China macro update 2017/01

迷走する中国経済のパラドックス-PIMCO

「人民元の急落」と「中国経済の大幅な減速」のいずれかもしくは両方が発生した場合 -> 世界経済には大きなディスインフレ圧力がかかる -> 中国では、内需の落ち込みを受けて経常黒字が再び膨れ上がる見通しですが、このような景気減速シナリオでは、日米欧の国債は下支えされるでしょう

PIMCOが昨年12月に中国を訪問して実地調査を行なった結果、経済指標は第1四半期を通して比較的好調な結果を示すと確信する <- これまでの堅調な不動産販売の好影響が時間差を伴って波及すること+インフラ投資が遅ればせながら実現すること(不動産の販売実績は、中国と関連の深いコモディティ(石炭、銅、鉄鉱石、鋼鉄)の価格に9カ月ほど先行する傾向がある)

*しかしながら、第2四半期には景気が減速するシナリオがほぼ固まったように見受けられ <- 大規模な財政刺激策や信用拡大、そして2016年下期に新車購入需要を前倒しで喚起した税制優遇措置の効果の剥落が予想されるため + 多くの大都市における最近の不動産規制強化の影響が時差を伴って現れることも予想され、経済成長は停滞する

-> 資本流出の問題がさらに悪化することも考えられ、金融政策による景気減速対応も難しくなる可能性があり (資本規制の強化だけでは、資本流出および関連する外貨準備高の減少を食い止めることは不可能でした)

中国の経済見通しにおける主要な不確実性

1。政府はリスク回避の姿勢を大きく強めるとの予想に反し、金融システムの安定化に対する主なリスク要因に対処する動きを予想よりも早めに容認してきました -> 住宅ローンや住宅開発業者向け融資に対する規制が強化され + シャドーバンキングによるさまざまな手法のレバレッジの取締まりを強め -> このような国内の不確実性が、民間部門の米ドルに対する需要を強める傾向があり

2。金利、貿易、安全保障政策という対外的な不確実性も、米ドルに対する需要を押し上げ

3。政府に対する政策提言の質が悪化する公算が大きい <- 経済政策立案の中核的機関として、中央財経指導小組が、より規模の大きい国務院に取って代わりましたが、同グループは、概ね市場経験がほとんどない官僚で構成されている

*-> 中国経済成長の安定は、大規模な財政政策や信用刺激政策によって辛うじて保たれてきました + 国際収支赤字と信用の大幅な拡大が長期化した結果、拡大する信用をホールセール調達に依存することが構造的に高まってきました -> 流動性が潤沢に存在するという見方は、最早根拠を失いつつあり

pimco_viewpoint_frieda_chinese_drift_jan2017_fig1_jp

金利、投資資金、貿易に光明はみえるか

現在の利上げサイクルは、2000年代半ばよりも1990年代に近いと思われ <- 2000年代半ばには、アジアにおける過剰貯蓄が外貨準備高の着実な増加と米国債投資の拡大につながったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めサイクルにおいて米ドルの長期金利は概ね安定的に推移していました

中国経済の減速は、コモディティ輸出国に対して、価格と取引量の両面で打撃を与えることになります。国際収支赤字を持続可能な水準に押し下げようとするエマージング諸国の取り組みが頓挫し、需要の縮小に投資資金の流出が重なった場合、信用の逼迫につながる可能性が高まります-> 中国経済が大幅に減速すれば、エマージング関連資産のバリュエーションの均衡が崩れる公算が大きいでしょう。つまり、各国の実質実効為替レートの適正水準が、実際の為替レートと足並み揃えて下落する
(信用逼迫の問題は、国内の信用が堅調に拡大していた場合には、より深刻になる傾向があります)

投資に対するインプリケーション

エマージング市場内部のリスクは、中国におけるレバレッジ拡大の動き、非常に慎重なFRBの金融政策、これに関連するコモディティ価格の正常化によって回避されてきた、信用のレバレッジ削減の動きに関連するもの
-> 中国の経済成長の持続性と米ドル金利の間には相互連関性があり、2017年にはそれが悪化する可能性もある

