Bond-Equity Correlation

The blog for Bank of England staff has shared two interesting articles about bond and equity correlation, which is important in driving investor asset allocation decisions.

Bitesize: 250 years of the bond-equity correlation

By using UK long-term macro data, they firstly show that for most of the 18th-20th centuries, UK government bonds usually behaved like a risky asset. When equity prices fell, bond yields rose, i.e.  bond and equity returns were positively correlated. This correlation was near zero for a prolonged period around the long depression in the late 19th century.

2016_short_mattroberts-sklarSource: Thomas and Dimsdale (2016) and author calculations.
Line shows ten year trailing correlation of monthly returns.

However, according to another paper on this topic (A Century of Stock-Bond Correlations) , since the mid-2000s, US bond and equity returns have been negatively correlated, i.e. bonds became a hedge for risk. And this trend is also apparent in Japan, Australia and UK. One more significant feature is that the correlation turns positive after the end of last century and keeps to be highly correlated recently.

 

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(The correlation tended to increase at times of heightened uncertainty about real economic activity. Japan’s early experience of low inflation is a possible reason why its stock-bond correlation turned positive prior to those in Australia, the United States and the United Kingdom.)

“An important factor underlying the recent, relatively long period of positive correlations has been the considerable and lingering uncertainty created by the global financial crisis, which saw correlations rise in a continuation of the pattern observed during other recessionary periods over the past century.”

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The recent positive correlation is also related to central bank policies like QE, though identifying the clear impact of monetary policy on the correlation is difficult given that these programs occurred in response to developments in growth and inflation.

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In the blog of Bank of England, they explain change in the neagtive bond-equity correlation in UK Hsince the mid-2000s partly reflects

1.investors being less worried about inflation risks.  <- As well as demand-type shocks being more prevalent than supply-type shocks, the introduction of credible inflation targeting has helped anchor inflation expectations and reduced the likelihood of high inflation risks. Investors may also have become more focussed on bad states of the world.

2.there has been a structural increase in demand for ‘safe assets’, with more investors demanding safe government bonds for reasons unrelated to their expected cashflowsThis has been exacerbated during and since the financial crisis, with deterioration in risk sentiment leading to episodicflight to safety.  And the addition of QE and forward guidance to the monetary policy toolbox may mean long-term bonds react differently to previously.

However, the BOE’s article shows a quite different picture of recent 15 years: the correlation has been, on average, negative since the early 2000s, and the correlation has been much less negative in the past couple of years. The difference may due to the calculation methods.

2016_short_matt_roberts-sklar_2Source: Bloomberg, Bank and author calculations. Lines show one year trailing correlations of weekly returns on 10-year government bonds and equity indices (FTSE All Share for the UK, S&P 500 for the US, DAX for Germany and Topix for Japan). Note: the correlation of equity returns and bond yields would have the opposite sign.

(Consistent with Japan’s ‘lost decade’, the correlation went persistently negative in Japan in the early 1990s, around five years earlier than for the other countries. The correlation for Japan went positive in early 2016 following the introduction of negative rates by the Bank of Japan. Moreover, the newly-introduced long-term yield target should mean Japanese government bonds and equities are uncorrelated going forward.)

 

 

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Emerging Market Investment

去年のなかば頃に世界全体的な低リターン環境の中で新興市場への投資は一旦盛り上がったらしい。しかしこの後アメリカの大統領事件、またドラとアメリカ経済の強勢によって、市況はまたうっかり変わったからしい。ちょうどabglobalは新興国投資に関する一連の文章があるため、今日はこの半年の脈絡を見ってみよう。

(もともとは英語のレポートでもあるが、日本語練習のため日本語のをメモする)

 

新興国株式市場再参入の機会?2016年8月18日

2016年の前半、新興国株式市場に関し過去数年間模様眺めを決め込んできた投資家は再び同市場に関心を寄せ始め、先進国株式をアウトパフォームしている。だが、月ごとのパフォーマンスはかなり不安定で、投資家の警戒感が消えていない。しかし、回復の兆しが強まるまで投資はできないものなのだろうか。今が新興国株式市場における新たな成長源を探し出す良いタイミングであると考えている。

 

楽観できる理由:経済成長ペースは以前に比べ緩やかになったが、最近はインフレ率が低下したおかげで、成長の質が多くの国で改善している。

1。低下したインフレ率は実質所得の伸びを押し上げ、消費者の購買力を改善させている。
2。コモディティ価格の下落はインドや中国といったコモディティ輸入国に恩恵をもたらしている。
3。金利引下げの動きは幅広い国々に広がり、インドなど各国の経済を支える重要な要因となっている。

トレンド:

1。消費支出の新たな形

消費支出の急速な伸びは、昔から新興国投資の重要な要素の一つであった。しかし、そうしたパターンは変化しつつある。かつて、一部の国では消費拡大は借入れの増加に支えられてきたが、例えばブラジルや南アフリカなどでは現在、消費者がすでに多額の負債を抱えており、新たな借入れ余地は少ない。そのため、消費支出の伸びが平均を上回る市場を探し出すには、消費者の債務がかなり低い国に焦点を当てることが重要となる。例えば、フィリピン、コロンビア、ペルー、インドネシアなどでは、他の新興国に比べ国内総生産(GDP)に対する消費者の債務比率がはるかに低い。

消費のトレンドは国によって異なっている。ロシアでは伝統的な小売業者よりも低価格で商品を提供するハイパーマーケットが急速に拡大している。タイではコンビニエンス・ストアが盛況だ。中国では景気低迷を尻目に民間教育サービスに対する需要が拡大している。

2。中国を無視すべからず

多くの投資家にとって、中国の成長鈍化は投資意欲を損なう要因となる。しかし、そのアプローチには問題がある。中国が世界経済の超大国として急速に台頭するのを支えてきた製造業やコモディティなどの「オールド」セクターが高成長の柱としての役割を失いつつあるのは間違いない。しかし、急速な成長を遂げている「ニュー・チャイナ」が存在し、経済全体の成長が鈍化する現在の環境においてもビジネスを拡大している。インターネット、ヘルスケア、教育サービスなどは、今後何年にもわたり平均以上の成長を続けるとみられる分野のごく一部に過ぎない。

3。世界市場のリーダーを探す

さまざまな領域で、新興国企業がそれぞれの業界で世界のリーダーとなったか、あるいはそうなりつつある。インドのタタ・コンサルタンシー・サービシズは、今や世界のITサービス市場における主要企業となっている。台湾セミコンダクターは圧倒的な市場シェアや最先端の技術を通じて世界の半導体受託生産業界をリードする企業となり、同業他社の中で最も高い利益率を誇っている。アスペン・ファーマケア・ホールディングスは、新興国市場におけるブランド医薬品および後発医薬品メーカーとして世界のリーダーとなりつつある。新興国市場でビジネスを確立した企業や急成長している企業の一部が世界のトップに躍り出るのは時間の問題である。そうした企業を今見つけ出すことができる投資家は、極めて高い成長力を秘めた企業を非常に魅力的な株価水準で買い入れることが可能になる。

 

マルチアセットの投資家は今こそ新興国市場に投資する時 2016年9月5日

利益成長: 潮目に変化の兆し

新興国の株式市場は、中国の成長鈍化、コモディティ価格の下落、世界貿易の低迷などが逆風となり、過去5年間にわたって先進国の株式市場よりパフォーマンスが劣ってきた。そうした状況はようやく変化しつつある。2016年は先進国の企業の利益成長が横ばいに留まると見られるのに対し、新興国では6%以上の伸びが見込まれている。利益に関する優位性以外にも、配当利回りが3%前後という高い水準にある。

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インカム: 明らかに有利な利回り

投資家は債券のクーポンと株式の配当という2つの方法を通じてインカムを得ることができる。先進国の国債利回りが極めて低い水準にあることや、ハイイールド市場の利回りが低下していることを踏まえれば、一部の新興国市場の債券には魅力的な投資機会がある。歴史的に、新興国の国債利回りは米国の投資適格債やハイイールド債の利回りを下回ってきたが、現在はそれらを明確に上回る水準にある。同様に、利回りを追求する株式投資家は新興国市場でバリュエーションが妥当な水準にある高配当銘柄を見つけ出すことができる一方、先進国の高配当銘柄は株価が割高な水準にある(『Dizzy over Dividends?』

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アクティブな姿勢を維持: 非効率な市場で投資機会を追求

新興国市場には銘柄選択を通じてリターンを追求できる市場の非効率性が存在する。例えば、新興国市場では全般的に株式のカバー範囲が狭く、情報の伝達ペースも遅いため、リサーチを重視するアクティブ運用のマネジャーは優位に立つことができる。しかも、新興国市場のベンチマークは構成が雑で、投資家が新興国株式を購入しようとする際に注目している高い成長ペースや企業のダイナミックな動きはほとんど反映されていない。MSCI エマージング指数を構成する中国以外の銘柄の時価総額のうち4分の3以上は、成長ペースが新興国の平均を下回る国の企業で構成されている。そして中国では、時価総額の半分以上を国有企業が占めている。

こうした非効率性は、資産クラス全体に目を配っているマネジャーにとって、とりわけ役立つ可能性がある。株式や債券に2つの異なるベンチマークに基づいて個別の市場として投資する代わりに、単一の目標の下で統合型のマルチアセット・アプローチを採用すれば、リスク調整後リターンを改善する手段をより多く手にすることができる(『Pulling More Levers Across Emerging Markets』

例えば、ブラジルの地方債は現時点で利回りが12%に達している。現在の市場環境に照らせば、これは株式に近い非常に魅力的なリターンで、ブラジル株式に比べてボラティリティもはるかに低い。 それとは対照的に、韓国の金利はわずか1.4%で、リターンの観点から見れば債券の魅力はかなり乏しい。その一方で、韓国企業にとって資本コストは非常に低い水準にあるため、平均的な株式が魅力度を高めるための収益力に関するハードルは低くなっている。

 

低成長の環境を乗り切る投資 2016年10月11日

現在、世界経済ではいくつかの大きなトレンドが進行している。人口高齢化、所得格差の拡大、グローバル化の後退が構造的に生産性を押し下げ、ひいては経済成長を圧迫している。グローバル化の後退とは、過去20年にわたり拡大してきた世界貿易や国境を超えた資本投資の動きが逆戻りしていることを意味する。

グローバル化の後退

今回グローバル化の後退を招いたひとつの大きな要因が、今後も長期的な影響をもたらす可能性がある。それは先進国でグローバル化に対して政治的反発が高まっていることである。それは、例えば英国の欧州連合(EU)離脱決定、米国やユーロ圏における保護主義の高まりといった形で現れている。こうした揺り戻しにはどんな背景があるのだろうか? それを考えるヒントになるのが下記の図表で、その特徴的な形状から「象のチャート」と名付けられている。エコノミストのブランコ・ミラノビッチ氏のリサーチに基づけば、このチャートはグローバル化の勝者と敗者が鮮明に分かれていることを物語っている。

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グローバル化は深く根付いているため、完全に止めることは不可能である。しかも、地域間の貿易協定は着実に拡大している。それでも、世界貿易の減速と国境を超えた投資の減速は互いに影響を及ぼし合い、世界経済にとって引き続き大きな足かせとなる可能性がある。

世界的な低成長局面が長期化する可能性が高いことを踏まえれば、投資家はそうしたシナリオに耐え得る戦略を構築する必要の3つの要件:

1。新たな成長分野を特定する:成長が乏しい世界では、新たな市場が誕生すれば、そうした市場の先頭に立つ企業がより高い評価を受ける。成長を生み出し得る要因の例としては、幅広い電子商取引分野におけるテクノロジーのイノベーション、健康な食品やライフスタイルの需要拡大といった消費者の嗜好変化などが挙げられる。 それ以外にも2つの分野が挙げられる。労働力人口が減少しているため、ソフトウェアに基づくソリューションを活用して生産性を高めるツールやサービスへの需要が高まりそうだ。さらに、地政学的な不安定感が増していることから、国防支出が押し上げられる可能性がある。

2。持続性の高い収益力に注目する:低成長の世界では、製品やサービスに対する需要が簡単に消滅してしまうことがある。そのため、市場が考えているよりも長期にわたって高水準かつ予測可能な収益力を維持できる持続的な競争力を備えた企業を探し出すことが重要である(『The Building Blocks of Investing Nirvana』)。こうした持続力をもたらす要因としては、参入の容易でないネットワークによる防波堤効果や、代替困難なサービス、強く愛好されているブランド力、低コストの生産プロセスなど、様々なものが考えられる。

3。財務力の強い企業を選ぶ:低成長の環境下では、過剰な設備投資のような過ちを犯す余地ははるかに少ない。今日、投資に値する企業は、多大なコストをかけることなく規模の拡大を達成し、効率よく資本配分を行っている。不透明感が高まる局面では、強力なバランスシートが防衛力となる。

 

 

回復の始まった新興国市場への投資 2016年10月20日

これまで、投資家はいわゆる「ベータ取引」で成功を収めることができた。それは新興国の株式や債券の市場が長期にわたって高水準のリターンをもたらしてきたためだ。しかし、すべての船を押し上げる上げ潮は過ぎ去ってしまった今、投資家がリターンを獲得するには、市場全体の幅広い回復に依存することはできなくなっている。その結果、新興国市場で長期的にアウトパフォームできるポートフォリオを構築するには、アクティブ運用によって非常に選別的なアプローチを採ることが不可欠となっている。

