムで推定した「参考価格」を表示するものだ。ヤフーとソニー不動産が共同で運営を始めた「おうちダイレクト」は推定価格をもとに、マンション所有者が自ら売出すことのできるシステムだが、価格を見るだけなら誰でも利用可能だ。過去の取引事例を中心とした情報収集には「マンションマーケット」(運営会社名も同じ)、売出し中の物件情報収集にはマイクロソフトとリクルート(SUUMO)が共同で運営する「Bing不動産」も役立ちそうだ。

さらに、不動産取引のスタイルもこれから大きく変わっていくだろう。ヤフーとソニー不動産が始めた「おうちダイレクト」は売主が自分で売出すことによる「マッチングサービス」が一つの柱となっているが、中小不動産会社でも積極的な取組みがみられる。契約前の宅地建物取引士による重要事項説明はインターネット利用の解禁に向けた社会実験が行われており、住宅ローンの手続きがインターネットで完結する金融機関も現れてきた。仲介手数料の定額サービス、VR(ヴァーチャルリアリティ)による物件内覧システムなど、従来の枠や慣行にとらわれないサービスも生まれつつある。

事実は伸び悩むらしい ヤフーとソニー不動産の新サービスが伸び悩む理由

「情報の非対称性」:一般に、マンションを売却する場合、大手不動産の子会社など仲介業者の査定を受けて価格を決め、買い手を探してもらう。ここで問題になるのが、「両手仲介」と「不透明な販売価格」の二つだ。
(業者の取り分は、仲介手数料である成約価格の3%+6万円。これを売り手と買い手の双方から受け取る「両手仲介」が最も実入りがいいため、他の仲介業者から物件買い取りの相談があっても無視したり、意図的に情報を隠蔽したりする「囲い込み」などの“悪習”に手を染めることになる。また、販売価格については、売却しやすいように売り手の意向よりも低く設定しがちだ。)

実際に中古物件を売買したことある方ならご存知かと思いますが、不動産の売買価格はタイミングや交渉で1割くらいは簡単に変わります。また、購入物件決定までのサポート、売買価格の妥当性、契約リスクの回避なと。

【SPEEDA総研】リフォーム市場、拡大への思惑

 

市場需要と供給

不動産に供給過剰懸念、マイナス金利で実需なき投資急増

直近の不動産市場で、住宅や老人ホームなどの供給過剰に対する懸念が浮上している。
<- 日銀のマイナス金利導入後、潤沢な資金が建設原資として流れ込んでいるが、需要が相対的に弱く、空室率が急上昇してバブル崩壊のリスクが出ているためだ。
-> オフィスビルや高級マンションなどの建設に投機的な動きも見られ、「不動産市場は異様な状況」(不動産業者)といった声もある。日銀のマイナス金利導入後、今年2月から新設住宅着工が急速に伸びを高め、ただ、増加の主体はアパートなど貸し家の動向。「住宅ローン金利の低下で、個人が家を建てるという需要より、相続税対策でアパートを建てるといった不動産業者と変わらない動きの方が強い」

政府内でも問題視する見方「マイナス金利政策の悲劇は、イールドカーブが平たん化したことにある」「将来にわたり金利も物価も上がらないことを感じて、企業の設備投資も個人の耐久財消費も急ぐ必要がないという状況を生み出してしまった」-> アベノミクスは供給と需要の好循環を目指しているが、実需が出てこない中で供給ばかり増えれば、かつてのバブル崩壊の二の舞になりかねない。

首都圏マンション販売、24年ぶりの低水準-金融緩和も効果薄

首都圏マンション販売の落ち込みが続いている。専門家の間では、高止まりするマンション価格に対し、購入者側の所得が伸び悩んでいることが背景との見方が浮上している。

(不動産経済研がまとめた15年度の首都圏の新築マンションの平均発売価格は5617万円と4年連続の上昇だった。一方、総務省が発表した8月の家計調査によると、実質消費支出(2人以上の世帯)は1世帯当たり27万6338円で、前年同月比で4.6%減少した)