中国が引き続き為替レートを微妙に調整する
-> 経済成長の原動力になることはないものの、過剰設備を抱えたセクターの生産者価格引き上げによるプレッシャーを緩和する役割があり
<- しかしその結果、国際収支赤字による国内の流動性流出と預金対比で過剰な信用拡大というコストを払う
<- 中国人民銀行は金融政策によって流動性を潤沢に供給することはできるものの、その場合、資本流出の動きが加速してしまい
-> 金融システムの流動性を自然体で引き締めることも可能: 住宅市場や債務の持続可能性をより広範に損なうリスクが生じ
-> 中国が人民元の自由変動相場制への移行を余儀なくされた場合、グローバル経済にはボラティリティ急上昇の影響が及ぶでしょう

 

グローバルな投資家にとっては ⼈⺠元がすべて-PIMCO

過去数カ⽉にわたって⼈⺠元の下落と資本の国外流出が続くなかで、中国⼈⺠銀行は金融引き締め政策を打ち出しました -> 金利が大幅に上昇したことを受けて、社債発行がキャンセルとなる事例が数多く見られ、一部の中国企業の資金繰りの悪化要因となり

*中国は依然として「トリレンマ」と呼ぶ状況に直面:⼈⺠元の安定化または固定化、資本の自由な移動、金融政策の独立性という3つの政策目標を同時に達成することは不可能なことが明らかになりつつあり -> 金融情勢が逼迫化したことを合わせて考えると、為替が引き続き「調整弁」の役割を担う見通し

中国⼈⺠銀行の政策の軸足は、経済成⻑の促進からレバレッジが極めて高い金融セクターの規制強化にシフトしています -> 少なくとも2017年の早い時期に関しては、流動性は全般にタイトな状況が続き、金利は高止まりする可能性が高いでしょう

-> 金利上昇がこの先1年にわたって経済成⻑を下押しする -> 悪材料がさらに顕在化し、現地通貨建て債券市場におけるストレスが解消されず -> 債券利回りは向こう数カ⽉間高い状態で大きく変動する、今年の半ば頃までは明確な投資の好機は到来しない

-> 短期的には、資本流出が続く可能性は高いでしょう <- 実際、⼈⺠元の下落が続くなかで両替の動きが進む公算が大きいでしょう + 中国⼈⺠銀行が⼈⺠元の自由な変動を容認するか、少なくとも変動幅を拡大する可能性が高まった -> 2017年もFRBの利上げサイクル(PIMCOでは2〜3回の利上げを予想)と⼈⺠元の下落が続く環境において、⼈⺠元およびその他のエマージング・アジア通貨に対して米ドルのロング・ポジションを選好

 

中国PMIは心地よい水準では-PICTET

中国1月の製造業PMIは前月から小幅低下したとはいえ、拡大の目安となる50を超え、新規受注は52.8と比較的高い水準を維持しており、中国経済は2017年前半に急激に落ち込む可能性は今のところ低いとも考えられ

人民元安は進行していましたが、少なくとも中国当局は外貨準備を用いて人民元を介入により下支えしていたと見られます + 最近では金融政策も引き締め傾向です

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China: fighting an uphill battle to stabilise RMB – AXA

Pressure on the RMB exchange rate and capital outflows has intensified, as the dollar rally gained momentum after the US presidential election. Our estimates suggest that capital outflows accelerated to US$60-80bn in Nov and Dec , up from $30-50bn in the previous two quarters.

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-> While these numbers are still small compared to those seen at the start of 2016, they have nevertheless exerted a tangible weight on the local bond market, resulting in higher yields, and posed a challenge for the PBoC in managing FX reserves and monetary policy.

-> In response, the authorities have taken three categories of measures to ease market pressure: 1) asymmetrically managing the capital account; 2) deploying FX reserves; 3) tweaking the FX operation. -> but there is no guarantee that these efforts will pay off. As the dominant influence in FX is now from the US, Beijing is in a reactive position and fighting an uphill battle.

*However, a large one-off adjustment is unlikely in a year of leadership transition
-> divergent interpretations were exactly what we saw following the August 2015 adjustment: The PBoC told the market that it was a one-off adjustment to realign the fixing and spot rates; but the market interpreted it as the end of the central bank’s defence of the exchange rate

 

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