ファンダメンタルズの改善

成長: 新興国全体のGDPは、目覚ましい成長を遂げた数年前と比べ拡大ペースが鈍化したが、ここへきて安定化の兆しを見せている。落ち込んでいたコモディティ価格が回復に向かい始め、資源依存度の高い国々を後押ししている。これに対し、市場コンセンサス予想によると、多くの先進国で2016年の企業収益は横ばいないし減益が見込まれている。

・ インフレ率: インフレ率は大半の新興国で引き続き十分抑制されている。最近の為替相場の安定も考えると、さらなる金融緩和による景気刺激策の余地が生まれる可能性もある
・ 対外収支: 経常収支は2013年を底に回復しつつある
・ 政治: 政治リスクは無視できないが、ブラジル、アルゼンチン、インドなど、さまざまな国で好ましい変化が起きており、それは投資家心理をさらに改善させる可能性がある

良好な需給

2015年に資金が流出超となった後、新たな資金がまた新興国株式および債券ファンドに流入し始めている。過去数年間に新興国株式市場への資産配分を引き下げた後、依然としてアンダーウェイトとしている。

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魅力的なバリュエーション

新興国市場の長期的な成長やダイナミズムの恩恵を受けようとする投資家にとって、最も高いリターンが得られる可能性が高いのは株式だと考えられる。同時に、新興国の債券も着実に超過リターンをもたらす可能性があり、先進国のソブリン債や投資適格級の債券が困難な状況に直面していることを踏まえれば、投資家の資産配分において重要な役割を果たし得る。

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株式の戦略としていは:
低ボラティリティ戦略(『新興国市場の乱気流を切り抜けるには』参照)
高成長銘柄に焦点を絞った戦略 (『新興国株式市場再参入の機会?』参照)
マルチアセット型アプローチ (『Pulling More Levers Across Emerging Markets』参照)

投資家がどのアプローチを選ぼうとも、ベンチマークに制約されず、確信度の高い運用に集中するポートフォリオを選ぶことが重要である(『Emerging-Market Benchmarks Miss the Mark』参照)。(株式に関して言えば、MSCI エマージング指数は平均よりも成長率の低い国々の構成比率が非常に高い。経済の成熟がかなり進んでいる韓国と台湾を合計すると、同指数の25%以上を占めている。中国、ブラジル、ロシアなどのベンチマークは国有企業に偏っており、そうした企業は得てしてコーポレート・ガバナンスが貧弱で、政府による介入を大きく受ける。投資家は、それらのベンチマークから距離を置くことにより、コロンビアの銀行から南アフリカのメディア・グループ、中国の教育関連企業に至るまで、多種多様な投資対象候補から最も有望な銘柄を選び出すことができるようになる。)

債券投資家にとって最も高いリターンを得られるのは、伝統的なベンチマークには含まれない分野まで投資対象を拡大し、幅広い格付けの債券やさまざまな通貨を対象とするグローバルなマルチセクター投資が可能なポートフォリオである(『流動性リスクを管理する最善のアプローチとは?』参照)

 

都市への移住者が新興国農村部の消費を変える 2016年11月18日

新興国では都市化が進行している。都市に移住した人々が故郷の村に住む友人や親戚の考え方や行動にどんな影響を及ぼしている。企業や投資家にとっては新たな機会が生じている。

拡大する需要は満たされていない

例えば、中国では家族の誰かが都市に移り住めば、農村の消費需要が都市部と似たものに変化することが判明した。ABでは湖南省長沙から2時間ほどかかる村で、家族の中で都市に移住した人のいる家を数軒訪ねた。そこでは村人がヨーグルトや缶入り飲料を好んでいた。それらの商品は、農村部では都市部ほど普及していないが、同じ日に我々が訪ねた都市住民となった家族が日常的に消費していたものだった。インドでも、都市部への移住者が故郷の村における人々の行動に変化をもたらしている。

インフラや通信手段が改善されるのに伴い、こうした影響は農村部の消費が消費材ブランドの商品にシフトするのを後押ししている。基本的に、これは消費者が実際に都市部に移り住む前に起こる消費の「都市化」現象である。旧来型の小売業者はこうしたニーズの変化に対応できずにいる。農村部に住むすべての人々に商品を届けるには、流通網の整備に多額の資金がかかるためだ。ABでは、こうした顧客を獲得できるのは、物理的なネットワークを構築することなく流通網を構築できる企業であると考える。

これは電子商取引にとって非常に強い追い風となりそうだ。インドではインターネットの普及率がわずか28%に過ぎないが、ネットユーザーはすでに3億7,500万人に上っている(スタティスタ社調べ)。消費者調査会社フォレスター・リサーチによると、インドではインターネット上で買い物をする消費者は2016年末までに6,800万人に達すると推定される。また、インドのオンライン小売売上高のうち50%近くが携帯端末を通じた消費となりそうだ。

中国では電子商取引の普及率が非常に高い。それは従来型の実店舗が(特に富裕層が住む一級都市以外の地域で)消費需要の変化に追いついていけないためである。2015年末時点で、中国でネットショッピングを行っている人は4億2,900万人に上り、その数はネットユーザーの61%に相当する。中国のオンライン小売売上高は米国を追い抜いた。当然のごとく、中国では携帯端末を通じた買い物および決済分野でイノベーションが起きており、Tenpay(財付通)のようなオンライン決済サービスを利用すれば、WeChatと呼ばれるプラットフォーム横断型メッセージ・アプリを通じて友人や家族との間で少額の「紅包(祝儀)」をやりとりすることができる。アプリの利便性によって少額の決済ができるようになれば、銀行口座を持たない人が多いインドの農村部にも大きな恩恵をもたらすことになろう。

 

 

新興国市場の回復の波に乗るには遅すぎるか? 2016年11月28日

リスクはあるものの、新興国市場では投資機会が改善しており、この堅調な地合いが今後も続くのか、気を揉んでいる投資家もいるだろう。ABでは今後も上昇が続く可能性があると見ている。中国の金融政策、コモディティ価格の安定、米国経済の持続的な成長、新興国の輸出回復などが株価上昇を支える見通しであるためだ。

しかし今後待ち構えているリスクは、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切る可能性、米大統領選挙の結果を受けた世界貿易の行方、ロシアや中国の周辺における地政学的緊張の高まりなどが挙げられる。

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新興国市場ではブラジルとインドネシアに大きな投資機会

新興国の株式市場や債券市場が回復するのに伴い、投資機会もシフトしてきた。2015年に15%下落した現地通貨建て新興国債券市場は、魅力を高めつつある。ブラジルやインドネシアなどは、インフレ圧力が後退したことから実質金利が世界で最も高い水準にあり、金利に低下余地が生まれている。その結果、債券価格の上昇が期待できると同時に魅力的なクーポンを得られるため、リターンが押し上げられる可能性がある。

一方で、一部の新興国債券市場には投資が集中し、格付けが同等の先進国債券よりも利回りが低くなっている場合もある。例えば、中欧や東欧諸国が発行した米ドル建て国債の信用スプレッドは、同等の格付けの米国社債に比べかなり縮小している。

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中国経済の安定が世界の株式市場を押上げ

投資機会のシフトは株式でも進んでいる。2016年上半期は安全を求める投資に注目が集まり、ボラティリティの低い銘柄が上昇したが、今や投資家は景気敏感セクターの中から割安な銘柄を探し始めている。その理由の一つは中国の見通し改善だ。

2016年初頭の中国経済の見通しはかなり不透明だった。政策当局者は景気刺激策を講じたが、それが効果を上げる兆しは見えず、生産者物価指数は下落した。しかし、今は刺激策の効果が現れている。中国の経済活動は安定しつつあり、企業の価格決定力も高まっている。不動産市場も回復しつつある。

中国で新たに生まれつつある電子商取引分野に注力しているテクノロジー企業の株価も力強く上昇している。強力なキャッシュフローや成長期待に基づき引き続き投資価値を提供している企業もある。潤沢なキャッシュフローを創出し、バリュエーションが魅力的で、配当利回りも高い中国銘柄が数多く見受けられるのだ。

中南米も好転

ブラジルとアルゼンチンもパフォーマンスが好調で、どちらの国もより持続可能なマクロ経済政策を進めている。インフレ率も高水準から低下し、両国の中央銀行は利下げに着手することが可能になった。金利が低下すれば借入コストが低下するほか、資産のディスカウント幅も縮小する。経済成長はまだ上向いていないが、株式市場は景気回復を織り込み始めており、高水準のリターンを支えている。

 

「フラジャイル」を脱却: 新興国通貨・債券の投資機会 2016年12月1日

数年前の新興国市場:多くの国々で、借入が拡大した結果、経常収支や財政収支が大幅な赤字となった。この赤字を埋めるためには、国内の債券・株式市場や銀行預金に流入する海外からの不安定な投資資金に頼らざるを得なかった。海外投資家は、しばらくの間は新興国の赤字を喜んで埋め合わせた。なぜなら、彼らは先進国の債券から得られる利回りよりも高いリターンを必要としていたからだ。しかし、2013年に米連邦準備制度理事会(FRB)が緩和的な金融政策を引き締め始める考えをほのめかすと、投資家はすぐさまリスク回避に走り、新興国市場への資本流入は枯渇することになった。その結果、新興国資産の価値は落ち込み、経済成長も失速した。最も脆弱だったブラジル、インド、インドネシア、トルコおよび南アフリカは「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」として知られるようになり、とりわけ大きな打撃を受けた。

現在:新興国では、健全な政策によって経済の脆弱性が薄れ、通貨も上昇している。債券投資でより大きなリターンの獲得を目指す投資家にとって、今は状況を見直す時である。

通貨安の強力な後押し

多くの人々にとって、通貨価値の急落は恐ろしいことである。だが「フラジャイル・ファイブ」の場合は、自国通貨の下落はは経常収支の赤字縮小に貢献する。また、企業の営業コストや国内の資産価格が低下し、海外からの直接投資(FDI)の拡大を招いている。FDI は本質的に長期投資という性格を持っているため、証券投資よりも安定した資金源となっている。「フラジャイル・ファイブ」へのFDI は力強く拡大し、2009年以来初めて、5カ国合計の経常赤字を埋め合わせる規模に達している。5カ国の短期対外債務も全体として減少しており、外的ショックに対する抵抗力が高まっている。同じことは新興国市場全体についても当てはまる。

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秩序を取り戻した財政

新興国市場にとって次の優先課題は、民間投資を阻害し、成長の足かせとなっている財政赤字を是正することだ。しかし、とりわけ新政権が市場にとって好ましい政策を重視している国々においては、期待できる兆しも現れている。その例を挙げてみよう。

・ブラジルでは、今後20年にわたって公的支出の伸びを抑制する新政権の提案について、議会が近く承認する見通しである
・インドネシアは、財政を圧迫してきたガソリン価格補助金を撤廃した
・インドは、過去数十年にわたり成長を阻害してきた重複税制を簡素化した。民間エコノミストは、これにより成長 率が最大2%ポイント押し上げられる可能性があると予測している

新興国市場で魅力的な投資機会の一つは、現地通貨建て債券への投資。例えば、ブラジルでは地方政府債の利回りが11%を超えている。実は、新興国と先進国の実質金利格差(インフレ調整後の金利格差)は、世界金融危機以降では最大の水準に近づいている。しかも、大半の新興国において、今後インフレ率は低位安定すると予想されている。先進国の金利がしばらく低水準で推移するとみられる中、新興国債券市場で選別的にポジション構築を行うことは大いに理に適っている。通貨のバリュエーションも全般的に割安な水準にあるため、経済ファンダメンタルズの改善は、それらの通貨に上昇余地があることを示している。

 

新興国の成熟を考慮した新興国投資とは 2016年12月16日

米国大統領選挙後の新興国株式市場は、軟調に推移した。ドナルド・トランプ次期政権下の米国の政策が貿易や為替相場に悪影響を及ぼしかねないとの懸念が広がったためだ。

一方新興国株式のポジションを構築する上で、特に国別のエクスポージャーという観点では、ベンチマーク指数に基づくパッシブ運用が最善の運用手法ではない、と考えている。

「中進国」の組入比率が高くなるリスク

「アジアの虎」と呼ばれる韓国と台湾はそれぞれMSCI エマージング指数の14.8%、12.2%を占めている。その結果、この指数を用いたインデックス運用を行う投資家は資金の約27%をこの2カ国に投じていることになる。だが、韓国と台湾を新興国と見なすべきなのだろうか?