不動産経済研究所の調査によると、「マンション施工費の上昇で、デベロッパーは高い価格で売らざるを得ない状況だ」。
「マンション価格と比べて所得が伸び悩んでいるため、販売は減速している。この状況がしばらく続くだろう」
「日本銀行のマイナス金利政策で住宅ローン金利は低下傾向にあるが、その効果は小さ過ぎる」。
日銀の導入したイールドカーブ・コントロール政策は住宅ローン金利の上昇をもたらす可能性があるという。

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(年収と対比した新築マンションの価格は92年当時を上回っている。不動産調査会社の東京カンテイの7月の発表によると、15年の新築マンションの年収倍率は全国平均で7.66倍と6年連続で拡大し、92年当時の水準(7.64倍)を上回った。東京都は平均年収627万円に対し、新築マンション価格(70平方メートル換算)7086万円で、倍率は11.30倍。首都圏の1都3県すべてで10倍の大台を突破し、90年代バブル期以来の状況となった。)

マンション価格を左右する大きな要因である東京の地価は値上がりを続けている。9月に国交省が発表した住宅地の地価上昇率は千代田区が10%、目黒区は6.1%と高い伸びを示した。ただ、東京圏全体でみると伸び率は横ばいとなっている。

 

しかし、現在の不動産市況を見ると、昭和から平成にかけてのバブルと異なる点がいくつもある

1。金利水準が大きく異なる。30年ほど前のバブル期、住宅ローンの金利は5.5%から6.5%程度で、現在はその10分の1。
2。バブル期の日本では都心のマンションや土地を購入した人の多くが直後に転売し、利益を手にした。つまり、不動産が金儲けの手段となり、短期間での転売が繰り返されていたのだ。それに対し、今、新築マンションを購入した人は、当分所有し続ける気持ちでいる。転売目的ではなく、インフレに備えて優良資産を抱え込む気持ちでマンションを購入している。
3。「都心マンションの分譲価格がバブル期の水準になった」ということだけだ。しかし、である。「バブル期と同じ水準になった」といっても、30年の間に値上がりしたとも考えられる。30年前、週刊誌は150円程度だったし、車のカローラは100万円ほどで購入できた。映画のロードショー料金が1000円。大卒の初任給は12万円くらい。牛丼やハンバーガーのように30年間たいして上がっていないものもあるが、多くの分野で値上がりは起き、値上がりした商品の多くは30年間で値段が倍くらいになっている。郊外で駅から徒歩10分以上の新築マンションは値上がりしていないという事実もある。3LDKが3500万円程度で購入できる物件もあり、その価格水準はバブルが始まる前、昭和60年前後と同じだ。つまり、牛丼のように、30年以上同じ価格水準を保っているわけだ。

最近は「不動産バブル、そろそろ価格が下落する」という声も聞かれるが、不動産バブルとは?

戦後日本は高度経済成長を続け、1980年代の初めにはついに世界最大の貿易黒字国になりました。前項のように当時の日本は好景気の真っただ中でしたが、アメリカでは貿易赤字と軍事費の多大な赤字により財政は火の車状態でした。そこで、アメリカはまず貿易赤字を減らすためにドル安へと誘導することにしました。ドル安になればアメリカのモノが他国からすると「安く」見え、アメリカ側の輸出が増えるからです。

そのドル安への誘導を各主要国に要請し、各国がこれに合意した会合を「プラザ合意」と言います。具体的に日本では日銀が持っている大量のドルを売り円を買いました。2016年現在行っている日銀の為替介入とは逆(今は過度な円高を防ぐため一定のラインを越えたら円を売り円高を防ぐ政策をとっている)の事をしたのです。

