Japan’s Mobile Industry

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携帯キャリアの1ユーザーあたりの売上・利益いえますか?

あなたにピッタリの携帯キャリアは? キャリアの差別化戦略を読み取る

LINEモバイルはどの程度儲かるのか(1) MVNOの1ユーザーあたりの売上いえますか?

LINEモバイルは儲かるのか(2) MVNOの1契約あたりの粗利は●円!

なぜ携帯料金は安くならないのか?3極化する携帯ユーザー。

 

携帯キャリアビジネスは、インフラビジネス

  1. インフラ投資が必要
  2. 規制産業なので凄まじく儲かります。
「携帯キャリアビジネス」セグメント
ドコモは携帯だけですが、KDDIとソフトバンクは固定電話ビジネスが分離できていません
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2015年10-12月決算

EBITDAマージン: 30%以上
営業利益率: 20%程度
設備投資率: 10%以上

市場シェア
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2015年10-12月決算

解約率の低さ:Subscription(継続課金)のビジネスをやったことがある人であれば「特異的に低い」

1ユーザーあたりの売上(Average Revenue Per User)
KDDIは割引額が開示されていないため、NTTとSoftbankの間をとって1000円/月を割引額として
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1ユーザーあたりの利益(EBITDA、営業利益、キャッシュフロー)
2015年10-12月決算

 

つまり、1契約を取ると、毎月約900円ずつ営業利益、700円ずつキァッシュフロー
+2年契約ロック(世界的に見ても相当酷いレベル)、解約率が1%程度と非常に低い
+規制産業で事実上新規参入が無理
+国民ほぼ全員が1人1台持つ、非常に巨大な市場
=夢のような高収益なビジネス

(各社のARPUはもうほとんど成長しない状況)+ (1契約取る2年間契約2万円かけて)=「MNPキャッシュバック(他キャリアからの番号移転)」が乱発

 

キャリアの差別化戦略

スマホ時代において、携帯電話キャリアは、「土管化」し(しばらくはしない)、差別化がどんどん困難になって

  1. 従来はできていた端末とOSのコントロールを失い、3社ともほぼ同じ端末を販売せざるを得なくなって
    (ガラケー時代は、「携帯キャリアが提供するポータル(入り口)」を経由しなければ、ネットにもつながらない、アプリも探せないという、ある意味で自社ユーザーを独占できた時代/スマホ時代になり、メール、ポータル、アプリの3つの全ての「入り口」をOSレイヤー(Apple, Google)に取られてしまうという形になって)
  2. ネットワークの「質」(通信速度)はもう十分高いなので勝負が非常にしにくくなって
    (5Gへの移行期間の間は、ネットワークの「質」が差別化要因になるかもしれません)
スマホ利用時間のうち85%がアプリである
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日本の携帯キャリアの差別化戦略はまだ多くのユーザーを抱える「自社ポータル」

サービスARPUは(通信インフラを構築するのに比べて)圧倒的に投資額が小さくて済み、利益貢献が非常に大きい

「エンタメのドコモ、金融のKDDI/au、ヤフー任せのソフトバンク」

NTTドコモ
サービスARPU: 740円/月
◎ エンタメ系コンテンツ(「dマーケット」1,350円/月)
◯ クレジットカードを含む金融
KDDI/au
サービスARPU: 440円/月
◯ エンタメ系コンテンツ(「スマートパス」372円/月)
◎ クレジットカードを含む金融(「au WALLET」)
ソフトバンク
サービスARPU: 560円/月
◯ エンタメ系コンテンツ(Netflixとの独占契約)
無: クレジットカードを含む金融
(それ以外はヤフーを通して提供か)

 

 

MVNO

MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」、携帯電話回線などの無線通信基盤を他の通信事業者から借り受けて提供する企業のこと

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MNO(携帯キャリア)から回線を卸で借り代

NTTドコモの場合、1Mbpsあたり102,432円/月
KDDI/auの場合、1Mbpsあたり116,619円/月
ソフトバンクの場合、1Mbpsあたり135,256円/月

(1Mbpsで月に約10万円かかる、1Gbpsの回線を借りようと月に約1億円かかります。割と高い。)
また、実際には多くのMVNOは、自ら回線管理さえしていません。MNOとMVNOの間にMVNEという「中間業者」が入っています。

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MVNOの仕事
・MVNOの課金システム構築・運用
・MVNOの代理人として行うMNOとの交渉
・スマホやタブレットなど端末の調達業務
・事業用電気通信設備を設置し、MVNOに卸電気通信役務を提供
・MVNO事業全体のコンサルティング業務
MVNE | 付随するMVNO
OCN | OCN、ぷらら、ASAHIネット、Niftyなど
IIJ | IIJ、BBエキサイト、hi-ho、DMMなど
InfoSphere | InfoSphere、SANNET、楽天モバイルなど
b-mobile |  b-mobile、もしもシークスなど
Freebit | freebit、DTIなど
BIGLOBE | BIGLOBEなど
So-net | So-net、NUROなど
MVNO回線はやや遅くなりうる
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・携帯キャリアから回線を借りる際は、回線の太さ単位で借りて、
・エンドユーザーには、総通信量で販売する→データが増えれば混雑して渋滞
・自ら回線管理しないMVNOの場合、回線クオリティはMVNE依存になる