(MSCI はどの国が新興国市場として適格であるかを決める上で、企業統治や市場の流動性を重視しているが、社会経済的な基準は採用していない。

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対照的に、インドとフィリピンの人口1人当たりGDPはEU平均の5分の1程度に留まっている。両国とも過去20年間の成長ペースは先進国をはるかに上回っており、過去10年間の成長率はインドが7.5%、フィリピンでは5.4%にのぼる。それにもかかわらず、MSCI エマージング指数に占めるインド株式の割合はわずか8.3%、フィリピン株式は1.3%に過ぎない。

-> ポートフォリオにおける国別のポジションを決定するのは個別銘柄への投資機会であるべき。国や業界の成長ダイナミクスを理解することは、投資家を魅力的な投資機会に導くことにつながり得る。例えば、韓国や台湾は経済の成熟度が比較的高いため、スマートフォンやインターネットの普及率も相対的に高い。これは、それらの普及率がはるかに低いインド、ブラジル、フィリピンなどの方が、より魅力的な国内の成長機会を発掘しやすいことを意味する。住宅ローンの利用率や自動車の保有率についても同じような見方が当てはまる。

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2017年の新興国市場は自律的回復が可能か? 2017年1月17日

昨年、新興国市場ではようやく回復が始まったところであったが、米大統領選でのトランプ氏勝利を受け、先行きに不安が生じている。米国の金利上昇や米ドル高が新興国の経済や企業を脅かしている。保護主義的政策を掲げるトランプ氏の公約は、メキシコから中国に至る多くの国々を警戒させている。しかも英国の欧州連合(EU)離脱問題や最近行われたイタリアの国民投票など、ポピュリスト的な潮流の拡大により、過去何十年にもわたって新興国に恩恵をもたらしてきたグローバル化の流れが反転しかねない兆しが世界中で広がっている。

こうした懸念は無視できないが、地政学的秩序の変化は、米国の動向が新興国に及ぼす影響力を低下させる可能性がある。また、新興国における好ましい国内経済動向は、米国の政策によって生じかねない打撃を和らげ得る。したがって、米国がもたらす不確実性の影響を比較的受けにくい新興国では、依然として魅力的な投資機会を見出すことができると言えよう。

新たな地政学的秩序?

地政学的秩序の重心は、主要新興国にシフトしつつある。アジア地域では中国の影響力が増している。また、旧ソビエト連邦構成国や中央アジアに対するロシアの影響力も再び高まっている。

国際通貨基金(IMF)や世界銀行は、もはや新興国に緊急融資を行う唯一の存在ではなくなっている。地域紛争の解決に向けた国際機関の機能は低下している。つまり、新興国では経済成長や緊急時の支援といった面で、外部に対する依存度が下がってきている。

新興国は経済的な独立も進んでいる。多くの新興国において経済成長の回復を牽引しているのは国内のトレンドであって、米国ではない。例えば、ロシアとブラジルは景気後退から抜け出し、回復に向かっている。また、成長が加速している新興国が増えているため、中国の景気減速による悪影響もある程度緩和される。

ブラジルなど多くの新興国では、インフレがおおむね抑制されている。また、新興国の多くでは実質金利が景気を刺激する上で十分低い水準にある。対外収支も大幅に改善されてきた。その結果、新興国は概して海外資本への依存度が低下しており、先進国の金利上昇による悪影響を受けにくくなっている。したがって、足元の米ドル高に対する懸念は行き過ぎかもしれない。むしろ、輸出主導型経済である多くの新興国にとって、米ドルに対する自国通貨の下落は海外市場での製品やサービスの競争力を高めることから、収益性を支えるという面もある。

投資機会はどこに?

このようにマクロ経済に関するリスクを切り分けてみれば、さまざまな投資機会を発掘することができる。例えば、株式投資家は国内経済の成長の恩恵を受ける高成長企業に注目することができる。今日、世界で最も収益力が高く、安定した成長を遂げているテクノロジー企業の一部は中国にあり、そうした企業は急増する中間所得層の支出をテコに収益を拡大させている。

世界の投資家から長年にわたって見過ごされてきた、バリュエーションが割安な銘柄も注目に値する。例えば、生産コストの低さや国内および世界の経済成長の回復が追い風となりそうなロシアの資源関連銘柄だ。韓国の金融機関も、資産の質の改善や一段とスティープ化したイールド・カーブを考えれば、そのバリュエーションは極めて魅力的であるように見える。(バリュエーションの評価をする際に、財務および収益の質や安定性を考慮することも効果的だ。例えば、強力なブランド力を持ち、中間所得層から強く支持されている生活必需品企業などがそれに当てはまる)

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中南米の財政健全化

政治改革は債券市場にも影響を与えている。アルゼンチンやブラジルなどで汚職の摘発が進んでいる中南米について見てみよう。これらの国々では、コモディティ・ブームに沸いていた時代に無節操な支出や汚職が拡大したが、現在は政府が企業活動に配慮しながら持続可能な財政政策を進めており、それが成長にも寄与している。しかも、一部の国ではインフレが一段と抑制されており、多くの中南米諸国の米ドル建て債は投資妙味が高まっている。

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PS1

トランプ政権誕生で加速する株式投資の新局面 2016年12月26日

米国における超低金利は過去のものになりつつある。トランプ氏が掲げていた大型財政支出案は、同氏の当選後に米国債利回りの大幅上昇を呼んだ。インフレ率上昇の見通しを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)は12月に金利引き上げに踏み切っており、2017年にも利上げを継続すると見られている。しかし、この長期金利の上昇は、さまざまな大きな変化の中の一番目に付くものであるに過ぎない。

株式市場の潮流変化

近年の株式市場で顕著だった、低金利と市場変動率の高まりに後押しされた「安全」銘柄への逃避は、今後金利上昇が続けば大きな転換点を迎える。国債利回りが超低水準で推移する中、投資家は債券の代替資産として公益事業、不動産、生活必需品といったセクターの高配当利回り株式を選好していた。そうした銘柄は株価バリュエーションが非常に割高となった上に、インデックス運用の流行によってさらに無差別な資金流入が進んだ。米大統領選の前から、そのような「安全」銘柄への逃避が行き過ぎたものとなり、反転が始まりつつある兆候は見え始めていた(『Playing It Safe or Playing with Fire?』)。そして選挙後はその新たなトレンドが加速し始めている。公益事業や生活必需品などのセクター、あるいは「ベータ」の小さい銘柄は、市場全体に対しアンダーパフォームしている。

金利上昇に伴う二つのシナリオ

金利が上昇する中、大きく二つの流れが予想される。一つは、債券価格の下落を受けて投資家の株式へのシフトが進み、株式市場全体が上昇するというものだ。二つ目は、「安全」銘柄から景気敏感銘柄へのシフトが持続的に進むことだ。

「安全」銘柄バブルの崩壊を予想するのには十分な根拠がある。近年、株価指数連動のETFに大量の資金が流入する中、投資家による企業のファンダメンタルズの検証が不十分になっていたことが背景にある。割安な景気敏感セクターへのローテーションが始まった今、債券代替資産とみなされているために債券価格との相関度が高い銘柄から、投資家が脱出し始めているのだ(『Rate Shock for High-Yield Stocks?』)

(実際にはもっと複雑なことが起こっているかもしれない。2000年にITバブルが崩壊した時は、それまで「オールド・エコノミー」と揶揄されていた資本財やエネルギーなどのセクターが好調となった。その中でも、割安なバリュー株は大幅に市場を上回るパフォーマンスを示した。今回の局面では税制や規制に関し大きな変化が予想されるため、入念に個別銘柄のリサーチを行うことによって勝ち組・負け組の判定を行う必要性が高まっている。)

視野を広げて俯瞰してみると、「安全」銘柄バブルが崩壊する中でより良い結果を生むためには三つのアプローチ:

1。高い収益成長力に着目:それぞれの事業分野における競争力、好ましい業界トレンド、優れた経営陣などによって高い成長力を持つ銘柄は有望だ

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2。ディープ・バリュー銘柄に着目:「安全」銘柄(低ベータ銘柄)のリターンが債券価格との相関度が高く、今後の金利上昇に対し脆弱性があるのに対し、バリュー株(例えば株価資産倍率(PBR)が市場全体の下位20%の銘柄)のリターンは、債券価格との相関度が極めて低い

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3。市場下落リスクに対する妥当なプロテクション:米新政権の方向性、そしてその経済政策が各産業や各企業に及ぼす影響の不透明性を考慮すれば、今後市場の変動率が高まることは十分に考えられる。割高な銘柄を避けつつクオリティの高い銘柄を選択するアクティブ運用によって市場下落リスクに備える株式運用戦略は、リスクを抑制し、長期リターンの獲得に至る筋道をスムーズにするために効果を発揮するかもしれない。

 

PS2

より良いリターン特性を求めて: 知っておきたい2017年の7つのテーマ 2017年1月26日

1. 問題児は避ける: より良いベータというものがあるならば、より悪いベータ(市場やファクター)というものもあると考えるべきだろう。そうしたものでも、ある時点では投資機会を提供することはあるが、長期的には市場全体と比較してアップサイド/ダウンサイド・キャプチャーに関し分が悪い。債券市場における問題児の例としては、格付けがCCCないしそれ以下の米社債や、ハイイールド・バンクローンなどが挙げられる。

2. 人気が集中した投資対象を避ける: 過去10年間、特に世界金融危機以降の長期にわたる株式の強気相場の後は、特定の投資対象に人気が集中することが大きな問題となってきた。投資家は高配当株など人気の高い分野に群がる傾向があるうえ、パッシブ投資の拡大はそうした割高な取引に幅広い投資家が参加することを意味する。さらに、パッシブ投資を行うことは、市場の好ましい部分もあまり好ましくない部分もすべて保有することを意味するため、ある部分に何らかの問題が生じた場合、広範に売りが膨らむ可能性がある。そのような時、混雑した投資対象から多くの投資家が逃げ出そうとすれば、退却コストが高くつく恐れがある。

3. 流動性を理解する: 世界金融危機以降、流動性はホットなトピックとなってきた。市場の流動性が干上がると、取引が困難になる場合がある。しかし、それは投資家にとって、流動性の低い資産への投資を通じて高いリターンを得る機会を生み出すことにもなり得る。その観点から、ABでは債券市場に最も顕著な投資機会の一つがあると考えている。債券投資家にとって、流動性の低下に備えつつ流動性の低さがもたらすプレミアムを獲得する方法を理解することは、金利やクレジット市場の変動をうまく乗り切っていくのと同じくらい、あるいはそれ以上に、重要なことである。

4. アクティブ運用を諦めない: ボラティリティの低下や銘柄間格差の縮小が進む中、アルファの追求機会が減少したため、近年アクティブ運用は逆風に直面してきた。そして、パッシブ型の投資が一段と広がるのに伴い、市場が効率性を高めたり価格発見機能を発揮したりすることが難しくなっている。しかし、それは一方で投資機会を生み出している。投資家がアルファを追求するには何が必要なのだろうか? アルファがこれまでと異なる所から、また異なる方法で得られるのだとすれば、それはどのような形だろうか?

5. 再浮上する新興国市場を見直す: 過去数年、先進国の株式市場が全般的に好調なパフォーマンスをあげる一方で、新興国市場は逆風に直面してきた。米国よりも高い金利を求めて新興国市場に向かっていた資金の流れは逆転し、これが新興国の通貨、株式、債券市場に影響を及ぼしている。2016年は、力強い相場の回復と米国の大統領選を巡る不透明感が重なった。新興国市場には投資機会も存在するが、それを捉えるには、そして先進国の政策が生み出す勝者と敗者を見分けるには、選別的なアプローチがますます重要になっている。

6. オルタナティブ2.0(次世代のオルタナティブ)を取り込む: オルタナティブ投資は伝統的な株式や債券に比べ、アルファへの依存度が高く、ベータへの依存度が低い傾向がある。オルタナティブ投資は長期にわたり好調なパフォーマンスをあげてきたが、近年のベータ取引の盛況が状況を反転させた。アルファの獲得が難しく、リターンの源泉としてベータへの存在感が高まったためだ。今後数年間、市場のボラティリティが再度高まり、銘柄間格差が拡大すれば、アルファの創出に長けたポートフォリオがアップサイド/ダウンサイド・キャプチャー・レシオを高めることができそうだ。

7. 世界のトレンドを味方に: マクロ経済の変化を始めとするグローバルな動向が資本市場を揺るがし、経済や産業に影響を及ぼし、究極的には投資家のリターンをも左右する。現在、そうした大きな変化の一つはポピュリズムの台頭と、それが政府の政策や多くの主要国にもたらす作用である。他にも、中国の経済成長や債務に関する懸念、あるいはテクノロジーの進化やエネルギーの生産動向、世界貿易の減少が世界の経済システムに及ぼす影響などが挙げられる。そうした変化やその影響は極めて大きい。

 

Japan’s Venture Capital Industry

某ベンチャーキャピタルのインターンの面接に行ってきた。日本に来たら一番ひどかった面接でした。向こうは終始「あなたは何しに来た」「あなたに興味何で一滴もない」ような顔をしてた。10分にもならずで退場。最後エレベーテーのところで日本慣例のみんな頭をさげる時、そういう時礼儀なんでマジ皮肉だな私はそう思った。

二度と思い出したくない経験でしたが、一応事前に日本のベンチャーキャピタルに関する情報をネットで収集したので、ここで一旦記録する。ただ今までベンチャーキャピタルに応募した経験は数多くないが、ほとんどいい印象は残してないので、多分今後この業界は見送るしか出来ないと思う。(お前がそう言ってる立場か/)