プラザ合意によりドル安円高の流れは進み、プラザ合意前は1ドル240円程度であった為替が、2年後には1ドル120円程度まで円高になったのです。これにより、アメリカの貿易赤字も徐々に回復してきました。しかし、一方で日本の輸出が伸びず輸出産業は大打撃を受け日本経済の景気は悪化していったのです。これが俗にいう「円高不況」と呼ばれる現象です。

円高不況に陥った日本では日銀は公定歩合を引き下げました。今でいう「ゼロ金利政策」や「マイナス金利政策」と同じ目的で、世の中のお金の周りを良くすることを目的としています。
しかし、一方でドル安誘導をしすぎたアメリカでは輸出企業は好調でしたが、当然輸入企業の業績は悪化します。更に、ドル安によるインフレの懸念も膨らんできている状態でした。何故なら、アメリカが外国から原料や部品を輸入し、加工して(もしくはそのまま)アメリカ国内で販売を行うため、ドル安ですと輸入品が高くなります。それ故、高く仕入れたモノを売る時には物価を上げざるを得ないので、どうしてもインフレになってしまうのです。

そこでアメリカはドル安政策をやめることにしました。これが1987年2月に行われたG7での「ルーブル合意」と呼ばれるものです。ドル安を止めるために実施した施策は「アメリカの金利を上げる事」です。アメリカで金利が上がれば債券や預金金利が上がるので、ドルを欲しがる(ドルで資産運用を行うため)人が増えるのでドル高に繋がるからです。
更にアメリカは自国の金利を上げるだけでなく、他国との金利差をもっとつけるために他国へ金利を下げる事を求めました。日本では既に金利を下げていましたが、更に金利を下げる事にしました。結果的に、プラザ合意前までは5%だった日本の公定歩合はルーブル合意後に2.5%まで下がりました。

この頃の日本はプラザ合意で発生した円高不況からようやく抜け出し、景気は回復方向にありました。円高不況になったため、公定歩合を下げてお金を世の中に回すような政策をとっていた日本は、徐々に景気が回復するのをみて、実は公定歩合を戻そう(上げよう)としていたところでした。しかし、ルーブル合意でアメリカに協調せざるを得なくなったので政策を180度変え、公定歩合の引き下げに踏み切ったのです。

そしてついにバブル経済へと突入します。ルーブル合意により公定歩合を引き下げ世の中にはお金が大量に回ります。更に、円高不要から抜けきっていなかったため、景気の下支え対策としていた大規模な公共投資は継続していたので、更にお金が世の中に出回ります。つまり、日本経済は想定以上に多くのお金が世の中に出回ってしまったという事です。

景気が回復している中では通常は金利を上げ金融政策を引き締めなければいけませんが、ルーブル合意により逆の政策をとったため、過度にお金が出回り、内需拡大、消費が拡大したのです。しかし、この時点では過度なインフレは起こりませんでした。何故なら円高による影響で輸入品を安く買えたので、消費が上がっているものの物価上昇は緩やかでした。

この頃の日本では株、不動産神話という言葉がありました。株はどの銘柄も上昇し、不動産もどの場所でも価値が上がっていたのです。株、不動産を買えば儲かる時代だったのです。
株や不動産以外にもゴルフの会員権や絵画、ブランド品なども含めて円高により抑えられいたインフレも(過度のインフレを指す「ハイパーインフレ」とも呼ばれていました)止められなくなってしましました。モノを買えばそのモノの価格が上がるので、買いが買いを呼んで歯止めが効かなくなるほどモノの値段が実体経済を飛び越えて上がっていったのです。
株価もプラザ合意の前は1万円くらいだった日経平均株価は、1989年12月4万円近くまで上昇しました。

しかし、ご覧のように実態経済とはかけ離れた過度なインフレはいずれ崩壊します。過熱したインフレを抑えるために日本政府は2つの政策を実施します。結果的にこの2つの政策がバブル崩壊の引き金になりました。