 

MVNE/MVNO事業の1ユーザーあたりの売上

日本通信(b-mobile):データプランのみのARPUは1,106円、音声通信込みのARPUは1,234円

IIJmio:68.5万ユーザーで30.3億円の売上なので、ARPUは1,474円(データのみ、音声付き混ざってると思われ)

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簡単に整理すると、MVNEのARPUは1,000-1,500円/月、3大携帯キャリアの3分の1〜5分の1くらい
(MVNE/MVNOの場合は端末代が別途かかり、携帯キャリアのような端末割引がないので単純比較は難しい)

MVNO事業者の粗利 = MVNO売上 − MVNE(+MNO)への支払い

IIJmioの場合(資料)
(自前MVNEの)MVNO事業のARPU: 1474円/月/エンドユーザー
IIJにMVNE部分を委託する場合のコスト: 1098円/月/エンドユーザー
差分 = MVNO事業の粗利: 377円/月/エンドユーザー

大雑把に

第三者MVNEと提携してMVNOのユニットエコノミクス
・ARPUは1500円/月くらいになるが、
・MVNE+MNOへの支払(原価)が約1100円/月/エンドユーザーあり、
・粗利として残るのは、約400円/月/エンドユーザーくらい。
・粗利益率は26.7%。

 

LINEが今年の夏にもMVNO事業に参入する

・月額500円から
・LINEのサービス(メッセンジャー、通話、音楽)はデータ通信量にカウントせず
・Facebook、Twitterに関しても通信料を無料にする予定

LINEの既存ビジネスからして、いきなりMVNE事業者になるとは思えないので、上記のどこかのMVNE事業者と組んでMVNOを展開するという前提で

LINEユーザー数は約4000万人/ARPUが1500円/月だとする
MVNOユーザー数 => グロス売上 => 粗利
--------------------------------------------------------------------
1% (40万ユーザー) => 6億円/月 (72億円/年) => 1.6億円/月 (19.2億円/年)
5% (200万ユーザー) => 30億円/月 (360億円/年) => 8億円/月 (96億円/年)
10% (400万ユーザー) => 60億円/月 (720億円/年) => 16億円/月 (192億円/年)

(2015年9月時点でのMVNO契約の総数は405.8万回線(YoY+76.1%))
(LINEの2015年の年間売上は1207億円)

 

とにかく、MVNO事業は、インフラをMNOやMVNEに依存するために、例えばメディアビジネスなどと比べると圧倒的に原価が大きい(粗利が小さい)ビジネス

Update 2016/8

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新規参入の増加により、価格競争が激化していた。

日本通信がMVNOからMVNEに転身した:

「キャリアの劣化版では市場はすぐに頭打ちになってしまう。ここで競争し続けても未来はない」

小売りは格安スマホを持つことで自社ブランドの認知や顧客ロイヤリティを高めるメリットが見込めるが、通信の運用ノウハウやキャリアとの交渉力はない。一方で、古参のMVNOはノウハウはあるが、小売りほど顧客は抱えていないし、ブランド力も弱い。互いの弱点を補う形でMVNOとMVNEとが協力することで、市場は拡大してきた。

 

 

携帯キャリア(MNO)は増収増益の決算が続いています

携帯電話大手3社の2016年4~6月期連結決算が2日、出そろった。国内通信事業が好調だったため、ソフトバンクグループとKDDIは過去最高の純利益を計上。NTTドコモを含む3社とも増収増益だった。

 

なぜ携帯料金は安くならないのか?

A. 現在の携帯キャリア市場の市場環境

  1. 大きなパイの増加が見込めません(人口減少、携帯電話使用人数飽和)
  2. スマホ化によって、より多くのデータ通信が起こるため、多くの設備投資が必要になる
  3. »「値下げは絶対にしない」、「他社のユーザーを奪うために、マーケティングコストを投下する」という戦略を立てる

B. 新規参入は無理

  1. 新規参入者が、高額を払って周波数オークションに勝ち、その上で全国にアンテナを立て巡らせて、更に、既存のキャリアよりも安い値段でサービスを提供する、というのは相当難しい気がします
  2. 実際にアメリカでは周波数オークションが実施されていますが、結局のところ、主要な携帯キャリアは4社固定で、それ以外にある小さいキャリアは、多くの場合、主要4社のどこかに買収されていきます

C. MVNOの低料金競争で解決しない問題

  1. 「端末の分割払い」が解決しない限り、MVNO業者がシェアを取ることは難しい
    (金融ビジネス持っている楽天モバイルがMVNOでシェアを増やしている理由)
  2. MVNOで回線を広く開放することにあまり積極的でない、あるいはMVNOへの流出をある意味許容することで、自社の料金を高級サービスとして下げないようにしている
    (ドコモは、競合2社にユーザーを取られるくらいなら、(ドコモ回線の)MVNOに流れてもいいっと考えるかもしれない)

D. ユーザー

  1. ショップ等での対面サービス、端末の分割払いなどの需要
  2. 価額の非弾力性、現状維持

 

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