まずはhttp://www.turnyourideasintoreality.com/このサイトの三つまとめ

1。日本のベンチャーキャピタル(VC)さんをまとめてみた(2016.6.8更新)

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まず日本では大方にVCと事業会社に分けられる

VC:スタートアップへ投資は大部分がこのVCから行われています。スタートアップに投資することを仕事にしていますが、彼ら自身のお金をかけている部分はごくわずかで、大部分は投資家から集めたお金を分散投資しています。2011年頃から立上げすぐのスタートアップへ投資するVCが増えた事でプレイヤーが増加。

事業会社:ヤフーや楽天などのインターネット系企業だけでなくフジテレビや伊藤忠商事までさまざまな会社にベンチャーキャピタル部門や子会社があったり、ベンチャーキャピタルのファンドに投資していたり、と大企業は実はいろんな形でスタートアップと関わっています。投資したり提携したり買収したりと意外と身近なのが事業会社であります。

投資規模について:ベンチャーエンタープライズさんがまとめたデータによると2012年4月から2013年3月末までの間に、行われたベンチャーキャピタル(VC)等によるベンチャー企業への投資件数は824件、投資額は1026億円(うち59.5%がIT、シード+アーリーが 57.8%)だそうです。

-> 超大型案件の存在を考えだら、平均多分一件1億以下程度だろう

収益について:ベンチャーに投資して投資の運用益で食っていると思われがちなベンチャー・キャピタルのお仕事は意外にもファンドの固定手数料が食い扶持のメインなビジネス。だいたいファンド総額の0.5-3.0%/年くらいだそうで、これと別に成功報酬があって、こちらは20%くらいとか。管理報酬が3%/年の場合、投資家が投資した10億円から管理報酬10年分の3億円を引いたファンドの原資7億円について10年で43%以上の利益をなければファンドに投資した投資家としては赤字です。また、VCさんから見ると、10年で260%の運用益を出さなければ(7億を25.2億にしなければ)成功報酬が管理報酬を上回ることはありません。

-> これを見るとVCさんの立場からすると成功報酬も重要ですが、成功実績をためて次のファンドを大きくすることで管理報酬を得る方がVCさんの「経営的には」重要だったりするんじゃないか。

 

2。起業したてのシードスタートアップに投資する日本のVC(シードアクセラレーター/インキュベーター)さんをまとめました

この記事に載っているVCさんは起業してすぐ、もしくは会社設立前の「シード」と呼ばれる設立前/設立直後のスタートアップに投資するVCさん、通称「シードアクセラレーター/インキュベーター」について書きます。

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EXITは主に2つの時です。1つめは株式公開(IPO、上場)をした時。もう一つは大きな会社に「買収」されることになって株を買収する側の会社に買い取ってもらう時です。

そしてVCさんが設立しているファンドには期限があり、だいたい10年です。

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古いですが中小企業庁のこちらのデータを見ると会社の設立登記数及び会社開廃業率の推移を見ると年間10〜20万件の会社設立があることが分かります。このうち情報・通信が6〜8%くらいとのことなので一番多く見積もってしまうと約1.6万社が毎年IT系の会社として設立されるわけです。となると、ランダムに投資して回収しようとするとかなりの難問ですね!超乱暴に言ってしまうと16000社の中からEXITする16社を見つけなければならない。「IT企業作りました!」という起業家1000人に会って、ようやく1社みつかる計算です。(営業日ベースで1日5社と会えばEXIT出来る1社を見つけられる、と言えるかもしれませんが。)

-> 「EXITする可能性の高い会社を探す」という切り口で考えると、まだプロダクトもなくてユーザーもいなくて売上もない利益もないというスタートアップよりも、既にユーザー数も売上も利益も大きくなってどんどん成長が加速していて、「上場企業と同等の力があると数字が示している」会社に投資する

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投資時期にとってEXIT確率と利益率が異なるため、スタートアップへの投資はいくつかフェーズに分かれます。シード、アーリー、ミドル、レイターと分けたり、アメリカだとシリーズA、B、C、D…と言う場合もあります。

実は、ベンチャーキャピタルのファンドへのお金の出し手のも事業会社がほとんど。これは、アメリカのベンチャーキャピタルは401kなどのファンドからファンドへの投資(Fund To Fund)が基本であることと比較すると少し違う様相のようです。

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(VC協会としては資金量を増やしたいものの、日本の場合、まだ機関投資家の資金がほとんど国内のVCに来ていないという現実があると言う。アメリカでは年金基金が運用資産の5〜10%をVCなどのプライベート・エクイティーと呼ばれるリスクマネーに割り当てている一方、日本ではこの部分が発展途上であり、ことVCに至ってはほぼゼロというのが現状だ日本のスタートアップ投資はバブル? JVCA会長に就任した仮屋薗氏に聞く

事業会社がスタートアップに投資するメリット・デメリット

メリット1:投資したスタートアップがIPOする、またはM&Aされることにより発生するキャピタルゲイン

本来なら事業会社はキャッシュが余っている場合には自社の事業に再投資していくべきなのですが、「既存事業ではもうこれ以上コストをかけても費用対効果が悪い」+「投資に値する社内新規事業案に投資し尽くした」場合にはキャッシュを遊ばせることになるので、債権、株式/ファンドを含む金融商品に投資して利益を出そうとします。その一部としてVCファンドに投資することがあります。VCファンドに出資するのと違うのは、事業会社は自社のお金を使って投資するのでキャピタルゲインは100%自社の利益に転換する部分です。

しかしここには落とし穴があって、イケてるスタートアップを探すのは大変(募集・選定コストがかかる)ということ。また、VCよりも門をくぐるスタートアップが少ないためにフィルタが甘くなってしまう可能性があるということです。(この辺りは、人材紹介の業界に少し似ていますね。人材紹介会社へのフィーを考えると自分の会社でダイレクトリクルーティングを行った方が安くつきますが、それを実行するリソースも無いのでアウトソースするイメージです。)

メリット2:社内リソースが新規事業/新規領域に割けないので外部の会社に投資することでリソース不足をカバーする

キャッシュが余っていても新規事業にリソースが割けない一番多いケースは、「既存事業にエース級人材を張り付ける必要があり、新規事業にエース級人材が回せない」というケースですよね。そんな時、スタートアップへの投資をすることでリソース不足を解消することが出来ます。スタートアップ側の交渉力と、事業会社側のスタートアップエコシステムへの理解度によって投資決定率が変わってくるかなと。

(インターネット広告大手のオプトは今後3年以内に150億円をベンチャー各社へ出資する。クラウドやネット広告に関する技術を持つ企業が対象。1社当たり数千万円から3億円程度で、原則として51%以上を出資する。出資後には人材も送って経営支援し、数年後の株式上場を目指す。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO75170310S4A800C1TJC000/)

メリット3:社内からは出てこない/社内ではできない新規事業案への投資(R&D)

社内で新規事業を考えたいがなかなか社内から良いアイデアが出てこない場合に、社外のスタートアップに投資することでR&Dを外出しするイメージで投資することも考えられます。また、既存事業での競合企業も顧客にしていく必要があるような事業というのは社内事業ではスケールできないので「社内だとやりにくいけど、社外の会社に投資する形なら参入できるな」という考え方も出来るかと思います。

メリット4:既存事業とのシナジー

事業提携がベースの投資ではスタートアップに投資し強めの事業提携をすることで既存事業の成長を見込む投資もあります。例えばプラットフォーマーがアプリケーションの提供企業と事業提携する場合なんかはまさにこちらの目的に当たります。

メリット5:買収も視野にとりあえず出資して様子を見つつ、あとで買収(または競合に投資されるのを防いでおきたい)

競合に先にその分野のスタートアップに投資されるのは防ぎたい場合には「次の出資を受ける際に競合から受けるくらいならウチから投資させてよ」という投資契約で縛ることでこの目的は達成することが出来ます。

デメリット:イケてるスタートアップを探すこと、投資することに実際の投資の他にもコストがかかる事業会社がVCファンドへの投資をしている理由の1つはこの辺にあるんだと思います。”イケてる”、つまり投資対象として確度が高そう&大きくなりそうなスタートアップを探すのはかなり時間がかかりますし、そのための自社のリソース(ヒト・モノ・カネ)を継続して使っていくことは大変です。

 

3。スタートアップに積極的に投資をしている事業会社(CVC)まとめ:金融系、独立系だけがVCだけじゃない、実は事業会社こそが日本のベンチャーエコシステムのお金の出し手だ!

事業会社が投資を行う場合は自社の資金を使って直接投資活動を行うことも多いです。ファンドを組成し、自社のお金以外に外部投資家からも出資を募る場合もあります。投資だけを行う子会社を作ることが多く、その子会社がコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれます。

事業会社本体からの投資の場合、多くの企業では金額の多寡に関わらず取締役会での合意が必要になると思います。しかし、取締役会は毎週のように開催するものではありません。定例では多くても月1くらいのものではないでしょうか。臨時で開催してもいいのですが、大きな会社では社外取締役の方もいたり、会社に常時いない取締役もいるので臨時取締役会を開催するのはスケジュール調整が大変です。「数百万、数千万円の投資で取締役会を通すなよ」という方もいらっしゃるかもしれません。クリティカルなのは「次の取締役会」まで投資判断が遅くなってしまうと、1ヶ月でものすごい成長をするスタートアップへの投資機会を逃すばかりかスタートアップ的にも1~数か月も投資判断を待つのは酷(というか普通にキャッシュアウトしてる可能性もあります)です。

なので、大企業が投資をスピードアップするには投資子会社を作って、「この枠内なら子会社の権限で投資してOKだよ」というルール作りをするんですね。これにより投資をスピーディーに行うことができます。

 

このまとめ以外、VCの基本はこのPPTにも参照できる

VCファンディングの基礎 from Reiji Yamanaka

またVCの分類法として、ベンチャーキャピタル90選!のような

-アクセレレーター・インキュベーター系
-独立系VC
-CVC(事業会社系)
-金融機関系
-政府系

という分類方もある。

またこの文章はVCを意識した事業計画作成の参考について2つの記事を推薦する

起業前に知っておくべき!事業計画書で失敗しないための5つの注意点 | Find Job ! Startup
実際に活躍するベンチャーキャピタリスト書いた事業計画作成のポイント解説記事です。
ベンチャーキャピタリストに響く、投資をしたいと思わせるポイントが掛かれています。

ネットで見れる企画書!3億3000万円を調達した「nanapiの事業計画書」を公開します。 | Find Job ! Startup
nanapiが資金調達をした際の実際の事業計画書が見れます。投資を引き出した成功例として貴重なサンプルだと思います。いくら本やインターネットで、事業計画の書き方を勉強しても、実物を見ないとイメージがわかないでしょう。

 

最後は、ベンチャーキャピタリストへの道このブログの体験談が結構実用的なと思うので、いくつのを転載する。

VCになって思うこと

ネットワーク命

少なくとも初期のVCにとって、よい起業家、企業をいかに見つけるか、リーチできるか。これがほぼすべてと言って過言ではない。そのためにネットワークに入る、作ることが必要になる。VC同士のネットワークだ。おそらく50人もいないのではないだろうか。

ある企業が10億円ほしいとして、特定のVC単独で全額ということはあまりない。その場合自分は5億円で残り5億円をどこかほかのVCに参加ほしいとして、声をかける。ここで声をかけてもらえるかだ。

ハンズオンしているところはほぼない

VCになる前はVCはハンズオンしてなんぼ、と思っていた。しかし、ハンズオンをやってるところは思ったほど少ない。だからダメだというわけではなくそれほどハンズオンが求められていない印象(できない、期待されてないというのが実態だろうか)。実際にハンズオンしてるのは、シード期に最初に入ったVCなりインキュベーターあたりのみ。シリーズA以降のVCはほとんどハンズオンしていない。理由は、やるとしても初期のVCが率先して行っているし、でかいVCは抱えている案件が多くてできない。

最新情報に触れられるのは面白い

面談でもちろんすべてではないが、けっこういろいろ話してくれる。それが面白いし勉強になる。いけないことだが、投資的にきびしいかな、と思ってもとりあえず連絡してみていろいろ情報収集してもいいかもしれない。例えば人工知能のように、なんか面白そうだけど普通のVCはよく分からない、という分野があったとき、小さい額をばらまいて情報収集しそれから良さげなところに思いっきり投資する、というのはいいかもしれない。

資本政策はやはり重要

最近良い企業なのに株価が高すぎて見送ったケースがあった。その株価は前のラウンドで投資したVCが決めた価格だった。それが高すぎた。そのためIPOしても大したリターンが望める可能性は低く見送った。

起業家にとって高い株価で評価されるのは良いことに思うかもしれない。シェアも維持できるす。しかし、このようにあらたな資金ニーズがあった場合に障害になってしまう。

また、よくわからない投資家に投資してもらうのも良くない。VCが投資検討するとき当然既存の株主リストを見る。そこに変な名前があると躊躇してしまう。EXIT時の障害になってしまうからだ。低い株価でもいいから投資してくれると言われても素性がよくわからない投資家は避けたほうが無難。