①不動産投資の総量規制
不動産投資の総量規制は過度な不動産取引を抑制するために施策です。1990年3月末に出されたもので、具体的には全国の金融機関に対して「四半期ごとの不動産業界向けの融資残高を、貸出残高全体以下の伸び率に抑えること」を義務付けたのです。簡単に言うと「不動産投資にあまり融資をするな」というメッセージを送ったのです。これにより不動産を買う人が極端に減ります。買う人が減れば当然不動産価格は下がります。今までの過熱感が尋常でなかったが故にこの規制によって不動産価格は暴落してしまうのです。
これが不動産バブルの崩壊の直接の引き金になりました。

②公定歩合の引き上げ
前項①にも繋がる事がありますが、公定歩合の引き上げは、過度なインフレを抑えるために世の中に出回るお金を減らす事を目的としています。これにより様々な投資が減少し、公定歩合の引き上げによる円高の影響で輸出企業の業績悪化懸念により株や不動産が売られ暴落しました。
これも不動産バブル崩壊の原因の一つです。

このようにアメリカの円安誘導を目的としたプラザ合意から、インフレ抑制の不動産総量規制・公定歩合の引き上げまでが一連のバブル経済崩壊までの道筋です。

「最初のバブル」程ではありませんが2000年代にもファンドバブルと呼ばれる不動産のミニバブルがありました。

2000年代初頭になると前項のバブル崩壊の傷も癒え、金融機関が抱える不良債権処理も一斉に進んでいきました。日本の金融機関は大量に保有する不良債権を、お金に換えどんどん処分するよう売却先を探していたのです。

背景には、金融機関の不良債権処理が進まない事には、金融機関は融資のハードルを下げる事ができません。融資のハードルを下げないとお金が世の中に出回らないので、賃金が上がらずデフレからも脱却できないからため、国としても社会の声としても金融機関は不良債権処理を早める必要がありました。

金融機関が抱える不良債権の売却先としては主に外国のファンドが挙げられます。このファンドは日本の不良債権をバルク買いと呼ばれる手法で買っていました。バルク買いとは複数の不良債権をセットにしてまとめて買う代わりに安く購入する手法の事です。

前項でも申し上げたように金融機関は不良債権の処理を早急に進める必要があったため、値段よりもスピードを優先させました。外国のファンドからすれば、不良債権とは言え低価格で購入する事が出来る日本の不良債権バルクセールは宝の山だったでしょう。

この頃のアメリカ経済は減速していたため、投資先のない海外マネー(特にアメリカ)が日本に大量に流れ込みました。その結果、これらのバルクセールで日本に多額の投資をしたファンドはハゲタカファンドと言われていました。

ハゲタカファンドも購入した不良債権を全て自社で保有するわけにも行かず、その先の売却先を選定していました。バルクで購入しているので、本来ファンドが保有しないような小型のアパートや1棟マンションなども含まれていたため、ファンドはこれらを個人投資家へ売却していったのです。
不動産専門の業者やサラリーマン投資家などがこれらを購入し、不動産投資が日本では流行していきました。ファンドは金融機関から安く物件を購入しているので、個人投資家も安く物件を仕入れることが出来、この頃に投資をした物件は利回りの高い「優良物件」が多かったのです。それ故「不動産投資ブーム」が起っていきました。

やがて不良債権を処理した日本の金融機関は、新規の融資を積極的に行うようになってきました。しかし、まだ日本の景気は回復しきれていなかったので、企業も積極的な設備投資を行っていなく、金融機関も融資先を探している状態でした。その時に白羽の矢が立ったのが不動産投資です。金融機関は不動産投資をする個人投資家や不動産業者の背中を押し、より一層不動産投資は積極的に行われるようになりました。当然、買い手が多くなってくるので不動産価格は上昇していきます。