VCがベンチャーの何を見て投資しているか

ビジネスプラン

まずは、もちろんこれ。その企業がどんな事業を行っているか。ただちょっと意外だったのは市場規模が〜億円だから、・・・ってことではなくて、ニーズがわかりやすいとか、プランの説明が筋が通ってるとか、そして市場が大き「そうか」という非常にゆるかった。

たぶんこれは、市場規模や競争のポイントなど詳細に分析しても予想外のことが起こりすぎて過去の分析があまり意味をなさないし、時間・労力の無駄、ということだろうと想像。しかし、これはよくない。自分はちゃんとやろ。ただベンチャーの人はプランを説明するとき「事業のわかりやすさ」はとても大事なのでそこの説明は手を抜かない方がいいと思われ。

経営者・経営チーム

経営者の何を見るかというと、ずばり経歴。まともな大学、大企業に勤めてるとポイント高い。なぜかというと、基本スペックが優秀かどうか、ホウレンソウなどビジネスの基本ができるか、が担保されやすいからだ。

もし、ピカピカの経歴をもってなくて起業する場合、経営チームで担保すればいい。また、やろうとしてる事業、または同業界に詳しい専門家はチームにいれた方がいいと思う。大学中退して起業!みたいな若者は(よほどのキラー技術がないかぎり)ここはなんとかした方がいいと思う。

既存株主

ここは意外だった。過去のラウンドで投資をした投資家の中に聞いたことがないような投資家がいると、ちょっとネガティブ。もちろん親戚だったり、過去にお世話になった人だったり合理的な説明ができるならいいけど。

exitのとき変なこと言ってきたりしないか、変な契約結んだりしてないか、反社だったりしないか、など新たな投資家はいろいろ考えてしまう。まともなエンジェルや銀行、VCからNGもらったからと言ってよくわからない投資家から投資を受けるのではなく、そもそもなんで投資を断られたか、を考えた方がいいと思う。

過去のラウンドの株価

これでよい案件だったけど見送った案件がさっそくあった。過去のラウンドで高目の株価で投資されていた。そして増資のタイミングでそれに見合う結果がでていればいいが、それが出来ていない場合少なくともその高い株価で増資するかどうかを決めなくてはならない。株価を下げるのは余程のことだし、やはりめんどくさい。経営陣はシェアを維持したい気持ちもわかるが、その結果増資が困難になり成長機会を逃して時価総額をあげられないのでは本末転倒だ。

Clarity of Purpose 事業の目的がはっきりしていること
Large Markets 市場が大きいこと。
Rich Customers リッチな顧客層
Focus 顧客の購入する価値のあるものを生み出すことに集中
Pain Killers 顧客の差し迫った問題、ニーズを解決する策を提供せよ
Think Differently 一般的な考え方から脱せよ
Team DNA 企業のDNAは最初の90日間で決まる。優秀なチームであれば、優秀な人をひきつける
Agility 機敏であること。
Frugality 倹約せよ。
Inferno 少ない資金で始めよ。それによって規律よ集中力が生まれる。

M&A EXIT

国内のVC投資のEXITのほとんどはIPOだという。これは、マザーズという上場しやすい?市場があるおかげだろうか。しかし、それにしても事業会社による買収(M&A EXIT)の絶対数が少ない気がする。これは問題だろうか。

IPO時の平均時価総額は100億円程度だろうか。これに対して、M&AEXITは、米国でも50億円程度、日本では20億円程度らしい。米国では、このM&Aが相対的に非常に多い。これが投資する側のVCにとって非常に意義がある。マザーズがある日本でさえ、IPOに耐えうる、品質、規模になるのはなかなか難しい。そして時間がかかる。しかし、M&Aの場合は、IPO水準に未達している企業も対象になる(M&Aの一番の理由が人材獲得)。つまり、M&AEXITがあることで、VCのEXIT数が増えることになる。10件の投資先のうちIPOが3件で残り7件がロスになっていたものがプラス3件M&AEXITとなれば、全体のリターンは当然良くなる。

なぜ、日本ではM&AEXITが少ないか。

■買い手側(大企業、事業会社)

・慣れていない
・買収後にどう経営すればいいかわからない
・どんなベンチャーがあるか知らない
・買収しても人材が辞めてしまうかもしれない
・失敗を過剰に怖がる

■売り手側(ベンチャー、VC)

・大企業の担当者と知り合いでない
・IPO重視
・大企業のお作法になれてない 過剰に嫌う
・売り込みが足りない
・手間がかかる(買い手担当者への説明)

あるVCの人曰く、M&AEXITはラッキーではなく、投資時から想定して投資しているという。投資直後から買い手候補の担当者と飲み会を開くなどしているとのことだ。また、非常に手間がかかるし、IPOよりも相対的に金額が小さくなりがちなので、その手間に見合うリターンを出すために、

・多めのシェアを確保
・安く入る

この2点を徹底しているらしい。加えて、買い手となる事業会社の事業戦略、予算、経営課題を把握しておくことに努力しているとのことだ。

と、ここまで書いたが、グーグル、フェイスブック、ヤフーと言った新しくて・大きな企業がM&A件数に寄与しているのだろう。このような企業はベンチャーの論理をもちろん理解しているし、PMIもうまいだろう。このような企業が日本にまだまだ少ない。候補は、楽天、DeNA、GREE、ソフトバンクなどだろうか。こういう企業がもう少し増えてくるとM&Aは増えてくるかもしれない。こう考えると、VCとして過去に投資してIPOEXITした企業が今度は買い手となると、VCにとって一番やりやすい。EXITしたあとも定期的に連絡をとるなどしないといけないのだろうな。

ファンド全体でリターン出すのはなかなか大変

案件が当たったとか、何倍になったとかVC仲間とよく話すが、ファンド全体で儲かっているのかという観点は、特にサラリーマンVCだと意外と意識しないことが多い。それではよくないということでちょっとシミュレーション。

ファンド総額は50億円。これは、出資者から集めたお金の総額。これが全て投資資金になるかというとそうではなくて、管理報酬が差し引かれた分しか投資に回せない。これは年間2パーセント程度でファンド期間10年間だとすると、ファンド総額の80パーセントの40億円が投資できる金額となる。

投資戦略にもよるが今回は一件あたり数億円投資する場合を考えてみる。平均2億円ちょっとだと、15件くらい投資できる。

ファンドの出資者はVCに対して20パーセントのIRRを期待していると言われる。しかし、実はこれはけっこう高いハードル。10年IRR20パーセントだと、10年で6倍にもなる計算となる。国内でこのくらいのパフォーマンスを出せているのはグロービスくらいだろうか。今回は10パーセントくらいのリターンが出るようなシミュレーションをしてみた。しかし、これでもけっこうきつい。一件あたりまぁまぁの倍率でイグジットできたとしても外れ分まで含めると全体としては大したリターンとはならない。結局いろいろ計算してみたが、いかに数十倍の案件=ホームランを出すか、とよく業界で言われていることがよくわかった。

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Best papers/books in economic history of the last decades

 

To record some good literatures on economic history for check later.

First is  proposes a list of ten papers/works that need to be read (in my opinion) by anyone interested in economic history.

Ten best papers/books in economic history of the last decades (part 1)

Ten best papers/books in economic history of the last decades (part 2)

  • Higgs, Robert. “Wartime Prosperity? A Reassessment of the US Economy in the 1940s.” Journal of Economic History 52, no. 01 (1992): 41-60.
  • Allen, Robert C. The British industrial revolution in global perspective. Cambridge: Cambridge University Press, 2009.
  • Broadberry, Stephen, Bruce MS Campbell, Alexander Klein, Mark Overton, and Bas Van Leeuwen. British economic growth, 1270–1870. Cambridge University Press, 2015.
  • Chilosi, David, Tommy E. Murphy, Roman Studer, and A. Coşkun Tunçer. “Europe’s many integrations: Geography and grain markets, 1620–1913.” Explorations in Economic History 50, no. 1 (2013): 46-68.
  • Olmstead, Alan L., and Paul W. Rhode. Creating Abundance. Cambridge Books (2008).
  • Carlos, Ann M., and Frank D. Lewis. Commerce by a frozen sea: Native Americans and the European fur trade. University of Pennsylvania Press, 2011.
  • Floud, Roderick, Robert W. Fogel, Bernard Harris, and Sok Chul Hong. The changing body: Health, nutrition, and human development in the western world since 1700. Cambridge University Press, 2011.
  • De Vries, Jan. The industrious revolution: consumer behavior and the household economy, 1650 to the present. Cambridge University Press, 2008.
  • Anderson, Terry Lee, and Peter Jensen Hill. The not so wild, wild west: Property rights on the frontier. Stanford University Press, 2004.
  • Vedder, Richard K., and Lowell E. Gallaway. Out of work: unemployment and government in twentieth-century America. NYU Press, 1997.

Then posted his list:

1. Greg Clark’s A Farewell to Alms (though I totally disagree with it, it really grabbed me)

2. Peter Temin’s Roman Market Economy

3. Maristella Botticini and Zvi Eckstein’s The Choosen Few

4. Douglass North, John Wallis, and Barry Weingast’s Violence and Social Orders

5. Ken Pomeranz’s The Great Divergence

 

Also inspired by Vincent Geloso offer a list of the 20-25 books in economic history published since 2000 which he have found most stimulating or provocative.

The most stimulating economic history books since 2000

Moreover, he also has a full-extent Economic History Books page and Economic History Papers page, which is intended to be a list of survey & reference books and papers for the economic history of particular regions or countries, as long as certain topics. The following is the Japan and China part.

China

The very very recent The Economic History of China (2016) by Glahn has no equivalent. There is no other book at the moment which simultaneously contains a readable narrative of the full sweep of Chinese economic history; and reflects recent scholarship both Chinese and international; and covers the major themes and controversies of the historiography in the manner of Elvin’s The Patterns of the Chinese Past (which is now quasi-ancient but still worth reading). Glahn’s book might have dealt a little bit more with the controversies surrounding the revisionism of Pomeranz’s The Great Divergence, which really changed the terms of the debate. But I’m cavilling.

An older overview is Perkins, Agricultural Development in China 1368-1968. Slightly idiosyncratic choice: Bray’s The Rice Economies: Technology & Development in Asian Societies. Lee & Feng, One Quarter of Humanity: Malthusian Mythology and Chinese Realities, 1700-2000 is a demographic and family history of China. Rawski’s Chinese History in Economic Perspective is much more limited in scope than it sounds, but at least it’s free online !

papers:

Long run

  • Deng & O’Brien (2016), “China’s GDP Per Capita from the Han Dynasty to Communist Times”
  • Pomeranz (2008), “Chinese Development in Long-Run Perspective”
  • Brandt, Ma, & Rawski (2014), “From Divergence to Convergence: Reevaluating the History Behind China’s Economic Boom”
  • Deng (2000), “A Critical Survey of Recent Research in of Chinese Economic History.” EHR
  • Ko, Koyama, & Sng (2014), “Unified China and Divided Europe”
  • Bai & Kung (2011), “Climate Shocks and Sino-Nomadic Conflict”
  • Lee & Feng (1999), “Malthusian Models and Chinese Realities: The Chinese Demographic System 1700-2000”
  • Lee, Campbell, & Feng (2002), “Positive Check or Chinese Checks?”
  • Daniel Little on Mark Elvin’s “high level equilibrium trap” {if anyone has a PDF of the original Elvin article that’s been published in several books, I’d appreciate it}
  • Edwards (2013), “Redefining Industrial Revolution: Song China and England”
  • Wright (2007), “An Economic Cycle in Imperial China? Revisiting Robert Hartwell on Iron and Coal”

Early Modern

  • Ma (2004), “Growth, Institutions and Knowledge: A Review and Reflection on the Historiography of 18th-20th century China”
  • Deng (2015), “China’s Population Expansion and Its Causes during the Qing Period, 1644–1911”
  • Baten, Ma, Morgan & Wang (2010), “Evolution of living standards and human capital in China in the 18–20th centuries: Evidences from real wages, age-heaping, and anthropometrics”
  • Moise (1977), “Downward Social Mobility in Pre-Revolutionary China”

the Great Divergence

  • Pomeranz (2002), “Political economy and ecology on the eve of industrialization: Europe, China, and the global conjuncture” [ungated]
  • Brenner & Isett (2002), “England’s Divergence from China’s Yangzi Delta: Property Relations, Microeconomics, and Patterns of Development” [a critical analysis of Pomeranz’s The Great Divergence]
  • Huang (2002), “Development or Involution in Eighteenth-Century Britain and China? A Review of Kenneth Pomeranz’s ‘The Great Divergence: China, Europe, and the Making of the Modern World Economy‘”
  • Allen et al., “Wages, prices, and living standards in China, 1738–1925: in comparison with Europe, Japan, and India” http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1468-0289.2010.00515.x/full
  • Allen, “Agricultural productivity and rural incomes in England and the Yangtze Delta, c.1620–c.1820” http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1468-0289.2008.00443.x/full
  • Li & van Zanden (2012), “Before the Great Divergence? Comparing the Yangzi Delta and the Netherlands at the Beginning of the Nineteenth Century”, also see van Zanden’s VoxEU’s summary
  • Bernhofen, Eberhardt, Li & Morgan (2016), “Market disintegration as a pre-cursor to the Great Divergence”, which summarises their papers (12)
  • Ma (2011), “Rock, scissors, paper: the problem of incentives and information in traditional Chinese state and the origin of Great Divergence”
  • Greif & Tabellini (2010), “Cultural and Institutional Bifurcation: China and Europe Compared”
  • Greif & Tabellini (2017), “The clan and the corporation: Sustaining cooperation in China and Europe”

Republican China

  • Ma (2008), “Economic Growth in the Lower Yangzi Region of China in 1911-1937: A Quantitative and Historical Analysis”
  • Horesh (2009), “The pendulum swings again: recent debates on China’s prewar economy”

Modern

  • Meng, Qian & Yared (2015), “The Institutional Causes of China’s Great Famine, 1959–1961”
  • Li & Yang (2005), “The Great Leap Forward: Anatomy of a Central Planning Disaster”
  • Yao (1999), “The Chinese Economic Miracle”
  • Xu (2011), “The Fundamental Institutions of China’s Reforms and Development”
  • Naughton (2017), “Is China Socialist?”

 

Japan

Given Japan’s status as the premier non-Western late industrialiser, there should be more books on Japan’s economic development with updated research. An ideal volume would start from the late Tokugawa period with Japan’s own version of the “industrious revolution” and the Meiji Restoration. It should also cover not only Japan’s pre-war industrialisation but also assessments of Japan’s post-war industrial policy and state planning (as described by Chalmers Johnson). Some books with various shortcomings:

Papers:

  • Bassino et al. (2015), “Japan and the Great Divergence, 725-1874”; also see the VoxEU column
  • Morillo (1995), “Guns and Government: A Comparative Study of Europe and Japan”
  • Saito (2005), “Pre-modern economic growth revisited: Japan and the West”
  • Sugihara (2004), “The state and the industrious revolution in Tokugawa Japan”
  • Saito (2010), “An industrious revolution in an East Asian market economy? Tokugawa Japan and implications for the Great Divergence”
  • Koyama, Moriguchi, & Sng (2015), “Geopolitics and Asia’s Little Divergence: A Comparative Analysis of State Building in China and Japan after 1850”
  • Saxonhouse (1991), “Economic Growth and Trade Relations: Japanese Performance in Long-Term Perspective”
  • Tang (2016), “A tale of two SICs: Japanese and American industrialisation in historical perspective”
  • Nicholas (2011), “The origins of Japanese technological modernization”
  • Ma (2004), “Why Japan, Not China, Was the First to Develop in East Asia: Lessons from Sericulture, 1850–1937”
  • Braguinsky & Hounshell (2015), “Spinning Tales about Japanese Cotton Spinning: Saxonhouse (1974) and Lessons from New Data”
  • Tang (2011), “Technological leadership and late development: evidence from Meiji Japan, 1868–1912”
  • Jorgenson & Nomura (2007), “The Industry Origins of the U.S.-Japan Productivity Gap”
  • Fleitas (2016), comment on “Effects of Industrial Policy on Productivity: The case of import quota removal during postwar Japan”

 

The British Industrial Revolution

The current major views

  • Kelly, Mokyr, & Ó Gráda (2014), “Precocious Albion: A New Interpretation of the British Industrial Revolution” {the human capital perspective}
  • Mokyr (2005), “The intellectual origins of modern economic growth”
  • Allen (2015), “The high wage economy and the industrial revolution: a restatement” [ungated]
  • Allen (2011), “Why the industrial revolution was British: commerce, induced invention, and the scientific revolution”; also see his VoxEU column
  • Crafts (2010), “Explaining the first Industrial Revolution: Two Views”
  • Ó Gráda (2016), “Did Science Cause the Industrial Revolution?” [ungated]
  • Clark (2014) “The Industrial Revolution: A Cliometric Perspective” (from Handbook of Economic Growth, Volume 2)
  • Clark (2001), “The Secret History of the Industrial Revolution”
  • Engerman & O’Brien (2004), “The industrial revolution in global perspective”
  • O’Brien (2010), “Ten Years of Debate on the Origins of the Great Divergence”
  • O’Brien (2006), “Provincializing the First Industrial Revolution”

{…subheading…}

  • Mokyr (2005), “Long-Term Economic Growth and the History of Technology” (from Handbook of Economic Growth) {ungated}
  • Bruland (2004), “Industrialisation and technological change”
  • Crafts & Harley (1992), “Output growth and the British Industrial Revolution: A Restatement of the Crafts-Harley view”
  • Berg & Hudson (1992), “Rehabilitating the industrial revolution” {ungated}
  • Temin (1997) “Two views of the British Industrial Revolution”
  • Wrigley (2013), “Energy and the English Industrial Revolution”
  • Crafts (1977), “Industrial Revolution in England and France: Some Thoughts on the Question, “Why was England First?”

Older surveys still worth reading

  • Mokyr (1998), “The Editor’s Introduction: The New Economic History and the Industrial Revolution” (also see Kevin Bryan’s post on this)
  • Inikori (2000) “The English Economy in the Longue Durée, 1086–1850”
  • Inikori (2000) “A Historiography of the First Industrial Revolution”
  • McCloskey (1994), “The Industrial Revolution 1780-1860: A Survey”
  • McCloskey (1981), “The Industrial Revolution 1780-1860: A Survey”

Preindustrial England

  • Campbell (2010), “Nature as historical protagonist: environment and society in pre-industrial England”
  • Allen (2008) “The Nitrogen Hypothesis and the English Agricultural Revolution: A Biological Analysis”
  • Stephenson (2016), “How (much) were British workers paid ? Evidence beyond wage rates”
  • Clark & Cummins (2009), “Urbanization, Mortality, and Fertility in Malthusian England”
  • Allen (2008), review of Clark’s A Farewell to Alms { imo the best parts are the critique of Clark’s neo-Malthusianism and view of institutions }
  • Clark & Hamilton (2006), “Survival of the Richest: The Malthusian Mechanism in Pre-Industrial England”
  • Galofre-Vila et al. (2017), “Heights across England in the last 2000 years”

{….sub-heading…}

  • Allen (2009), “Engels’ pause: Technical change, capital accumulation, and inequality in the British industrial revolution” {I might also list Clark’s opposing view, but I think Allen really clinches the case with this paper}
  • Clark (1994), “Factory Discipline”
  • Gallardo (2016), “British well-being 1780-1850: Measuring the impact of industrialisation on wages, health, inequality, and working time”
  • Humphries (2012), “Childhood and child labour in the British industrial revolution”
  • Mokyr (1977), “Demand vs. Supply in the Industrial Revolution”
  • Bruland & Smith (2013), “Assessing the role of steam power in the first industrial revolution: The early work of Nick von Tunzelmann”
  • Howes (2016), “The Improving Mentality: Innovation during the British Industrial Revolution, 1651-1851”
  • Clark, O’Rourke, & Taylor (2014), “The growing dependence of Britain on trade during the Industrial Revolution”

Open Fields & Enclosures

  • Allen (2001), “Community and Market in England: Open Fields and Enclosures Revisited”
  • Clark (1998), “Commons Sense: Common Property Rights, Efficiency, and Institutional Change”
  • McCloskey (1995), “Allen’s Enclosure and the Yeoman: the View from Tory Fundamentalism”

 

Institutions: Dominant Views

  • North, Wallis, & Weingast (2006), “A Conceptual Framework for Interpreting Recorded Human History”
  • Engerman & Sokoloff (2000), “Institutions, Factor Endowments, and Paths of Development in the New World”
  • Acemoglu, Johnson & Robinson (2005), “Institutions as a Fundamental Cause of Long-Run Growth”

Institutions: Sceptical Views

  • Ogilvie & Carus (2014), “Institutions & Economic Growth in Historical Perspective”
  • Ogilvie (2007), “‘Whatever Is, Is Right’? Economic Institutions in Pre-Industrial Europe”
  • Iyigun (2012), “Are We There Yet? Time for Checks and Balances on New Institutionalism”
  • Irigoin & Grafe (2012), “Bounded Leviathan: or why North and Weingast are only right on the right half”
  • Vollrath (2014) “The Skeptics’ Guide to Institutions” (4 parts)
  • Glaeser et al. (2004), “Do Institutions Cause Growth?”
  • Clark (2007), review of Avner Greif’s Institutions & the Path to the Modern Economy

Effective states

  • Johnson & Koyama (2016), “States and economic growth: Capacity and constraints”
  • Dincecco (2015), “The Rise of Effective States in Europe”
  • Bardhan (2016), “State and Development: The Need for a Reappraisal of the Current Literature”

Informal Institutions

  • Alesina & Giuliano (2015), “Culture & Institutions”
  • Greif (1994), “Cultural Beliefs and the Organization of Society: A Historical and Theoretical Reflection on Collectivist and Individualist Societies”
  • Greif (2000), “The fundamental problem of exchange: A research agenda in Historical Institutional Analysis”
  • Greif (2006a), “Family Structure, Institutions, and Growth: The Origins and Implications of Western Corporations”
  • Greif (2006b), “The Birth of Impersonal Exchange: The Community Responsibility System and Impartial Justice”
  • Greif (2008), “Coercion and Exchange: How did Markets Evolve?”
  • Schultz (2016), “The Churches’ Bans on Consanguineous Marriages, Kin-Networks and Democracy”
  • Greif & Mokyr (2017), “Cognitive rules, institutions, and economic growth”

 

ITOCHU: Large trading firm in Japan

面接の準備のため、今回は日本の商社を見てみようと思う。商社で聞いた途端、思い出したのは去年伊藤忠が空売りファンドに攻撃された件である。それで、当時のレポートと伊藤忠のIR資料を使って、日本の商社セクションを垣間見よう。

グラウカス・リサーチは伊藤忠商事株式会社のレーティングを「強い売り推奨」としてカバレッジを開始しています

東芝は会計手法を意図的に操作し、2008 年度から 2014 年 度にかけて税引前利益を計1,518 億円水増ししていた

伊藤忠は2016 年 3 月期に大手の三井物産や三菱商事を抜いて、日本の商社の中で利益トップの地 位を獲得した(一説は商品相場の大幅下げがもたらした資源ビジネスへの打撃の中、伊藤忠商事における資源分野の痛手が小さかった。伊藤忠の純利益が非資源部門にけん引されており、他の商社が認識した大型減損の影響を同社は受けなかったという誤った認識に基づいて、同社の株価は競合を上回るに至った。)/岡藤正広社長の就任以来、伊藤忠の当期純利益は 87%増加している(2010~2016 年 3 月期)。

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<- 伊藤忠商事株式会社は同じく財務報告の訂正と不正会計が存在する:

1。伊藤忠はコロンビアの炭鉱に対する出資持分の価値が著しく下落していたにもかかわらず、不適切な区分変更によって 1,531 億円相当の減損損失の認識を意図的に回避し、2015 年 3 月期の当期純利益を過大報告したと考えている。この点を訂正しただけで、伊藤忠の当期純利益(3,006 億円)は 51%減の 1,475 億円となったはずである。

2。伊藤忠が CITIC を持分法適用関連会社とし、その利益を連結会計に取り込むことは認められるべきでないと考えている。CITIC は中国政府によって運営され、議決権の過半数を保有されている。つまり、伊藤忠が CITIC の戦略、運営、方針決定に何らかの重要な影響 を及ぼせる可能性は極めて低い。CITIC を連結会計から除外することは、伊藤忠の純利益見通 しが 20%減少することを意味する。

3。また、中国食品・流通大手の頂新に対する非支配株主持分の区分変更に伴い認識された 600 億円の特別利益について、この利益が発生したタイミングと投資先の収益性低下に照らし て、強い疑念を抱いている。2015 年 3 月期の期末わずか 4 週間前になって、伊藤忠が奇跡的に 600 億円の特別利益を発見したことは、期初計画を 600 億円未達となることが見込まれた時期 であったことと考え合わせると弊社には信じがたいことに思われる。

 

具体的には:

1。2011 年 10 月、伊藤忠は米鉱業大手 Drummond Company 傘下でコロンビア炭鉱事業を保有・運営・管理する企業 Drummond International, LLC(「ドラモンド JV」)の株式 20%の取得を発表した。伊藤忠による株式 20%の取得対価は 15 億ドル、取得時の炭鉱事業の評価額は 75 億ドルであった。手続き完了にあたり、伊藤忠はドラモンド JV への出資を持分法適用関連会社への投資と認識した。従っ て、伊藤忠はドラモンド JV の純利益の 20%を自社の損益に取り込むことが可能となった。

2015 年 3 月期には、伊藤忠は貸借対照表上ドラモンド JV に対する持分 1,979 億円を計上していた。しかしこの投資先のパフォーマンスは劇的に悪化していたことにもかかわらず、伊藤忠が減損を認識す ることはなかった。すなわち、純利益を過大に報告していた。