しかし、初期のバブルと同様、ファンドバブルも崩壊を迎えます。キッカケとなったのは「サブプライム問題」と「リーマンショック」です。

「サブプライム問題」とはアメリカで行っている低所得者向けの住宅ローンです。このローンの担保債権を証券化し、金融機関は様々な金融商品に組み込み保有していました。しかし、サブプライムローンに大量の債務履行(焦げ付き)が生じ、アメリカの多くの金融機関が倒産に追い込まれました。その中でも大規模な投資銀行であるリーマンブラザーズが破たんしてしまったので、サブプライム問題に端を発するこれらの現象を「リーマンショック」と呼びます。

これにより日本に投資していたアメリカのファンドは日本への投資を引き上げざるを得なくなりました。日本の不動産に投資をするお金が減少しましたので、過熱していたファンドバブルも崩壊を迎え、不動産価格も下がっていったのです。

このように初期のバブル経済の崩壊と同じように、不動産が過熱し、あるキッカケで下落をしてしまいました。その大きな原因にファンドが絡んでいるためこのバブルをファンドバブルと呼びます。

初期のバブルやファンドバブルは目に見えて過熱感がありました。しかし、現在は当時と比べると公示地価の上昇幅も大きくないですし、住宅の上昇も他のバブルと比較をすると小さいです。今の不動産市況がバブルと呼ばれるかどうかは、今後の上昇率と下落率次第です。過熱感が強く、実体経済とかけ離れた現象になることをバブル崩壊と呼びますので、不動産市況が過熱したとしても、私達の賃金が上がり、インフレが進めばバブル崩壊とはなりません。
つまり、不動産バブルが崩壊するか(そもそも不動産バブルかどうか)は今後の日本の景気次第ということになります。

みずほレポート

 

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1年前:2016年は「住宅バブル」が終焉する年になる 新築にも中古にも異変の兆しが現れている

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1年後:2016年の不動産市場を振り返る、キーワードは失速

この失速はピークなのか、更なる上昇に向けての小休止なのか、まだ分かりません。2020年のオリンピックまでは好景気が続くだろうと思われていますが、その道のりはまっすぐではないようです。

不動産市場は、REITなどの①収益物件と、マンションなどの②実需物件の2つの値動きがあります。基本的に、これらの動きは連動していますが、昨年の2つの値動きは明暗を分けました。

上昇を続けたREIT市場:REITに関しては、2015年に失速しかけた時価総額でしたが、2016年に日銀のマイナス金利が導入されて以降、再び上昇する形となりました。上昇の理由は、マイナス金利によって収益物件に対する期待利回りが下がったことによります。2016年に賃料は大きな値上りを見せていません。そのため収益物件の収入は変わらないのですが、利回りが下がったことにより、REITの時価総額は増えたのです。これはまさに日銀の思惑通りのシナリオです。

下落し始めたマンション市場:日銀の金利操作とはあまり関係のない実需のマンション価格は弱含みを見せ始めています。新築マンションの販売価格は、2015年にはバブル時のピークを越えたものの、2016年の前半は弱含みが続きました。現場でマンション販売を行っている業界関係者の話によると、2016年の新築マンション価格は確実に値下がり始めているとのことです。マンション価格は、タワーマンションの上層階が相続対策として使えなくなりそうになってきたこともあり、今まで売れていた億ションが売れなくなってきたことも一因です。また2016年は2015年と比較すると円高傾向であったため、外国人投資家が日本のマーケットから引いてしまったことも重なりました。

マイナス金利が住宅市場に効かない2つの理由

我が国の住宅市場は今後、少なくとも新築市場について今後回復する見込みはないと断言していいだろう。理由は2つ。

1「圧倒的な需要不足」。
住宅購入適齢期である30代は年々減少しているうえ、持ち家率も低下傾向でパイは減る一方。そもそも社会保障が手厚く将来不安を持たないデンマークやスウェーデンなどと日本を比較することに無理がある。日本では、終身雇用や年功序列といったかつての日本の就業慣行が崩れ非正規雇用が増加、人口減少に加え少子化・高齢化も手伝って社会保障負担が増し将来の見通しが立たないなかで、住宅を購入する地合いにはない。