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a) 投資の失敗
伊藤忠による出資のほぼ直後から燃料炭の価格は急落し、2011 年ピーク時の 132 ド ルから 64%下落して 2016 年には 47 ドルに達した。ストライキや運営上の問題が炭鉱における生産を妨げ、事態をさらに悪化させた。2013~2015 年 3 月期にかけて、石炭の生産量は予想された水準を 26%下回っていた。この投資が抱える問題の多さを受けて、ブルームバーグまでもがドラ モンド JV の炭鉱資産の価値は 2013 年時点でわずか 30 億ドルであると発表した。これは伊藤忠の投資時から 60%の下落を意味する。石炭価格はその後も下がり続けた。

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b) 損失認識を回避する手段としての区分変更

2015 年 3 月期第 3 四半期の決算説明会で、伊藤忠の経営陣は「石炭価格の下落や過去のストライキ等々の状況を踏まえ」「投資回収は難しい」と述べた。しかし損失や減損を認識する代わりに、2015 年 3 月期に伊藤忠は不適切にもドラモンド JV に対する持分を「関連会社投資」から「その他の投資」(FVTOCI 金融資産)に区分変更した。さらに、伊藤忠はこの区分変更に伴い連結会計上損失や減損を認識することはなかった。この区分変更は現行の会計ルールに照らして不適切であり、ドラモンド JV の投資の失敗にかかる損失の認識を回避することが唯一の動機である。

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炭鉱が「その他の投資」に分類されてい れば、失敗した投資から生じた損失や減損が、伊藤忠の当期純利益をはじめとする損益や業績見通しに悪影響を及ぼすことはない。

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投資区分を持分法適用関連会社から一般投資に変更する際には、再評価がなされ、損益が認識される。 後に触れるように、伊藤忠は利益を膨らませる必要があったときには、頂新の再評価に伴う利益を認識 している。

c) 重要な影響力テスト
IFRSにおいて、非支配株主としての投資を「関連会社への投資」として連結損益に取り込むか否かは、IAS 第 28 号と「重要な影響力」テストに基づき判断される。IAS 第 28 号のもとで、被投資企業の議決権の 20%以上を保有していれば、重要な影響力を有していると推定され、その投資は原則的に関連会社投資として扱わなければならない。 <- 伊藤忠は 2011 年以来ドラモンド JV の株式の 20% を保有しているため、2012~2014 年 3 月期にかけて、伊藤忠はこのルールに従ってドラモンド JV を関連会社投資と認識していた。

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伊藤忠は複数の正社員をアラバマ州バーミンガムに駐在させ、コ ロンビア炭鉱の「事業管理」にあたらせている。伊藤忠の JV における機能はアラバマに拠点を置くチームに事業管理をさせることであった。 JV における同社の機 能の一つとして、伊藤忠の短期的・長期的物流ノウハウの活用を挙げている。取引の一環として、伊藤忠はドラモ ンド JV で産出した石炭の対日向け独占販売権に加え、親会社のドラモンドと共同で アジア各国の電力会社をはじめとする顧客にマーケティング・販売する権利を獲得した。

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d)会計上の訂正で 2015 年 3 月期当期純利益は少なくとも 1,531 億円減少
いかなる指標に基づい て考えても、伊藤忠の投資は失敗であり、会計ルールに従えば同社はドラモンド JV の帳簿価格 について評価損か減損を認識するべきだった。しかしその代わりに伊藤忠は投資を区分変更した。伊藤忠の 2015 年 3 月期の貸借対照表 におけるドラモンド JV の帳簿価格は 1,979 億円だった。

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伊藤忠は投資の区分変更を行った後、 2016 年 3 月期に、単体財務諸表上のドラモンド JV の価値にかかる約 465 億円の減損損失を計上した。しかし、減損の認識を遅らせていたにもかかわらず、この再評価も伊藤忠の投資の価値下落の規模を完全には認識していないと考えている。

ドラモンド JV を他の石炭企業と比較して、伊藤忠の投資の価値は 2015 年 3 月期時点でわずか 448 億円 だったと推計している。結論として、投資を不適切に区分変更する代わりに、伊藤忠は 2015 年 3 月期に少なくとも 1,531 億円の減損損失を計上するべきだった。伊藤忠の当期純利益は 3,006 億円であるから、この訂正は純利益を実に 51%減らすことになったはずである。

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2。伊藤忠の Brand-new Deal 2017 の主要目標の一つは、「非資源分野を中心とした成長戦略推進による純利 益 4,000 億円に向けた収益基盤の構築」である。この目標に向けて、伊藤忠は 2015 年 1 月 20 日、6,000 億円を投じて香港証券取引所に上場している中国の国有企業 CITIC Ltdの株式 10%を取得した。分析に基づき、伊藤忠は CITICへの投資に持分法を適用して連結会計に取り込むべきではないと考えている。2017 年 3 月期に関して、伊藤忠は 3,500 億円の当期純利益見通しの 20%(700 億円)が CITIC に由来す ると見込んでいることから、利益見通しを大幅に過大報告しただろう。

関連会社の持分に応じた損益を自社の純損益に取り込むことで、収益性、業績、株価を押し上げ ることができるからである。

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a) CITIC の 58.13%を保有するのは、中国政府が 100%株主の CITIC Group Corp. (「CITIC 親会社」)である。 CITIC が中国政府の過半数保有と支配の下にあることに照らして、弊社は伊藤忠が CITIC の方針や財務的な決定に「重要な影響力」を持ち得る可能性は極めて低いと考えている。

b) 伊藤忠は50%保有するジョイントベンチャーを介して CITIC に投資しており、その CT Holdings は CITIC の董事(取締役に相当)2 名の指名権を有している。しかし、実際に指名された董事のいずれも伊藤忠と重要なコネクションを持っているようには思われず(政治人物)、 これが実質的な影響力には当たらないと考えている。CITIC は両社経営陣が「協業について話し合うために 6 カ月に 1 度」 会っていると公言した。さらに、 弊社は、CITIC と伊藤忠の間に重要な取引は存在しないこと、経営層の人事交流もないこと、伊 藤忠から CITIC に対する重要な技術情報の提供もないことを認識している。

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そのため、伊藤忠と CITIC との潜在的なシナジー効果は極めて小さく、伊藤忠の純利益に反映される投資収益率はおそらく 11%に達するだろうが、投資に対する現金収益率は 1.6%にしかならない可能性が高い。伊藤忠がノンキャッシュの利益しか生まない巧妙な組織構造に大量のキャッシュを投じている。

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同社は長期的な純利益目標 4,000 億円を確保すべく、紙上の巨額の 利益を獲得するために、現金収益の少なさというリスクを冒した。

 

3。2015 年 3 月期、伊藤忠は予想外の減損損失を米国のシェール投資 Samson Resources とブラジルの鉄鉱石 企業 NAMISA について計上する必要に迫られたと弊社は推測する。これらの減損は持分法適用会社から期待された利益を一掃し、その結果経営陣は、損失をカバーするための利益を探すこととなったのであろう。 信じがたいことに、経営陣は期末わずか 4 週間前にその利益を発見し、これによって純利益の 20%がもたらされた。この利益の半分以上は、持分法適用関連会社であった頂新を「その他の投資」に区分変更したことによ る。

伊藤忠は 2010 年以来頂新に 18.7%の持分を有していた。保有実態にほとんど変化がなかったにもか かわらず、伊藤忠は頂新株式を保有していたアサヒとの JV を解体し、投資の区分変更を行った。 そのことによってキャッシュを伴わない紙上の特別利益を認識する素地ができた。

(2010 年頂新がアサヒに株式を新規発行した結果、伊藤忠が頂新に有していた 20%の持分は 18.7%に希薄化した。 希薄化に伴い、伊藤忠はアサヒと JV を設立し(74%:26%)、両社の頂新株式を保有させた。プレスリリースによると、JV の目的は大中華 圏市場における食品事業開発のための相互協力であった。しかし、CFI の機能は単なる持株会社にとどま った。それゆえ、CFI 設立の唯一の目的は、伊藤忠が JV を連結対象とし、そのことによって頂新に対す る持分は実質 18.7%であるにもかかわらず、頂新を持分法適用会社として扱うことであったように見える。そして、頂新の利益の持分相当を伊藤忠の連結純利益に取り込むことができた)

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a) 伊藤忠は毎度にわたり期初計画を達成し、同社の説明では利益の大半が非資源分野に由来していることから、日経 225 の優等生と見なされている。しかし財務諸表分析から、同社が 2015 年 3 月期に期初計画を達成できたのは例によって疑わしい「関連会社投資」から「その他の投資」への区分変更から生じた利益のおかげであることを示している。伊藤忠の 2015 年 3 月期の利益計画は 600 億円未達となる見込みだった。

2015 年 3 月期が終わる 4 週間前の 3 月 3 日、伊藤忠は CFI の持分 74%を 1,619 億円で売却し、非現金取引の対価として頂新の株式 17.8%を取り戻した。伊藤忠はその後頂新への投資を区分変更して「その他の投資」とし、特別利益約 605 億円を投資の評価益として計上した。

頂新の収益性は伊藤忠が出資後最初に持分法を適用した 2010 年 3 月期第 1 四半期から 低下している。

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伊藤忠がおそらく、利益の少なくとも 一部については Tingyi 株式の取得日と区分変更日の間に生じた株価上昇を根拠として計上したのであろう。税引後の特別利益(605 億円)が伊藤忠の期初計画達成のために不足していた 600 億円の穴を埋めるため会計ルールを操作している。

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*総合商社の目標と減損損失

かつて名を馳せた日本の総合商社は、コモディティー価格の下落や海外投資の失敗による多大な打撃を受けてきた。他の商社と類似するビジネスモデルを持ち、同じ困難な環境とコモディティー価格に直面しているにもかかわらず、伊藤忠は今まで他社のような巨額減損を概 ね回避してきた。実際、伊藤忠 は 2016 年 3 月期に初めて、日本の5大商社の中で当期純利益トップを達成した。

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伊藤忠の計画を達成する並外れた能力は、実際には減損損失を除く投資関連の特別利益や割安な買収案件の目立った増加に支えられている。これらの大半はキャッシ ュを生まない特別利益である。そのような利益の 83%が 2015 年 3 月期と 2016 年 3 月期に発生している。同社が必要な減損損失の認識を不適切に遅らせたり、 投資の損失処理を完全に回避したり、減損を任意のオプションと見なして いる。

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IFRS における減損の扱いはしたがって米国会計基準よりも厳しく、一般的には企業がより早く減損を認 識することを要求する。市場価値の下落や市場・経済状況の悪化といった IFRS における減損の兆候には、 コモディティー価格の下落も含まれる。それが、三井物産や住友商事といった伊藤忠の競合にあたる日本の総合商社が 2015 年にコモディティー価格の下落を受けて巨額の減損損失を出した理由である。伊藤忠は一部減損を認識したが、弊社は同社 がもっと多く認識するべきだったと考えている。

 

*伊藤忠について

伊藤忠は総負債/EBITDA 倍率が 9.29 倍、総債務/総資本比率が 57%と、レバレッジが高い状態にある。2011 年以来、投資家から、社債を通して約 3,170 億円の資金を調達してきた。債権者は伊藤忠の純利益成長に相当の信頼を抱いており、伊藤忠がより多くのフリーキャッシュフローを生み出すことに期待している。

しかし、 このレポートの中で弊社が詳細に示したように、伊藤忠の利益の質は劣化しており、また伊藤忠の連結資本の 24%に及ぶ CITIC への出資の集中リスクを懸念するべきである。

債権者はさらに、伊藤忠が今後新規投資を縮小すると予想している。しかし、伊藤忠は純利益の大きな 部分を特別利益に依存していることから、中核事業が劣化する中、目標達成のために支出を続けざるを得ない可能性がある

たとえば 2016 年 3 月期、伊藤忠の商社としての中核的な利益を表す営業利益(売上総利益、販売費及び一 般管理費、貸倒損失の合計)は前期から 17.2%減少した(2,727 億円から 2,264 億円)。この減少をカバ ーするために、伊藤忠は複数の特別利益の恩恵にあずかっている。これには PrimeSource の売却82 に伴 う 200 億円の利益、オリエントコーポレーションの資本構造の変更に伴う 90 億円の利益、Samson Resources の売却に伴う 340 億円の税務上の利益、そして CITIC の負ののれんにかかる利益が含まれる (CITIC の株価は伊藤忠の投資時から 14%下落していたにもかかわらず)。これらの利益は中核事業の成長の欠如を覆い隠してきた。

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利益源がなくなりつつある中で、伊藤忠が来期の純利益計画 3,500 億円を達成する方法は考えにくい。

 

 

このレポートについて伊藤忠の返事では<当社の会計処理に関する一部報道について>

1)コロンビア石炭事業(Drummond International, LLC)への出資について
2014 年度に、同社が潜在的議決権を有する優先株式を発行した際にジョイントベンチャー契約の見直しが行われました。これに伴い、同社の予算及び設備投資等の重要な決議事項に対する承認権を有さないこととなり、営業及び財務方針に重要な影響力を 行使することができなくなったため、持分法投資から一般投資に区分変更を行ったも のです。

2)CITIC Limited(CITIC 社)に関する連結処理について
2014 年度に、当社は CITIC 社を中心とする企業集団及び CP グループと戦略的な業務・ 資本提携に関する契約を締結しました。これに伴い、2015 年度に CP グループと共同で 設立した事業会社(当社持株比率 50%)を通じて CITIC 社の議決権株式を 20%保有し ており、同社への投資に対して持分法を適用しております。