2「供給過剰」
世帯数や住宅数を勘案すると我が国の適正な新築着工数は年45万程度と見られるが、年90万戸程度である。実は空き家の増加の本質的な原因はここにあるのだが、迷惑空き家に対応する、いわゆる「空き家対策法」は施行されたものの、空き家増加の根本原因にはまだ踏み込んだ政策は打たれていない。我が国の空き家率は2013年時点で13.5%、空き家数はすでに820万戸(総務省・2013年時点)に達し、いまなお空き家は年々増加している。2030年には空き家率が30%を超えるとのシンクタンクの試算もある。

さてこうした論調はアベノミクスや東京五輪開催、またそれに伴うインバウンド需要でホテル不足が顕在化していることや、東京都心で商業地の開発ラッシュが起こっていること、都心の高額なタワーマンションや富裕層の相続税対策、外国人需要などで売れ行き好調で、むしろバブルとの声もささやかれるといった、巷によく聞くアナウンスとは随分温度の異なる論調と映っただろうか?

実は住宅市場で好調なのは、都心の超一等地や郊外・地方都市の駅近・駅前物件などほんの一部であり、それ以外の大半は何ら恩恵をこうむっていない。物件種別でいえばマンションだけが価格上昇、それ以外の住宅地・戸建住宅はむしろ下落トレンドにある。

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さらに見ていくと首都圏では、2012年の政権交代以降、価格上昇を続けたのは都心3区(千代田区中央区・港区)、せいぜい5区(加えて新宿区・渋谷区)くらいまでである。

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不動産市場、「危険な事態」が密かに進行…大手不動産、負債が異常膨張で霞む「出口

三菱地所、三井不動産、住友不動産の大手3社の2016年3月期の有利子負債残高は3社合計で約7.6兆円にものぼる。3社の売上高合計は約3.4兆円であるから、なんと売上高の2倍以上の有利子負債を抱えていることになる。

不動産業は、土地という原材料を仕入れて、建物等を建設して、テナントに賃貸する、あるいは加工後の不動産を売却すること(たとえば分譲マンション、あるいは収益用不動産として)で、収益を計上していくのがビジネスモデルだ。ここ数年、不動産業界は、アベノミクスによる「低金利政策」の恩恵を一番に享受してきた。融資審査の緩んだ金融機関から、大量の資金を借りて不動産に投資をする。大企業は円安の恩恵を受けて業績を伸ばす。業績の伸長は、事業の拡大や新たな雇用を生み出し、オフィス床に対する需要が活発になる。国による徹底した新築住宅優遇策(たとえば、住宅ローン金利、所得税減税など)と株高誘導、都心部における容積率緩和などによって、分譲マンションは、折からの円安によって押し寄せた外国人投資マネーの恩恵まで取り込んで好調を維持することができた。

もうひとつ、不動産業界を「勇気づけた」のが、日本銀行によるREIT(不動産投資信託)の買い支えである。日銀は10年以降、国債以外にもREITやETF(上場投資信託)などへの投資を始め、REITについては現在、年間で900億円を投資し、5月末時点で購入残高は3159億円にものぼっている。

日本のREITは世界的にも「珍しい」手法で運用されている。つまり、REITにはスポンサー会社があって、このスポンサーがREITの運用に大きく関与するという「外部運用型」の形態をとっている。たとえば、米国などではREITはすべて内部運用型である。内部運用型とは、REIT自身が自らの意思決定で独自に資産を取得・運用し、また開発もできる方式を採用しているのだ。いっぽう日本のREITは、REIT自体には意思決定能力はなく、資産運用会社が不動産に対する投資から運用、売却までのすべての意思決定を行っている。そして、資産運用会社はスポンサーが出資し、社長をはじめとした役員陣もスポンサーから派遣されているのが実態だ。