3)頂新に関する会計処理について
2014 年度に、当社は保有持分の一部売却を行うと共に、株主間協定書を改定しました。 これに伴い、当社の同社に対する経営関与度合いが低下したため、持分法投資から 一般投資に区分変更を行ったものです。

 

また、伊藤忠商事株式会社に対するグラウカス・リサーチの返答

1。著名な監査法人による無限定適正意見は不正会計に対する防御手段にはならない。

2。伊藤忠の返答において、同社は潜在的な希薄化については触れたもののそのよう な希薄化が起きたかどうかについて明瞭に説明していない。予算及び設備投資等に対する「承認権」は現行の会計ルー ルの下では無関係である。IAS 第 28 号に基づくと、被投資企業の議決 権の 20%以上を保有していれば、重要な影響力を有していると推定され、その投資は原則的に関連会社投資 として扱わなければならない。

仮に伊藤忠が正しく、2015 年 3 月期におけるドラモンド JV の連結除外 が適切であったとしても、会計ルールは伊藤忠が投資を区分変更する時点で再評価を行うことを求めている。 伊藤忠は頂新を「関連会社投資」から「その他の投資」に区分変更したことにより特別利益 600 億円を認識 している。なぜドラモンド JV に対しては同様の再評価がなされないのであろうか。

3。CITICのケースにおいては、ジジョイントベンチ ャーが 20%の持分を保有しているという事実は「重要な影響力」の保証にはならない。

4。伊藤忠の頂新に対する実質的な持分は 2010 年にお いて 18.7%であり、伊藤忠がその投資を区分変更した時点においてもほぼ変わらなかった (17.8%)。伊藤忠はその影響力の程度が 2015 年 3 月期において大幅に変化したという何らかの証拠を提示すべきである。また頂新への 投資の再評価に関しては特別利益の認識が可能であった一方で、ドラモンド JV への投資の再評価は重大な損 失に繋がる可能性があり、利益を損なう可能性があった。しかし、会計基準は、伊藤忠が再評価の結果が良い場合のみ選択的にルールに従う、ということを許容しては

 

まとめ

まず、グラウカスが突っ込んだ3点の中、2の中国国有会社については理屈をこねる感があるが、1と3の好き勝手で区分変更をしているのは確実と思う。伊藤忠の会計手法について疑うの理由と説明はもかなり充実している。その反面、伊藤忠の反応は滑稽だ。短く通り一遍のものであり、挙げられた問題点に対する意味ある対応は全くしていないにもかかわらず、自社の過去の会計処理には「一点の曇りもないと思っている」と言い切ったり、「同じ土俵で話をすると、グラウカスのネームバリューを上げることにつながる」「騒げば騒ぐほど、彼等のネームバリューを上げることになる」なとばっかり強調して、ずいぶんぶさまだ。

しかし、こういった問題に対して、資本市場の関係者はほとんど無視するような見方。

“三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、グラウカスがリポートを公表した翌日の7月28日、「リポートには株式市場にとってニュースとなるようなものはない」と指摘した上で、伊藤忠株の投資判断を改めて「オーバーウエート(強気)」とした。野村証券も8月2日、グラウカスが問題視した3点について、「少なくとも会計基準に明らかに準拠していないとまでの感触は得られなかった」とした。大和証券の五百旗頭治郎シニアアナリストは「グラウカスのリポートで指摘している3社の会計処理については、われわれアナリストも懸念していたところであり、それほど違和感はない」と指摘。その上で「解釈の問題であり、不正とまで言えるかどうかは疑問だ」と述べた。”

問題は事実けど、問題にならない。なぜなら、こういた会計処理はどの社でもやってることから。

“伊藤忠が指摘された投資区分の変更は、他商社にとってもひとごとではない。「15~20%出資する企業への持ち分法適用の是非は社内でよく議論になる。各社、多かれ少なかれ会計のマジックはあり、まっとうな処理と説明するのは容易でない」(商社関係者)。

また、総合商社が少数出資する資源権益の減損判定も、前提となる将来の商品市況の長期見通し次第で大きく変わる。ベースはあるが、強気か弱気か、どの見通しを組み立てるかには微妙な裁量がある。明らかな説明の矛盾がないかぎり、監査法人もその幅を容認するのが実態だ。

実は商社が標的になったのはこれが初めてでない。2015年12月、国内の調査会社ウェルインベストメンツリサーチが、丸紅に対し「巨額の減損リスク」と題したリポートを公表。特定案件の減損処理を「意図的に遅延させた疑いがある」と指摘した。

今回のケースでは、連結の適用範囲など個別案件の微妙な解釈を指摘しており、複数の会計専門家は「伊藤忠の事業に精通した者が一つひとつの案件にヒアリングしないとコメントは難しい」と見通す。総合商社は300社から多くて1200社以上の連結対象企業を抱え、収益がキャッシュの流れと一致しない“バーチャル”な会計処理を多く行っている。”

減損損失、投資収益はそもそも一定範囲内で調整できるものであり、それを使って業績を緩やかにするのはある程度世界共通でも言えるだろう。しかし、今回の件とともに暴露した一つのことは、日本古く以来特有なビジネスである総合商社のビジネスモデル問題である。

日本商社のビジネスはどう見ても資源分野と海外投資という二つの分野に大きく依頼している。市況産業に近い、投資ポットフォリーオから見るとリスクかなり分散されてないようだ。最近アメリカの経済復活と金利上昇の傾向はともかく、世界範囲の低成長低金利またドルの景気によりコモディティー価格の下落と海外投資の失敗は今後も続く可能が小さいでは言えない。今の経済環境から見ると、商社の経営投資戦略は時代遅れでも言えるだろう。グラウカスが言ったような、中核事業が劣化する中、利益の大きな部分を特別利益にいぞんさぜるを得ない、また目標達成のために支出を続けざるを得ない可能性が大きだろう。低金利の恩恵を被って資金を調達ことができでも、高いレバレッジとフリーキャッシュフローの出さない投資はいつまで続けるだろう。紙上の投資利益は中核事業の成長の欠如を覆い隠すことはいつまでできるかの一方、不安定な金融市場でいつか世界レベルの金融危機が再び起きる時、そういった海外投資は破滅までの損失を持たされる可能性もないではないだろう。

また、どの総合商社でも今は、非資源分野を中心とした成長戦略推進を向けた収益基盤の構築を強調しているけど、経路依存と会社内体制の陳腐化を考えると言ってるような簡単ではないだろう。例えば従来鉄鉱石と原油・天然ガス事業の開発投資など領域で強みのある三井物産は「資源への投資はより厳選してハードルを高くする」と「アジアの病院事業や食料と農業、海外発電などに経営資源を集中し、エネルギー・金属以外の安定収益型事業の純利益を、現在の1400億円から2020年3月期までに2000億円へと積み上げる」という二つ策を打つと公表したが、後者の収益が出るまでの時間という問題以外、総合商社として一体どこまでそういうプロジェクトへの目利きがあるのか。転換期の内、純利益が絞るとともに基礎営業キャッシュフローも当然縮小見込みであり、今まで投資家を引き寄せた商社の現金配当は持続がたいだろう。

伊藤忠の中期計画は

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一番期待されたのは食料、または住生活、繊維と情報金融、また次は機械と金属。現況を見ると:

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-> 2015年の状況はかなり厳しいらしい。自信の根拠はよく分からない。実際16h1の状況を見ると

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-> CITICの投資収益がないとかなりやばいの感じ。ROE下降はさぜるを得ないだろう。

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伊藤忠投資状況

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*伊藤忠の戦略

A。伊藤忠の非資源ビジネス、特に生活消費関連分野

当期純利益に占める資源以外(非資源)の割合は非常に大きく、なかでもその半分以上を占める生活消費関連分野は業界最大の収益規模を誇り、資源ビジネスの収益の割合が比較的大きい他商社との大きな違いとなっています。この生活消費関連分野の伸びがNo.1の原動力なのです。

例えば、バナナなどの青果物でおなじみの「Dole」は、2013年4月に伊藤忠がアジア青果物事業とグローバル加工食品事業を買収し、生産から販売までを手掛けている事業のひとつです。

このDole事業の取得により、「世界のDole」というブランド力や、70カ国以上にわたるDoleの販売網を最大限に活かして、世界中の美味しいものを、世界をフィールドとして拡販していくことが可能になりました。

新たに取得した事業に自社がもつノウハウを加えて、その価値をさらに高め、自社のさまざまな事業同士を有機的に結びつけてシナジーを生み出すことが伊藤忠流のアプローチ。ドールをはじめとする生活消費関連分野は、特にこのアプローチに強みを持つ分野なのです。

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->このノウハウとシナジーは何かよく分からない。

財閥系商社が歴史的に国の基幹産業との結びつきが強いのとは異なり、伊藤忠は繊維ビジネスが祖業であることを背景に、生活消費関連分野を中心にさまざまなビジネスを創造してきました。
業界に先駆けて、ブランドビジネスという分野に先鞭をつけたのも伊藤忠です。

1970年代、時代に先駆けて「イヴ・サンローラン」ブランドの紳士服地を輸入したことからはじまったブランドビジネスは、「ブランド」という付加価値をつけて製造販売を行うライセンスビジネスを経て、2000年代には、ブランドへの直接投資へと進化。
数々の世界的ブランドの買収・資本参加を行うなど、ブランドビジネスの先駆者としての豊富な実績とノウハウを誇ります。

-> 確かに衣料品には強いイメージがあるけど、それを食料品で通用するか。そもそもグロバールが半世紀も進んだ今、ブランドの買収・資本参加を行うのビジネシ意味は何か。また、最も大きのCITICの投資はそれと全く関係ないじゃないか。

1998年には、コンビニエンスストアチェーン大手「ファミリーマート」に参画。
経営が厳しい時期ではありましたが、約1,350億円をかけ、商社としてはじめてコンビニエンスストアの経営に乗り出しました。
現在では国内のみならず、アジアへの出店を中心とした店舗網を築くとともに、ファミリーマートを起点として、原料確保から加工・製造、流通、販売に至るバリューチェーンを構築しています。

特に生活消費関連分野は、投資実行後も長い年月をかけて地道に事業基盤を育成する必要があり、この分野で丹念に種を蒔いてきた伊藤忠のやり方が、今では他社には真似のできない大きな強みとなっています。

-> ”コンビニと商社って相性抜群” “商社の取り扱うの商品やサービスが多いことを表した言葉で、まさしくなんでも売ってるコンビニに近しい業態”

海外事例 英国タイヤ小売ビジネス

伊藤忠は2011年6月、英国タイヤ小売「Kwik Fit」の100%株式を取得しました。この買収に先立ち1994年に買収したタイヤ卸・小売「 Stapleton’s 」を、きめ細やかな顧客対応などサービス面での高付加価値をお客様に提供することで、英国タイヤ卸最大手に成長させ、店舗当たりの収益性を英国のトップレベルへ引き上げることに成功しました。この過程で蓄積したノウハウを「Kwik Fit」に投入し、現在では絶対的リーディングカンパニーに成長しています。

小売と卸、それぞれの分野のNo.1企業の買収により生まれたオペレーションの効率化とスケールメリットというシナジーも活かして、マーケットでの競争優位を築き、着実な収益成長を目指しています。

-> これから見ると、商社のビジネス投資の核心は提携強化とシナジーの造出。具体的にどのくらいが本の価値なのか、また詳細の分析が必要かも。

B。アジア全域

CITIC・CPとの戦略的業務・資本提携を中核に据えた中国戦略。

伊藤忠は中期経営計画「Brand-new Deal2017」(2015~2017年度)のもと、強みを持つ中国・アジアの非資源分野に戦略の軸足を置く姿勢を鮮明に打ち出しました。

その中核が、2015年に実現した、中国最大のコングロマリットであるCITICグループ、タイ最大で世界有数のコングロマリットであるCPグループとの戦略的業務・資本提携です。伊藤忠は、この提携によるシナジーを最大化することにより、中国・アジア等で「生活消費関連分野」を中心とした幅広い事業領域で、商機を掴み、さらに成長を加速させていく考えです。

伊藤忠の狙いは着実に成長している世界最大の中間層である。これら中間層の増大は、中国人の消費活動に劇的な変化をもたらしており、「安心・安全」な日本の商品をはじめ、商品の「質」に対するニーズが急速に高まっています。まさに伊藤忠の生活消費関連分野の強みが発揮できる市場です。
加えて、中国のGDPに占める民間消費の割合は約40%弱と、日本の約60%と比べてまだまだ低く、巨大な伸びしろがあるのです。

伊藤忠の強みである「生活消費関連分野」と「中国」。この組み合わせにより、さらに伊藤忠にしかできない競争優位を築いていきます。

-> 中国消費層という方向について問題はないと思うけど、CITICの業務(主に金融と資源、両方とも国家に重視される領域)を考えるとどうやら伊藤忠の6000億投資は財務投資に過ぎない。中国経済のリスクは予想より大き可能性もある。また進化している中国消費市場にうまく対応できるかとうかも問題である。