つまり、REITによる資産の取得や運用にはスポンサー会社からの意向が働きやすい環境にあるということができる。この恩恵に浴しているのが、大手不動産会社である。つまり、自らが取得し、開発した不動産の最終出口に常にREITという「心強い出口」を控えさせているのである。以前であれば、不動産会社は自らが原材料である土地等を取得し、自らのリスクで建設した建物で運用し、最終的に売却して利益を計上する場合には、外部の流通市場で行わなければならなかった。

ところが、「傘下の」REITがあれば、常に有力な「買い手」として、自らが投資した不動産を受け取ってもらえるのである。これほど心強い味方はいないということになる。

REITを支えるのが、運用難に悩む地域金融機関や個人投資家である。上場REITの投資口は東京証券取引所に上場され、日々流通している。利回りも平均分配利回りで3.5%ほど。さらに加えて日銀が相場を支えているとなれば「安定した運用先」としてREITが選択されるわけである。

こうしたビジネスモデルの確立は、大手不動産会社にとっては、安心して金融機関から資金を借り受け、不動産に投資し、出口はREITにしっかり受け取ってもらうなかで、大きな収益が期待できる「打ち出の小槌」になった。

しかし、ビジネスモデルに永遠はない。昨年後半以降いくつか警戒すべき兆候がでてきているのだ。

ひとつめには、常に安定した「出口」が存在した分譲マンションマーケットである。低金利と所得税減免などのあらゆる優遇策を織り込んだ分譲マンション事業に黄色信号がともり始めたのである。あまり取り上げられていないが、首都圏におけるマンション供給量は昨年4万戸ぎりぎりの水準まで落ち込んだ。この数値は、リーマンショック直後の3万6000戸に匹敵する低水準であった。

供給量の減少は、主に建設費の上昇による販売価格の上昇によるものであり、契約率は好調水準である70%を維持したことから、それほど大きな話題とはならなかった。

ところが、今年になって供給量は回復するどころか、さらに落ち込み、不動産経済研究所によれば、1~6月累計で1万4454戸、供給の少なかった昨年上半期を19.8%も下回る衝撃的な数値となった。

これに追い打ちをかけそうなのが消費増税の延期である。販売価格の7割から8割が建物代であるマンションにとって消費増税の影響は大きい。前回の増税時には「駆け込み需要」が発生し、モデルルームに行列ができるなどの珍現象が生じた。今年はその駆け込み需要すら見込めなくなってしまった。

需要を支えてきた中国人などの外国人投資家の動きも今年になって、円高や中国経済の失速などで明らかに色あせてきている。相続対策に熱心な個人富裕層も、タワーマンションによる節税策の封じ込めなども影響して動きが止まっている。マンションの出口が視界不良になっている。

オフィスを中心とした賃貸運用資産にも暗雲が立ち込める。

 

賃貸で住みたい駅、赤羽が急浮上 吉祥寺は魅力低下か

目黒はJR山手線など4路線が乗り入れる交通利便性の高さに加え、駅前の大規模再開発事業が今年中に完成予定。家賃相場はシングル向け(1R~1LDK)で16万8千円、ファミリー(2K~3LDK)で30万2千円と高めだが、美術館や公園、目黒川などの自然も豊かで、落ち着いた雰囲気も備えているのが魅力だ。

吉祥寺は駅前が発展しすぎて、駅近の物件が少なく、休日の混雑などからも住む街としては魅力が下がったのでは。通勤の利便性なども含め、幅広い選択肢の中から自分に合った街を選ぶようになっているようだ」

「ロケーション」

不動産の価値はなにより、1にも2にもだ。昨今、駅から求められる距離は「徒歩7分以内」。持ち家、賃貸ともにこれを超えると急速にニーズが減少する。5年前は10分でも許容されていたが、いまやマンションデベロッパーも8分超えとなる用地に手を出すことには非常に慎重だ。

多くの街において今後、道路一本はさんで不動産の資産性や居住快適性に天国と地獄のような格差が生まれる可能性が高いことを指摘した

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